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アフォーダンス入門 の商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

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2023/05/10

2023.05.01 「行為のあるところには、かならず行為を取り囲むことがある。 まわりがあって生きもののふるまいがある。」 環境が、動物の行為にどう影響を与えるか、 環境にはどんな意味が潜むのか、 行為を司る知性とは何なのか、を探る本。 エピローグで引用されている、田中小...

2023.05.01 「行為のあるところには、かならず行為を取り囲むことがある。 まわりがあって生きもののふるまいがある。」 環境が、動物の行為にどう影響を与えるか、 環境にはどんな意味が潜むのか、 行為を司る知性とは何なのか、を探る本。 エピローグで引用されている、田中小実昌さんの文章に共感する。 確かに、中学生くらいで初めて遠出した時の違和感と緊張感と高揚感はこんな感じだったかもしれない。 私がいようがいまいが、世界はそこにある。 私がいようがいまいが、世界は動いている。 生きもののふるまいは、世界が動かしている。 生きものがふるまえば、世界も変化していく。 世界が違って見えてきて、私は今日も散歩が楽しい。 ヒトの赤ちゃんの手も、キャベツの根や幼根もぐるぐる回っている。 みんな世界を探っている。 あと、ダーウィンの凄まじい実験と観察のエピソードと、その本質を見つめる力には敬服する。。

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2024/05/13

「アフォーダンス」について予備知識がなかった私は、この本を書店で見つけたとき、人体のイラストの表紙のせいもあって、どんなダンスだろうか、アフォ(=アホ)のダンス…?などと想像してしまいました(本当です)。しかし、「アフォーダンス」は、ダンスではありませんでした。 それは、ある生物...

「アフォーダンス」について予備知識がなかった私は、この本を書店で見つけたとき、人体のイラストの表紙のせいもあって、どんなダンスだろうか、アフォ(=アホ)のダンス…?などと想像してしまいました(本当です)。しかし、「アフォーダンス」は、ダンスではありませんでした。 それは、ある生物を取り巻く状況がその生物に与える情報や刺激のことです。たとえば、大地は私たちに立つことをアフォードし、椅子は座ることをアフォードする。私たちが森林に分け入って感じる清々しさは、森林が私たちに「清々しさ」という感触をアフォードした、となります。 このようなアフォーダンスの考え方を敷衍(「ふえん」…他のことにもひろげて当てはめること)すれば、人間の感情や性格も、私たちの内部にあるのではなく、外部からアフォードされてはじめて生じるものだ、と考えられます。とすれば、私たちが悩むとき、その悩みは、普通考えられているように私たちの内部で生じるのではなく、外的に与えられたものであり、したがって、その悩みを自分から切り離すことは、私たちが思い込んでいるよりもずっと容易だ、と言えます。 生態心理学と言われる「アフォーダンス」の考え方は、禅で言う「無心」という境地に、科学的な心理学の方向からアプローチしている、と言えるのではないでしょうか。 『〈心〉はからだの外にある―「エコロジカルな私」の哲学』(河野哲也、NHKブックス)も、「心」が実は、自分の外の「環境」と影響し合うものであることを理解し易く説明してくれています。(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2009年4月号掲載

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2022/04/11

非常に普通のこと、それがいかに使われていない認識図式=無意識かを教えてくれる。物事を精密な尺度で誰もが扱える原因結果の連鎖という理解図式と違って、アフォーダンスを応用し何か便利なものを開発できるわけではないし、お金にならないし。だからこそインパクトの割には知られていない。色んなこ...

非常に普通のこと、それがいかに使われていない認識図式=無意識かを教えてくれる。物事を精密な尺度で誰もが扱える原因結果の連鎖という理解図式と違って、アフォーダンスを応用し何か便利なものを開発できるわけではないし、お金にならないし。だからこそインパクトの割には知られていない。色んなことを定義し直すパラダイムの元として派生していってんのかな。

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2022/01/21

アフォーダンスとは何かという議論に徹している。その先の話がもっとほしかった。 その意味では同じ筆者の「レイアウトの法則」のほうか面白かった

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2019/04/03

著者の岩波科学ライブラリーの『アフォーダンス』も良かったが、こちらもおもしろかった。 エドワード・リード『アフォーダンスの心理学―生態心理学への道』を読む前の準備運動として読んだのだが、それなりの難題感は得られた。 意図性をさぐるための書。

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2019/04/02

「アフォーダンス」という言葉は、生物学や心理学系のやや進んだ議論をするときに、最近当たり前に目にするようになった用語だが、なかなか理解するのが難しく、少しお勉強をしてみようとして手に取った本。最近読んだ戸田山和久『哲学入門』やダニエル・デネットの近著『心の進化を解明する』でも重要...

