4-2-3-1 の商品レビュー
「4-2-3-1」 「やっぱり、4バックより3バックのほうがいいよね」「オレは4-3-3が最強だと思うけど」といったサッカー談義をよく耳にするが、いくら熱っぽく、理屈っぽく、監督目線・評論家目線でその理由を語ったところで、ベースとなる戦術や布陣に対する知識がなければ、まるで説得力...
「4-2-3-1」 「やっぱり、4バックより3バックのほうがいいよね」「オレは4-3-3が最強だと思うけど」といったサッカー談義をよく耳にするが、いくら熱っぽく、理屈っぽく、監督目線・評論家目線でその理由を語ったところで、ベースとなる戦術や布陣に対する知識がなければ、まるで説得力はない。しかし残念なことにその知識は、欧州では日常的に語られていても、いまの日本では満足に語られるものではない。 私はサッカーが好きです。サッカーの醍醐味は攻撃守備がピッチ上で切り替わる展開の速さ、1対1以外にも2対2,3対1など様々な対峙が成り立つこと、監督のオリジナリティが前面に出ること、戦い方で格上にも打ち勝てることなどです。特に面白いと感じる点は戦術によってサッカーがどんどん変わることです。 この本書では「戦術を理解するとサッカーはもっと面白く見れる(しかしサイドを重要視する戦術を特に取り上げている気がするので、全ての戦術を網羅しているわけではないと思います)」ということに絞って話しています。 サッカーのシステムにはいろんな種類があります。例えば4-3-3(スペインのバルセロナの基本システム)や3-4-3(長友所属のインテルのガスペリーニ監督が好むシステム)、4-2-2(マンチェスターUの基本システム)などです。 また、題名にある4-2-3-1もシステムの一種です。これらの戦術(システム)がどのようにサッカーに影響を与えるのか、勝つ確率を上げるのか、その特性etcを杉山氏が過去の試合の局面を用いて説明しています。 ・・・が私は杉山氏がこれら全ての戦術を満遍なく解析して述べているというよりサイド攻撃の重要性(4-2-3-1は特にサイドの選手がとても大切になってくる)をとりわけ述べているように感じます。過去の試合例もサイド攻撃やサイドのスペースを埋める戦術の重要性が出ている決定機の場面を用いて、解説していますし。 杉山氏がこの本で扱った試合の中で私の記憶に最も印象的に残っている試合は「EURO2004オランダvsチェコ」です。杉山氏が指摘している戦術の妙(サイドを制する重要性)がまさにこの試合の勝負を決定付けました。実際に、チェコのブリュックナー監督と2-1で試合をリードしていたオランダのアドフォカート監督の選手交代とそれによるシステム変更は対照的でした。その結果最終スコアは3-2でチェコの逆転勝ち。 この試合でアドフォカート監督が「攻撃サッカーが大好きなオランダ人が大好きなドリブラー・ロッペン(現バイエルン)、疲労は出ていた、をボスフェルトと交代した時、オランダファンはブーイング!私も「逃げ切りに切り替えたんだろうけど何でロッペンを下げるんだろう?」と思いながら見ていました。そんな記憶が蘇りました。またやはり戦術はサッカーの魅力の1つだと再確認しました。・・・と内容自体はそこまで文句なんかありませんw ですが、杉山氏の岡田監督を岡田サンとわざわざカタカナで表記する点は未だに強い違和感があります。 普通に岡田さんか岡田監督とするべきではないのだろうか? この点は納得出来ない。
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高校の卒論用に読んだ1冊。 かなり個人的に好きなテーマであり、しかも読みやすさもあって1日で読んでしまいました。。
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世界各地でサッカー観戦をしているスポーツライターの杉山氏が語るサッカーの戦術論! フォーメションの図などを用いてわかりやすく、そして詳しく書いてあってわかりやすいです。 こんな戦術所はほかにはないんじゃないかな?読んでみてください。おすすめです!
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フォーメーション図をごちゃごちゃしながらサッカーを理論的に語ろうって内容だったような。 内容の真偽はともかく新鮮ではあった。 現在では似たようなことがいろんなブログとかでやられてるけど。
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サッカーに興味を持ち始めた人にお勧め。 戦術を知ることで、サッカーを観るのがさらに面白くなる。
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【読書その38】サッカー好きの中での、戦術的布陣、システムに関する論議は多い。 バルセロナの4-3-3、イングランド伝統の4-4-2が好きなど。 しかし、ベースとなる戦術や布陣に関する知識が足らず、感情的で根拠のない議論になりやすい。 本書は、現代の攻撃的なサッカーを象徴する流行...
