夏の階段 の商品レビュー
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巴波川(うずまがわ)高校(進学校・うず高)に入学した高校生たち5人の短編集。 『夏の階段』石造りの8段ほどの階段。奇妙なのは、その階段の上に上りつめても、何もないのだ。純情階段に心惹かれて登ってみた玉木崇音(たかね)と遠藤珠生。玉木はそこから見えるある民家の窓辺の少女に恋をして・・・。 『春の電車』進学校に入学したけど、みんなのテンポについていけないポエミーな緑川千映見(ちえみ)。 『月の望潮』妹大好きで緑川さん好きな福田和麿(かずま)。ちなみに妹は不登校で遠藤珠生と知り合い。ちと理屈っぽい秀才タイプ美男子。 『雲の規格』イケメンでモテてる男だと自分で思っている河野健治。ヒーローになりたいけど、空回り雰囲気イケメン。 『雨の屋上』遠藤珠生(たまき)は、中学でいじめにあって不登校になっていた時期があったけど、高校ではみんなを観察し、いい人間関係が築けるよう、明るく八方美人的にも見える振る舞いをする。美人なので男子に勘違いされたりもするけど、内心はいい人になろう、昔の自分を乗り越えようと努力している。福田くんの妹には偽善者だと皮肉を言われつつも好かれていたりするけど、遠藤珠生が本当に欲していたのは・・・。 どの短編もラストがさらっとしててまとめてないかんじがいい。
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巴波川高校一年生クラスメイト5人の物語。 高校一年瀬の前半部分を5人の男女それぞれの視点で書かれています。5人は入学したばかりの頃に一緒にプリクラを撮った5人。でもグループという訳でもなく、たまたまそこにいた5人。そんな5人がそれぞれに語る高校生活はそれぞれの悩みがあり、ある人の...
巴波川高校一年生クラスメイト5人の物語。 高校一年瀬の前半部分を5人の男女それぞれの視点で書かれています。5人は入学したばかりの頃に一緒にプリクラを撮った5人。でもグループという訳でもなく、たまたまそこにいた5人。そんな5人がそれぞれに語る高校生活はそれぞれの悩みがあり、ある人の物語に出てくる彼や彼女にもそれぞれの物語があるのです。 視点が変わることでひとりの人物の印象がコロコロと変わります。おれやわたしが見るおれやわたし。彼や彼女が見るおれやわたし。それらが重なり合います。ピタリと同じところもあれば、大きく違うところもある。そんな重なりやズレが物語の奥行きを作り、人物を立体感あるものにします。 また物語はある人物のある時間を切り抜いたもので、そこで何かが大きく変わるとかいうのではないのです。それでも高校一年生のある時間というのは本人にとっては大きいものなんですね。それでもある時間という瞬間よりも、その先の未来に向けて作者の目は向いているように思えるのです。だからこそ最後に何気なく示された変化が大きく意味を持つように感じたのです。
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【あらすじ】 たくさん勉強していれば、誰よりも早く大人になれるのだ---- そう信じて周囲と距離を置く玉木崇音が、 夏期講習の帰り道で出会った奇妙な階段とクラスメイトの遠藤珠生。 何かとちょっかいを出してくる遠藤がわずらわしい玉木だったが......。 地方都市の進学校を舞台に繰り広げられる、 5人の高校生の不器用な恋と友情、未来への葛藤。 息苦しい毎日の向こうに光を投げかけてくれる連作短編集。 【感想】
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初めて読んだ梨屋アリエさんの作品。 進学校に入学した男女5人の様子がオムニバス形式で描かれている。 「巴波川高校」「岩船山」と、どこかで聞いた名前を目にして、慌てて一番最後にある作者のプロフィールを見た。 …地元出身だった。
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まあこういう物語の典型だなあ、と思いながら読んでいたら、最後に思いがけずあんなことやこんなことが起こって、読後感を良くする。いや最後の一ひねりは良かった。
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見ようによっては、古代の神殿のような風格で、思索にふける様子でもある。真夜中になると、そこが銀河鉄道のプラットホームの入り口になるのではないか、と空想したくなるほど、それは思わせぶりに謎めいて、存在を主張するのだ。 の・ぼ・れ、と。 オーケー、のぼってやろう……『夏の階段』 ぼく...
見ようによっては、古代の神殿のような風格で、思索にふける様子でもある。真夜中になると、そこが銀河鉄道のプラットホームの入り口になるのではないか、と空想したくなるほど、それは思わせぶりに謎めいて、存在を主張するのだ。 の・ぼ・れ、と。 オーケー、のぼってやろう……『夏の階段』 ぼくは広い砂浜に立ち、打ち寄せる波をじっと見ている。ぼくは海に恋する一匹の蟹なのだ。おいでおいでと、はさみを振り上げ、海を呼ぶシオマネキ。 寄せては返す目の前の波が、海のほんの一部だということも知らないで……『月の望潮』 地方都市の進学校・巴波川高校、通称ウズ高。 春、希望に胸膨らませてウズ高に入学し、一枚のプリクラに写った5人の1年生が織り成す淡い恋と微妙な友情を、ドライに甘酸っぱく描く連作短編集。
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「大切なことは変わろうとすることじゃなくて気をつけることです」 でしたっけ 自分が滞ってしまう時、この台詞をいつも反芻します
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共感できる人とできない登場人物がいるけど それぞれの視点で描かれているから、 それぞれどういう風に見えているかが面白い。 みんな悩みを持っているけど、それが青春なのかな なんだか爽やかな印象の本でした。
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〈内容〉希望に胸ふくらませて入学した高校。でも新しいクラスメイトとは、まだまだ微妙な関係で―地方都市の進学校・巴波川高校、通称ウズ高を舞台に、5人の高校生が織りなす、恋と友情、未来への葛藤。ほんのり甘く切ない5つの連作短編。
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改めて読んで面白いなあと思った。ただ、登場人物の関係性とかをきちんと捉えながら読まないと「誰だこやつ」ってなる。いや、私なりかけた。
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