パラダイス鎖国 の商品レビュー
[ 内容 ] 便利さや物の豊富さでは日本はトップクラスであり、外国への憧れも持たなくなった。 そういった日本の様子を著者は「パラダイス鎖国」と呼ぶ。 「ジャパンパッシング(日本離れ)」の背後に潜む日本の問題点を浮き彫りにしながら、21世紀の日本人のあり方を提言する画期的論考。 ...
[ 内容 ] 便利さや物の豊富さでは日本はトップクラスであり、外国への憧れも持たなくなった。 そういった日本の様子を著者は「パラダイス鎖国」と呼ぶ。 「ジャパンパッシング(日本離れ)」の背後に潜む日本の問題点を浮き彫りにしながら、21世紀の日本人のあり方を提言する画期的論考。 [ 目次 ] 第1章 「パラダイス鎖国」の衝撃(失われゆく「海外」の輝き 『HEROES/ヒーローズ』に見る日本人 パラダイス鎖国・産業編) 第2章 閉じていく日本(輸出は「悪」か? 閉じていく日本のカタチ パラダイス鎖国という現実) 第3章 日本の選択肢(21世紀の「ゆるやかな開国」 「豊かさ」の戦略 アメリカに何を学ぶか 多様性の国を目指して) 第4章 日本人と「パラダイス鎖国」(モーレツ社員でもなく、引きこもりでもなく 雇用慣行が日本人を変える 「脱・鎖国」の日本人) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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日本人はもっと外に出て行こう!という主張の本。論説自体に大きな目新しさはなく、世の中で言われていることを大衆向けにわかりやすく伝えてくれている。 発見だったのは、第1章で述べられている日本人の内向き思考の原因は、ある程度豊かになったが故だとした点。80年代は洋楽・洋画ブームがあり...
日本人はもっと外に出て行こう!という主張の本。論説自体に大きな目新しさはなく、世の中で言われていることを大衆向けにわかりやすく伝えてくれている。 発見だったのは、第1章で述べられている日本人の内向き思考の原因は、ある程度豊かになったが故だとした点。80年代は洋楽・洋画ブームがあり、若者は海外に「かっこよさ」を感じていたが、今では日本がとても豊かになり、海外のサブカルチャーに「かっこよさ」を感じなくなってしまった。 たとえば、以前から、国内でも愛知県は鎖国県として有名だった。それは、愛知県がある程度発展しているため、仕事、ショッピング、学校などある程度の水準の生活を県内で享受できてしまうため、外に行きたがらない。現在の日本は、愛知県の世界版だと考えると、非常に納得がいく。
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blogにて書評/Reviewを公開しています。 http://wisdomofcrowdsjp.wordpress.com/2010/03/15/r012/
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(2010/3/18読了)ガラパゴス化した日本に必要なのは「プチ変人」を受け入れるだけの度量と流動性。やはし、硬直した労働市場で失敗(=正社員になれないこと、正社員の地位を失うこと)が許されないというのは21世紀には時代遅れだぜ。
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・・・・なんか乱れ飛ぶキャッチコピーのわりにあんまり中身が・・・・いや詰まってるんだけどそれで何?という気が・・・・事象の表面を掬ってる感じ?貧困大国アメリカⅡを読み終わったあとだと余計そう思う。
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シリコンバレー在住のIT系コンサルタントの目から見た、日本の現状を「パラダイス鎖国」というキャッチーなテーマを軸にまとめたもの。読みやすいです。 ガラパゴスとも称される日本の通信事情。強く批判するというのではなく、冷静かつ暖かい目線でその内在的論理を説明しています。 世の...
シリコンバレー在住のIT系コンサルタントの目から見た、日本の現状を「パラダイス鎖国」というキャッチーなテーマを軸にまとめたもの。読みやすいです。 ガラパゴスとも称される日本の通信事情。強く批判するというのではなく、冷静かつ暖かい目線でその内在的論理を説明しています。 世の中が変わっていく中で、「レジュメを美しくする」というのはより強く意識していかんといかんな、と思いました。
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内容一つ一つにそこまでの斬新さは無いように思うが、これまでの日本経済の経緯や日本人固有の問題と今後の可能性について見事に、論理的に整理された内容にとても納得した。 前半部は教科書のような内容で、自身の体験や具体的な業界・製品に着目しながら日本経済の現状を分かりやすく解説している...