「アフォーダンス」という言葉は、生物学や心理学系のやや進んだ議論をするときに、最近当たり前に目にするようになった用語だが、なかなか理解するのが難しく、少しお勉強をしてみようとして手に取った本。最近読んだ戸田山和久『哲学入門』やダニエル・デネットの近著『心の進化を解明する』でも重要な概念として取り上げられていた。 ジェームズ・ギブソンによって提唱されたアフォーダンス、それにもとづく心理学 - エコロジカル・リアリズム - をわかりやすく紹介するのがこの本のテーマである。 環境があって、知覚がある。環境があって生物がいる。 「生きもののすることには、それを可能にしているところがある...行為があるところには、かならず行為を取り囲むことがある。まわりがあって生きもののふるまいがある」 わかりやすく紹介する、というこの本を読んでもアフォーダンスについてきちんと理解をしたかどうかは覚束ない。著者も「それにしてもアフォーダンスはわかりにくいし、わかってもらいにくい」という。それでも、世界の見方を新しくする可能性を含むアフォーダンスという概念を、自分たちはうまく利用していくべきだ。「地面には移動のアフォーダンスがある」というとき、自分はアフォーダンスの概念をしっかりとつかんでいるだろうか。生物は、重力や光に囲まれた知覚システムであり、ボーンスペースなのだ、というときも。 さて、この本のもうひとつの魅力は、ダーウィンのさらなる偉大さを意外な側面から知ることができる点である。晩年、ダーウィンがミミズの研究にはまっていたことは比較的知られた話だが、その業績をここまでポジティブに評価したものは初めて読んだかもしれない。著者は、「ダーウィンだけがミミズの本当のすごさに気づけた」という。併せて紹介されている植物の研究も、ダーウィンの観察眼と思考の特異さを示している。こうやって紹介されると、確かにそうだと思えた。ダーウィンの進化論以外の業績はほとんど気にかけたこともないが、そもそも一度も読まずに印象で判断している典型事例のひとつだったのかもしれない。ダーウィンの知性の深さと、進化論の業績が決して偶然ではないと、進化論を読む以上に感じた。 著者は、「さんご礁で起こっていることを生物学者が観察するように、人のふるまいに起こっていることを見てみたい。つまり「さんご礁の心理学」を試みてみたい」と書く。ダーウィンを通して、「もう一つの心理学」を考えてみるという。かえってわかりにくくなったかもしれないが、著者の射程は、そこにある、と言えるだろう。 ダーウィンは、「進化(Evolution)」という言葉を、それが方向性を持つものとして認知されることを警戒して慎重に使っていて、できる限り避けていたという。ダーウィンがどれだけ自分の理論を深く理解をしていたかということの証左でもある。複雑なものを複雑なままで受け取ること、それが大事なことなのだろう、そんなことを考えた。 --- 『哲学入門』(戸田山和久著)のレビュー https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/448006768X 『心の進化を解明する ―バクテリアからバッハへ―』(ダニエル・デネット著)のレビュー https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4791770757

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2018/11/24

何の本なんすかこれ?ってくらい、とっちらかってて、真面目に読むとイラつく アフォーダンスは本で読んだことなかったので読んでみたけど、本を間違えた ダーウィンのミミズの本が美しく、読みたくなったのが1番の収穫 アフォーダンスはギブソン読んで勉強しよう どうも、この本のアフォーダン...

何の本なんすかこれ?ってくらい、とっちらかってて、真面目に読むとイラつく アフォーダンスは本で読んだことなかったので読んでみたけど、本を間違えた ダーウィンのミミズの本が美しく、読みたくなったのが1番の収穫 アフォーダンスはギブソン読んで勉強しよう どうも、この本のアフォーダンスは、読んでて怪しいと思ってしまったので

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2016/04/12

p.30「生きものの行為とその周囲とはどうやら二つで一つのことなのである。」 p.132「脳とはおそらく、環境の「絵のようなイメージ」を浮かべるところではなくて、環境と持続して接触する全身のシステムの一部なのである。脳にあるのは世界の「地図」ではなくて、世界との関係を調節する働き...

p.30「生きものの行為とその周囲とはどうやら二つで一つのことなのである。」 p.132「脳とはおそらく、環境の「絵のようなイメージ」を浮かべるところではなくて、環境と持続して接触する全身のシステムの一部なのである。脳にあるのは世界の「地図」ではなくて、世界との関係を調節する働きの一部なのである。」 読みやすい。アフォーダンスという概念が初めて分かった気がする。「生きもの」と「世界」がどのような「感覚」と「行為」でつながっているかについて、とにかく抽象的になりやすい説明を、できる限り具体的な例に落とし込んで解説している。 世界は、想像以上にシンプルでいて、想像以上に複雑で、つまりあるがままの姿なのです。

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2015/02/08

 アフォーダンスの概念をダーウィンから説き起こし、自然現象の観察に対する姿勢まで豊富な具体例とともに解説しており、非常に分かりやすい。結果、アフォーダンスの概念を厳密に検討しているわけではないので、あくまで入門書である。おぼろげながら理解できたことから推測するに、環境に潜在する意...

