歯と爪 の商品レビュー
バリンジャーの代表作…
バリンジャーの代表作。プロットの妙に脱帽です。薄いのですぐに読めると思います。バリンジャー初心者にも安心してオススメできる作品。
文庫OFF
交互に語られる、一見無関係に思われる二つの物語。これがどうつながっていくのかが見どころ。ちょっと出来過ぎ感はあるけれど、そんな野暮なこと言わせないだけのパワーがあった。 一方は刑事裁判の公判シーン。いちおう検事側が優勢のようではあるが…。もう一方では、とあるマジシャンの男性が...
交互に語られる、一見無関係に思われる二つの物語。これがどうつながっていくのかが見どころ。ちょっと出来過ぎ感はあるけれど、そんな野暮なこと言わせないだけのパワーがあった。 一方は刑事裁判の公判シーン。いちおう検事側が優勢のようではあるが…。もう一方では、とあるマジシャンの男性が主人公。ひとりの女性と出会い、彼の人生は新たなステージに…。はじめのうちは、二つのパートがあまりにかけ離れているので、下手すると読む意欲を失ってしまってもおかしくないものだが、幸せなことにどちらもそれぞれに読み応えがあり、そんな心配はなかった。 公判シーンは、エンタメの世界では十分おなじみ。お約束の安定感あるフォーマットの中での丁々発止のやりとりを堪能。そしてマジシャンパートでは、華やかなようでいてどこか哀愁もただようショービズの世界、そこにおけるひとりの男性の人生の行方を、固唾をのんで見守る。別々の連載漫画でも読むように、続きを、続きを、と読んでいくと、中盤から一気に両者が絡み出す。「残り何分の一の時点で徹夜してでも読み切りたいモードになるか」、というミステリー小説終盤力選手権があったら、堂々エントリーできる作品だと思います。 ところで、マジシャンでミステリーといったら我らがアワツマこと泡坂妻夫。未読の曾我佳城シリーズ、読みたいリストの中でじりじり順番待ち。そして短編集『煙の殺意』に収録の『歯と胴』、再読したが本作オマージュと思われる。 そしてアワツマ作品との共通項として、本書も袋とじ製本で売られていたということがあるが、これはもう圧倒的にアワツマ氏の勝ち(?)で、返す返すも、『生者と死者』は袋とじ芸術の極致だったなあと再確認。 本書は111108さんのレビューで知りました。ありがとうございます!
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いまでこそこの種のミステリは大量に(しかも低い質で)書かれているけれども、それらの作品の先駆であると同時に、とても高い完成度を有している。トリックありきではなくて、物語としておもしろい。ただ袋綴じの位置がなぜそこ?という感じなのと、裏表紙の煽りがよくない、けど作品自体は文句なし。
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裁判シーンと主人公の動きシーンが交互に書かれており、徐々にそれらが融合して行く流れが面白い。 トリックも奇抜であった。 でも、あの銅板は何処に行ってしまったのだろうか?
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袋とじで有名なミステリです。週刊ポストじゃありません。 ヘアヌードが隠してあるわけじゃナイス。 話のネタばれが書いてあるのです。 なんでも、つまらんかったら返品してもいいとかで・・。 中古の紫陽花堂で(我が家の近くにある)見かけたことがあります。 どうしているんだろと興味あったの...
袋とじで有名なミステリです。週刊ポストじゃありません。 ヘアヌードが隠してあるわけじゃナイス。 話のネタばれが書いてあるのです。 なんでも、つまらんかったら返品してもいいとかで・・。 中古の紫陽花堂で(我が家の近くにある)見かけたことがあります。 どうしているんだろと興味あったので・・。 普通に切って何事もないような顔で置いてありました。 ネタバレ書評で描いたやつ営業妨害な
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ミステリ。サスペンス。 『森博嗣のミステリィ工作室』から。 法廷パートと、魔術師パートが交互に進行していく構成。カットバック。 裏表紙の"驚くべき大トリック"という表現は、いまとなっては誇大表現。似たようなトリックを使った作品はたくさんあるでしょう。 1955...
ミステリ。サスペンス。 『森博嗣のミステリィ工作室』から。 法廷パートと、魔術師パートが交互に進行していく構成。カットバック。 裏表紙の"驚くべき大トリック"という表現は、いまとなっては誇大表現。似たようなトリックを使った作品はたくさんあるでしょう。 1955年の作品ということで時代の流れがあり、全く同じトリックは、現代では成立し得ない、というのも残念。 それでも読み終わってみれば、非常に楽しめた一冊。単純に主人公のストーリーが面白い。読みづらさもなく、スイスイ読み進めることができた。 完成度の高い作品として、この種のトリックを用いたミステリの先駆的作品として、評価されるべき名作。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人の男の人生と、とある裁判の様子が交互に描かれる。ひとつの物語として収束するが、男の人生が過去から現在にむかって、裁判は現在からここに向かい進行する。そして二つの物語が一つの事件へと繋がる。 袋とじと帯の煽りによってもっと驚きの結末があるのかと思ったが、そのままの感じで終わってしまった。期待が大きすぎるのはかえって不利に働く。
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宮部みゆきの「淋しい狩人」の中ででてきて、そのあと古本屋さんで見つけたので手に取った。 なんとなく途中で結末が分かってしまったものの、久しぶりの本格ミステリで楽しかった!特に主人公に共感がもてる。いいやつ。 最後が袋とじなのを考えた人うまいな~
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「衝撃の」というより、「納得の」名作・・・といった感じです。 丁寧に謎が紐解かれていくので、「やられた!」とう印象ではなく、「な、なるほど。。。」となりました。 読み手の理解によって評価は変わると思います。
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これぞミステリという感じで、つかみ所の無いところから一気に真相が深まる感じがたまらなかったです。ストンと落ちるべきところに落ちて気持ちの良い物語でした。
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