内容一つ一つにそこまでの斬新さは無いように思うが、これまでの日本経済の経緯や日本人固有の問題と今後の可能性について見事に、論理的に整理された内容にとても納得した。 前半部は教科書のような内容で、自身の体験や具体的な業界・製品に着目しながら日本経済の現状を分かりやすく解説している。「孤高のマイノリティ」としての日本がよく理解できる。 後半はアメリカ、特にシリコンバレーと対比しながらイノベーションベースの社会を実現するために何が必要か。「厳しいぬるま湯」「プチ変人」「内なる黒船」など珍しいが分かりやすい言葉を絡めながら、現実的な方向性を示す。 それにしても「パラダイス鎖国」とはよく出来た言葉だ。これだけでも日本という国の、深く厳しい、されど克服せねばならぬものが見えてくる。そして何よりの問題はパラダイスのために、自身についての向上心と、社会をよくしたいという心を強く持てなくなってしまった事なのではないかと、感じた。
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今の日本は住みやすい。アメリカとの決定的な生活水準はもはや、ない。 むしろ、日本のほうが、安全で、清潔だったりする。 今の若い人の間では、うずくような海外への憧れはなく、「日本が一番進んでいる」と感じている人も多い。 一方、アメリカでも一時の日本企業の活躍や、その活動に対する反発...
今の日本は住みやすい。アメリカとの決定的な生活水準はもはや、ない。 むしろ、日本のほうが、安全で、清潔だったりする。 今の若い人の間では、うずくような海外への憧れはなく、「日本が一番進んでいる」と感じている人も多い。 一方、アメリカでも一時の日本企業の活躍や、その活動に対する反発のニュースを聞かない。 アメリカでの日本企業の活動は不況の間に規模を縮小しており、アメリカでの日本の存在感は薄らいでいる。 もう、日本人は、日本が一番で、海外に興味はなくなっているのかも・・・ このような状態を、著者は「パラダイス鎖国」と名づけた。 そして、著者は、80年代の日本の製造業の構造(規模の経済の追求と、ブランド価値の向上の2点に立脚していたことが特徴だった)からスタートして、日本がパラダイス鎖国にいたったプロセスについて、仮説を展開する。 更に、統計データを使用して、現在のパラダイス鎖国の実態をより浮き彫りにするという作業も行う。 こうして、明らかにされたパラダイス鎖国の構造と実態は、とても、興味深いものだった。 私が特に、「知らなかった」「なるほど」と思ったのは以下の点である。 1. 日本は、輸出大国といわれているが、輸出入が経済活動全体に占める比率は比較的小さい。人口や経済規模の大きさから、国内消費が大きいという特徴がある。 2. 日本社会は、議論が分かれることは一歩も前に進まない。議論の分かれない分野は、過剰すぎるくらいに投資が進む。例えば、高速通信回線の整備は衆目が一致するので、すぐに行われるが、著作権枠組みの変更については議論がわかれるので、なかなかコンテンツ配信に関する画期的なことがおこらない。 3. 日本の2大産業の自動車・電機のうち、電機は次第に国際的競争力を失い、鎖国状態に陥り、ジャパンブランドを失った。その背景には、半導体価格暴落のために起きたデジタルチープ革命、日本企業が思い切った企業統合でデジタルチープ革命を乗り切れなかったこと、などがある。 また、このパラダイス鎖国の問題点としては、以下の3点が挙げられている。 1.ジャパン・ブランドの価値低下 2.日本の社会の変化が遅く、外界の変化についていけない 3.海外への憧れというインセンティブの消滅 そして、パラダイス鎖国からゆるやかに開国する手段としては、 1.「果てしなき生産性向上」を更に追及する 2.社会に多様性を持たせ、イノベーションの土壌をつくる があげられている。 パラダイス鎖国に至ったプロセスの分析(第2章)が秀逸で、それだけに、パラダイス鎖国の問題点と解決策(第3-4章)について、視点に更なる目新しさがほしいようにも感じた。 けれども、日本の今後を考えたい、という私の目的に対しては、充分な情報と考え方を提供してくれた貴重な一冊だ。 読んだ日:2009年8月25日 読んだ場所:電車内 平塚→川崎、川崎→青葉台
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海部さんのキャリア 一橋大→本田技研(総合職女子1期・工場実習・海外営業)→スタンフォード大→NY NTT現地法人→通信ベンチャー→コンサルタント(シリコンバレー在住) 米国からの視点(俯瞰的)興味深い。 日本は輸出産業国だとの思い込み・・、世の中変っていることにやっと気...
