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中島敦 の商品レビュー

4.2

32件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

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2011/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西遊記から沙悟浄を選ぶという着眼点もすごいが、師を求めて様々な妖怪を訪れる姿を諸子百家が並び立つ古代中国に重ね合わせて縦横無尽に生を語らせているその内容が特に惹かれる。(引用) 悟浄出世 「まずふさわしき場所に身を置き、ふさわしき動きに身を打込め。身の程知らぬ『何故』は、向後一切打捨てることじゃ。」 難しいことだけど大切なことだったんだと思う。何故?ってすぐ使っちゃうな~ 難しいけどいい本だった。

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2011/11/30

この中では『弟子』『木乃伊』『巡査の居る風景』が好き。漢文調の文章は読んでいてとてもきれいに言葉が流れてくる。朗読に向いているな、と感じた。作家業に本腰を入れようとした途端の死が惜しまれるばかりである。

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2011/07/24

この小説を読んだ目的は、『弟子』と『山月記』。 『弟子』は、弟子の子貢と師の孔子のお話。無頼漢だった子貢が孔子と出会ってから一生を閉じるまでがつづられていて、その間の問答が面白い。孔子に質問をして、孔子は答えるんだけど、子貢は納得できなくて考えて考えて自分なりの答えを出して、ま...

この小説を読んだ目的は、『弟子』と『山月記』。 『弟子』は、弟子の子貢と師の孔子のお話。無頼漢だった子貢が孔子と出会ってから一生を閉じるまでがつづられていて、その間の問答が面白い。孔子に質問をして、孔子は答えるんだけど、子貢は納得できなくて考えて考えて自分なりの答えを出して、また考えて。その様子は現代の人々と全然変わらないと思う。人って結構変わらないんだな、って思った。 『山月記』は、自分への戒めに。この話は結構有名だと思う。人が虎になって、偶々遭遇した友人に自分の身に起きたことを話すというお話。これのどこが戒めかというと、自分に固執するあまり獣になってしまう所。最初に読んだときは凄く怖かった。今読んでも怖い。姿形が虎になることはないだろうけど、心がそうなってしまえば姿形は関係ない。自分もいつか虎になるんじゃないか、と考えると本当に怖い啓示を含んだ話だと思う。これを読むとぴりっとする。自分はどうだろう、まだ虎じゃないよね、って自分の日常を確認したくなる。 この他にも短篇がいくつも入ってる。 文章は淡々としてるのに、そこで描かれている苦悩だったり感情だったりがすごく感じ取れるからこの方の話は好き。中には「うっ」てなるものもあるんだけど、それでも好き。

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2011/03/13

絶えず歩む求道者。 前々から気になっていた中島敦。熟語を多用した硬い文体がいい。 漢文調の文体が有名な中島敦。『山月記』を始め、『李陵』や『悟浄出世』もその流れを汲んでいる。 一方で、『木乃伊』、『マリヤン』等のパラオを題材にした作品にも力を入れているよう。 ほぼ全ての作品を...

絶えず歩む求道者。 前々から気になっていた中島敦。熟語を多用した硬い文体がいい。 漢文調の文体が有名な中島敦。『山月記』を始め、『李陵』や『悟浄出世』もその流れを汲んでいる。 一方で、『木乃伊』、『マリヤン』等のパラオを題材にした作品にも力を入れているよう。 ほぼ全ての作品を通して感じるのは、世に、人生に悩みながらも前向きな答えを模索する姿勢だった。ただただ絶望や厭世に浸るのではなく、現実を見て理想を創りあげようとしている。そのようなところが好ましい。

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2009/12/02

私小説家としての中島から、壮大な歴史小説作家としての中島まで、中島の多様な作品が収録されてあるところが良い。 個人的には、作品の並びが絶妙だと思う。

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2010/08/22

全作品21篇中、15編が収められている。 「李陵」や「山月記」は言うに及ばず、「かめれおん日記」や「悟浄歎異」に、作者自身の独白が聞けるようで、たいへん興味深く読んだ。

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2009/10/04

中島敦氏の作品は一回では読みこなせないです。特に中国が関わる作品群は底で響く重厚な運命のテーマが感じられ一筋縄ではいかない。

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2009/10/04

中島敦、まさに人生の伴侶たる書。山月記は」何度読み返したか分からない。 李陵、蘇武、司馬遷…二千年前の人々の、魂の叫びと、現代人の共感。

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2022/11/20

 ずっとずっと大切に傍に置いて、わたしが迷う、悩む、生きるその一場面ごとに、何度も読み返して味わいたいと思ってしまう一冊。

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2009/10/04

オール中島敦。 昔の中国を舞台にしたものから古代オリエント、パラオ、西遊記etc.とさまざまな話がある。このように色々な設定で物語を作れるというのは作者の知識の豊富さを表しているのだと思う。山月記しか知らなかったが、この本で色々な著作を読めてよかった。読み出すと止まらなくなる。

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