モデラート・カンタービレ の商品レビュー

3.8

19件のお客様レビュー

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2011/10/31

やたら登場人物が多いとか、たった1日なのに情報量が過剰とかいう本がつづいてるので、なれていて短めのを口直しで。それにしてはかなり苦いソルベですが。 わたくし思春期の頃、すこしばかり早熟だったので、同級生たちがサガンやジョルジュ・サンドあたりを読みはじめた頃には、デュラスであると...

やたら登場人物が多いとか、たった1日なのに情報量が過剰とかいう本がつづいてるので、なれていて短めのを口直しで。それにしてはかなり苦いソルベですが。 わたくし思春期の頃、すこしばかり早熟だったので、同級生たちがサガンやジョルジュ・サンドあたりを読みはじめた頃には、デュラスであるとかマンディアルグであるとかボリス=ヴィアンを齧っていて、彼女たちを「ふんコドモね」とちょっと見下したところのあるヤなヤツでした。オマエもまだコドモやっちゅうねん。 とくにデュラスには一時、傾倒していました。いや、耽溺した、に近い。めくるめくようなクラクラ感といいましょうか、あれは当時のわたくしにとって毒だったのです。『愛人』が映画化されて大メジャーになった頃には憑物が落ちたように熱はおさまりました(映画もイマイチだった)。いま考えたら、ある種の通過儀礼だったのかもしれません。改めて読み返せば、サガンもジョルジュ・サンドも深い文学性がありますしね。 生きていても死んでいるに等しいアンヌには共感しません。しないけど、胸のうちはわかるんです。わかるけど、あんたの側には行かないよ、ともおもう。じぶんのなかにもアンヌ的なものが幾分はあるとわかったからこそ、わたくしは十八歳で一度年老いて、ふつうの速さで、歌うように生きる術を学んだ気がするのです、するだけですけど。

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2011/07/01

噛み合わない会話。そこから、女は自分の隠された願望に気づき始める。 デュラスは簡単ではない。読んでいるわたしたちに常になにかを問っているのだ。

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2011/06/18

川上弘美さんがこの前の講義で好きな本として挙げていて、ブックオフで発見!よしって読んでみたけどやっぱり私にはフランス文学の良さがまだよくわからん… 次の講義がフランス文学やからそれ聞いたらまた変わるかな。

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2011/07/28

この倦怠と会話を充分には汲み取れず、それはとてもくやしくもまだムリなのは二十代では当たり前かなーと。危うくて、生活に倦み果てて優雅な女性の崩れ落ちそうな一瞬が美しい。しかしそれにすら彼女は失敗し、生への疲れはいや増し、なのに彼女は美しい。この後の彼女はどうなるのだろう。あの台詞の...

この倦怠と会話を充分には汲み取れず、それはとてもくやしくもまだムリなのは二十代では当たり前かなーと。危うくて、生活に倦み果てて優雅な女性の崩れ落ちそうな一瞬が美しい。しかしそれにすら彼女は失敗し、生への疲れはいや増し、なのに彼女は美しい。この後の彼女はどうなるのだろう。あの台詞のあとの、この淑やかな姦婦は。坊やがとっても可愛いですね。多分彼は母の社会への不調和を敏感に感じ取り、無意識にそれにあわせて振舞っている。身を摺り寄せる母子は繊細に互いを察知し、それでいてどこか互いに無関心でさえある。この母子すきだなあ。また夜会シーンは本当にマグノリアの匂いが儀式めいたシーンとともにくらくらする。脈絡の無いような会話に男女が機を逸する一瞬の緊張と弛緩がこちらまで伝わり、上手いと思いました。十二分に良さがわかったとは言えずも読んで良かったです。

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2011/07/19

梅雨に入る前、でもはっきり夏と感じられるこの季節に、また読み返したくなった。「木蓮・マグノリア」という語がとても官能的。香りというよりも匂いが鮮烈に漂ってくる一篇。

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2010/01/30

-「あなたは死んだほうがよかったんだ」「もう死んでるわ」- 「愛人」がベストセラーになり、映画化もされたので、マルグリット・デュラスの名前は日本でも有名。この物語はブルジョワ階層に生きるアンヌが、次第にその世界から離れていく、アイデンティティー喪失の物語。薄い本で、言葉の数も少...

-「あなたは死んだほうがよかったんだ」「もう死んでるわ」- 「愛人」がベストセラーになり、映画化もされたので、マルグリット・デュラスの名前は日本でも有名。この物語はブルジョワ階層に生きるアンヌが、次第にその世界から離れていく、アイデンティティー喪失の物語。薄い本で、言葉の数も少なく、「モデラート・カンタービレ(普通の速さで歌うように)」に展開されていく。まるでフランス映画を観ているよう。映画ではジャンヌ・モローが主演しており、その写真が表紙になっていて、美しい。小さな子供をもつ日本の母親が読んだらどんな風に思うのか・・・ちょっと興味あります。

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2010/01/23

音楽用語にひかれて。 よくわかんない。 でも文章はぴかいちだった。 詩のように、文字が輝く。 でも内容がまったくわかんなかったから悲しい。

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2009/11/30

デュラスだなー。フランスだなー。「愛と死」にとりつかれてしまった主人公が、緊迫感とともに浮き彫りにされていく調子が。

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2009/10/04

倦怠。なにかをあきらめたこともわすれるほどあきらめること。とてつもない弱さ。やっぱり文章力ぴかいち。

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