【読書その38】サッカー好きの中での、戦術的布陣、システムに関する論議は多い。 バルセロナの4-3-3、イングランド伝統の4-4-2が好きなど。 しかし、ベースとなる戦術や布陣に関する知識が足らず、感情的で根拠のない議論になりやすい。 本書は、現代の攻撃的なサッカーを象徴する流行の4-2-3-1という布陣をはじめ、サッカーの代表的な布陣を戦術的な観点から解説している。 自分自身、かれこれ15年くらいの大のサッカー好きで、サッカーのためだけにスカパーを契約し、毎週、プレミアリーグ3試合、セリエ2試合、リーガエスパニョーラ2試合を見て、そのほか、Jスカイスポーツの毎日放送の情報番組FOOTが好きで録画して見ている。ここで少し基礎的なところから勉強しようと思って手に取った本。 サッカーの面白さは、戦術が個人を上回ったり、逆に個人が戦術を凌駕することだ。 バロンドール受賞者を集めた超豪華なメンバーでもリーグ戦やチャンピオンズリーグ(CL)を勝てなかったりすること。 まさに一つの例で本書でも触れられているのが2003-2004のCL準決勝のモナコ・レアルマドリード。 ロナウド、フィーゴ、ジダン、ラウール、ロベカルといういわゆる銀河系軍団のマドリーに対し、ジュリやモリエンテス擁するモナコに下馬評を覆してアウェーゴール差で勝って決勝に駒を進めた。本書では、それを戦術的な観点から、決勝点が必然的に引き起こされたことを解説する。 当時ライブでテレビでかじりついて見ていたのを思い出し興奮した。やはり名勝負の裏には名采配があるということだ。 しかし、一方で、サッカーの面白さは、時に戦術を超えた個人の能力が光輝くことがあるだ。W杯のマラドーナのイングランド戦での5人抜き。CL決勝対レバークーゼン戦のジダンの時間が止まったかのような決勝ボレーシュート。 今後も、戦術的な理解を深め、サッカーをもっと知的に楽しみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
≪目次≫ はじめに サッカーは布陣でするか、否か 番狂わせは、弱者の工夫なくして生まれない 4列表記の誕生 アリゴ・サッキの「プレッシングフットボール」 ブラジルがドイツワールドカップで負けた理由 攻撃サッカーのルーツ、オランダ ファンタジスタは布陣を嫌う サッカーは布陣でするもの、ではない? そのとき、ジダンは後悔した? 4-2-3-1か、3-4-1-2か トルシエはなにがしたかったのか? ヒディングコリア 日本代表、空白の8年間 布陣が選手を育てる 敗戦からなにを学ぶべきか 名勝負の裏に采配あり ジャイアントキリング 負けるべくして負けたジーコジャパン オシムが目指したサッカー あとがき ≪内容≫ サッカーについて、布陣を中心に語ったもの。私はあまりサッカーに詳しくないので、「なるほど」程度に読んだが、かなり専門的でもあった…
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ヨーロッパのチームの栄枯盛衰の歴史とそのときのシステム(布陣)が見て取れる。サッキが率いた80年台後半のミランやクライフ率いる91-92シーズンのバルサとともにザックの率いたウディネーゼがシステム論上のエポックメーキングな出来事として捉えられている。個を活かすための布陣、相手の長...
ヨーロッパのチームの栄枯盛衰の歴史とそのときのシステム(布陣)が見て取れる。サッキが率いた80年台後半のミランやクライフ率いる91-92シーズンのバルサとともにザックの率いたウディネーゼがシステム論上のエポックメーキングな出来事として捉えられている。個を活かすための布陣、相手の長所を消すための布陣が勝負のあやに影響しているということを検証している。
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名将への挑戦状 〜世界のサッカー監督論〜/ヘスス・スアレス,小宮 良之 (東邦出版)と併読するとほぼどんぴしゃな一冊!
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気になっていたサッカーの戦術についてなんとなく理解できてこれからみるのが楽しみになる。フラットスリーでトルシエの戦術は面白いのかと思っていたけど迷走し、時代に取り残されていたとは。サッカーは監督と言うのがよくわかった。知的な戦略要するにスポーツなんだ。サイドを制するについては自分...
気になっていたサッカーの戦術についてなんとなく理解できてこれからみるのが楽しみになる。フラットスリーでトルシエの戦術は面白いのかと思っていたけど迷走し、時代に取り残されていたとは。サッカーは監督と言うのがよくわかった。知的な戦略要するにスポーツなんだ。サイドを制するについては自分のやっていたハンドボールともかさなりこれから見るべき楽しみが増えた。最後に著者の理想体型について触れて欲しかった。
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