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パスカル の商品レビュー

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2025/07/19

「考える葦」という一文だけ知っている状態で読み始めたが、思っていたよりもキリスト教色が強く、単なるエッセイではなかった。 パスカルは人間の偉大さと卑小さを何度も強調していた。 「考える葦」という言葉も、この二重性を背景にしているようだった。 パンセの後半にあるキリスト教思想が色...

「考える葦」という一文だけ知っている状態で読み始めたが、思っていたよりもキリスト教色が強く、単なるエッセイではなかった。 パスカルは人間の偉大さと卑小さを何度も強調していた。 「考える葦」という言葉も、この二重性を背景にしているようだった。 パンセの後半にあるキリスト教思想が色濃くなるところで、キリストが神であり人でもあるという、相反する真理を真理として受け止めるというパスカルの信仰観が語られていた。 このようなキリスト教弁証法が背景にあるということを知れたのは大きかった。 哲学批判に関しても、独断論と懐疑論の両方を攻撃している。 どの立場も人間を傲慢にするか堕落させるかの一方しか導かないため真理ではない、という発想だった。 パスカルは人間は獣でもなければ天使でもない、その間の存在であるという考えを重視していた。 信仰は理性に先立つというパスカルの発想は非キリスト者が受け止めるなら、「信念は理性に先立つ」というふうに理解できるかもしれない。 これは自分でもわかる気がする。 何かの信念体系の上に理性的な思考というものがあるのであって、「なぜ信じているのか」と問われれば、最終的には「ただ信じているから」ということになってしまうだろうし、理由なく信じているものをすべて除いて思考することや、それらすべてを証明してから思考することなど、できないだろうと思った。 一方、エッセイ的な部分も面白かった。 世間の人々の幸福感や気晴らしについて批評するところはパスカルの鋭い人間観が表れていた。 俗っぽい読みをするとパスカルが医者に気晴らしでもするように勧められて社交界に行ったはいいものの、なかなか馴染めなかったゆえの一歩引いた視線が背景にあったのかもしれない。

Posted byブクログ