海部さんのキャリア 一橋大→本田技研(総合職女子1期・工場実習・海外営業)→スタンフォード大→NY NTT現地法人→通信ベンチャー→コンサルタント(シリコンバレー在住) 米国からの視点(俯瞰的)興味深い。 日本は輸出産業国だとの思い込み・・、世の中変っていることにやっと気づいた。 「最近の若い者は・・」といっても始まらない。 【ポイント】 14/海外旅行とは一生に一度の「夢」であった。・・しかし、今や日本人は海外に行く必要などすでにない。 21/私たちや、もっと上の世代は「海外雄飛」をあこがれの対象とし・・・ 31/アメリカにとって・・ニッポンはよく言えば安心できる仲間、悪く言えば無害となった。 海外に興味を失った日本人の「パラダイス鎖国」の裏側で、アメリカ人からみた日本人の姿も変化している。 32/2001年からの趨勢をみると、「グローバル的活動」に拒否反応を示す消極派の比率は増えている。 33/実際に企業の海外活動の縮小が起こっているとしたら問題。それは、「日本が豊かでそこそこ市場が大きいこと」がひとつの原因 40/電機産業全体が「内弁慶ビジネス」 47/「コストとブランド」のグローバル戦略の公式 公式1=「数の多い方が勝ち」、公式2=「グローバル・ブランドの確立と維持」 58/輸出型産業全盛期には、当時の時代背景の「海外への憧れ」を満たすという意味で、海外進出そのものがインセンティブがあつた。 59/日本が豊かな先進国になって、海外への憧れがなくなったのは、抗し難い時代の流れ。 78/「パラダイス鎖国」に至る現実のストーリー ?「日本はかつて輸出大国であった。」 ?「日本の企業が海外で競争力を失ってしまった。」 ?「内需主導型になって国内ばかり重視し、産業構造が大きく変った」 ?「日本は海外で無視されるようになっている」 ?「日本はすっかり豊かになり、暮らしやすくなった。」 ?「日本人は海外にあまり興味を持たなくなってしまった。」 ?「なんとなく閉塞感がある」 84/「パラダイス鎖国」の問題点 ?海外における「ジャパンブランド」の衰退 ?日本の社会変化が遅く、外界の変化についていけなくなっている(暗黙の合意の有無) ?「海外への自然な憧れ」を日本人のインセンティブにできなくなったこと 89/日本が世界の冠たる豊かな先進国になり、進むべき決まったレールも尽きてしまった今、どうすればよいか 92/「緩やかな開国」 小さな変化を積み重ねて、徐々に新しい時代に適応する体力をつける。 110/孤高のマイノリティ 「追いつけ追い越せ」時代→「果てしなき生産性向上」時代→「大きいがゆえの悩み」時代 113/試行錯誤戦略:無駄も多く効率の悪いプロセスだが、まったく新しい産業を生みだす、ほぼ唯一の方法。 154/「ハングリーでない時代」のインセンティブ 「これをすればよいことがある」というポジティブな発想から生まれるインセンティブへ、社会のしくみを変える 163/企業は栄枯盛衰するのが当然なのだから、リストラや企業統合を「悪」と決めつけるべきでない。 166/日本では買収というと「負けた」の印象が強いが、ベンチャーでは現金化の一手段である。「エグジット」 人が動きやすい「拾う神」のしくみが整備されれば・・ 172/「履歴書を美しくする」 →「この仕事をやっているときに身につけた経験を、次にはこうやって別の分野へ生かした」 といえるキャリアを積む。自分のやってきたことの一貫性と説得力が大切。 「Tech Mom from Silicon Valley」 海部美知のブログ http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/ http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51015212.html
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もっち(梅田望夫)お勧めの一冊。 新しい概念・言葉がたくさん出てきます。 下の本のあとに読んだので(?)インパクトには書けましたが、 普通に面白かった。 同じ事象も、違う視点から見たらこういった真実が浮かび上がるんだなぁ。しみじみ。
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