 アフォーダンスの概念をダーウィンから説き起こし、自然現象の観察に対する姿勢まで豊富な具体例とともに解説しており、非常に分かりやすい。結果、アフォーダンスの概念を厳密に検討しているわけではないので、あくまで入門書である。おぼろげながら理解できたことから推測するに、環境に潜在する意味として、実在的に捉えようとするところがアフォーダンスの独自性であろうか。認識論はやはり興味深い。

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2014/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●前提知識 ・ギブソン心理学→生態心理学 ・フレーム問題@ロボット 「ある行為に関連すること」と、「ある行為に関連しないこと」を、 効率的に見分けるにはどうすればよいのか? ・ゲッシュタルト ↓ 「感覚要素の総和以上のもの、総和とは異なったもの」 ★行為 「行為は跡を残している。」・・・生き物のすることは、それを可能にしているところがある。そして、それを可能にしている変化の仕方がある。 行為は、”まわり”があって初めて成立する、逆に、”まわり”はその行為によって存在することになる。 1.生きものの行為 2.その周囲 →この二つで一つのこと 行為に目的があるなどと考えるのは、ぼくらがよくしてしまうあやまり ↓ 自然がすることは、ぼくら人間が「意図」とか「目的」とよんでいることを越えている ↓ (自然は)つねに、無目的無効法に変化しているという進化論のモチーフ 行為は、まだはっきりとしていない意味を確かに知っている。 知覚が先で、説明は後からやってくる。 ぼくらが行為から観察できること ・「はじめ」 ・「おわり」 ・「はじめからおわりの変化」 ↓ 意図ですべて説明し得ない、というメンタリティが必要 行為すること=知覚すること→”みえ”の変化=知覚システムの稼働 ●意味とは、アフォーダンスとは ★意味 意味=行為だけが発見することのできる意味 ↓ 1.環境にあって僕らを取り囲んでいる多様な意味 2.辞書にのっていない、名前のついていない、行為だけが知っている意味 ↓ 行為は、その意味を、環境の中で探し当てる 1.2.はつまり、 「環境にあって、行為が発見している意味」 「環境が、動物に提供するもの、用意したり、備えたりするもの」 →アフォーダンス ↓ これらは、ぼくら動物の行為の「リソース(資源)」になる。 ↓ 動物の行為は、 ・アフォーダンスを利用することで、可能になり ・アフォーダンスを利用することで、進化した ★アフォーダンス アフォーダンス=環境が、動物に提供する「価値」のこと。 アフォーダンスとは、 ・刺激でなく情報 ・知覚者が、「獲得」し、「発見する」もの ・主観ではなく、環境に存在、しかし知覚できるようになるまで、環境との交渉が必要で時間を要する→知覚システムのUpdate ●知覚システム 知覚システムには ・接触システム ・視るシステム ・聴くシステム >認知の領域 知覚=感覚刺激以外の知覚の原因→「環境」というマクロな視点? ●環境と自己 ★環境 >傾きや変形(カタチではなく) >>「動き」とか「姿勢」が関わる 「知覚の刺激」の本質 環境の中で、動き回って、何かを見ようとする観察者が、その全身の動きとともに発見するもの ↓ (そこにある要素) 1.異質性  光とか 2.不変項→変われば変わるほど、「変わらない」ことがわかるもの ・構造不変項  対象が恒常的に保たれている状態 ・変形不変項 ブルートファクツと変化したもの >この二つをしっかりとみることが大切 >環境においては、 「持続」と「変化」、これが「情報」となる + 「自己」という情報 「発達するといこと」 ↓ 知識を「蓄える」のではなく、「身体」の振る舞いをより複雑に、洗練されたものにしていくこと。 ★環境と自己 ↓ 切り離せないかたちで存在 >探されるアフォーダンス→アフォーダンスを探る行為 ●リアリティーのデザイン 何をアフォードしているのかが、よく「見えるように」しておくこと ↓ 1.「モノ」ではなく、「リアリティー」を、 2.「カタチ」ではなく、「アフォーダンス」を、 デザインするべき ↓ (それらをデザインするためには・・・) ↓ 1.道具やシステムが利用されるまさにその現場で、設計やアイデアが発見されること 2.「カタチ」の専門家ではなく、道具を介したときに、人々の「知覚と行為」にどのような変化が起こるのかについて、しっかりと観察できるフィールド・ワーカーである必要→リアルを捕獲する力

Posted byブクログ