さらば、夏の光よ の商品レビュー
イケメン南条、デブサ野呂、美人な戸田京子の三角関係のお話 遠藤周作が本人の役で出てきて、若者から請われてトンデモな恋愛指南(唐辛子作戦とかヤキモチ作戦とか)をしてたりする こんな設定は現代のラノベに通じるものもあるし、前半は男女の機微を知らない若者をからかい半分にいじる周作先生...
イケメン南条、デブサ野呂、美人な戸田京子の三角関係のお話 遠藤周作が本人の役で出てきて、若者から請われてトンデモな恋愛指南(唐辛子作戦とかヤキモチ作戦とか)をしてたりする こんな設定は現代のラノベに通じるものもあるし、前半は男女の機微を知らない若者をからかい半分にいじる周作先生のキャラがユーモラスに感じる でも、中盤から描かれてあるのは運命に翻弄される若者たちの姿 何というか、もっとどうにかならなかったのかなぁと思わざるを得ない 南条はまぁ一般的な感覚を持っているのであろう 時として軽率だけども、若者ゆえのこらえ性のなさと見ればまぁ許せなくもない ただ、その行為が後にどんな結末をもたらすかを微塵も考えなかったのかという憤りも同時に感じるけどね 戸田京子は当時の倫理観からしたらまぁ真っ当な判断をしたのかもしれないけど 最後の選択に関してはなぁ… 結局は自分本位だし、その前の選択のミスにより自分の後の道を狭めた自業自得とも言える姿が哀れ 本気で一途なら世間体なんか考えずに一人でという選択をすべき、そして一回決めたことならそれをやり遂げるべきだと思うよ ま、そのときの心理状況からそんな冷静な判断はできないというのもよくわかるけどね そして問題は野呂くん 現代は野呂くんみたいな子が増えてるのではなかろうか 自分の気持ちよりも好きな相手の事を第一に考える姿勢は好感が持てる ただ第三者的にはそう見えるだけで、当事者同士からしたら全く共感は得られないだろうけどね 多分、野呂くんが結婚しなければ死ななかったのではないかと思う この中で一番のエゴイストは野呂くん 表向きは相手のための自己犠牲に見えるかもしれないけど、自分の欲望に一番忠実に行動してるよね 世間的には善良に見えるのかもしれない ただ、その善良さは醜い人を傷つける事にもなる この「善良さ」の使い方は江國香織もやってる 「きらきらひかる」の睦月とか「間宮兄弟」の明信とか だからこそ一番共感するのは野呂くんなんだよなぁ そんな善良な人になってみたいものだ
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すぐ読み終えられたが、サラリと流せないような痛みが心の奥に残った。 善良であれば、善良であっても、善良だけでは、、、 3名はそれぞれに、一番欲しいものを手に入れられなかった。でも3名が選んできた道は間違っていないのだ。たとえ最良の選択でなくても、それを繰り返して人は生きている。
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遠藤周作に限らず、例えば井上靖にも共通して感じるところですが、こういう恋愛小説を書かせると途端に時代を感じさせるというか、多分将来読まれないと推察される作品になってしまう良い作家が結構いるというのは結構興味深い現象だと当方思っております。 悪くないんですけどね、でも深くないんです...
遠藤周作に限らず、例えば井上靖にも共通して感じるところですが、こういう恋愛小説を書かせると途端に時代を感じさせるというか、多分将来読まれないと推察される作品になってしまう良い作家が結構いるというのは結構興味深い現象だと当方思っております。 悪くないんですけどね、でも深くないんですよね、正直。そういう意味でこの手のジャンルがその後に深掘りされていると言えるのかもしれず。
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誰も幸せにならない、でも心に染みる、とまらなくなる。 だけどそこかしこにいろんな形の愛が描かれていて、読み終わるとじーんとする。
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ネタバレ 初出1965年。イケメン大学生、美人女子大生、そしてイケメンと友情を育むノートルダムのせむし男。3人が織りなす三角関係未満物語。が、運命の糸は女子大生とせむし男とを結びつけ…。◇3人とも悪人ではないが、善人ではない。また魅力的ではない。こういうキャラ造形自体が、ストーリーテラーで見た場合、著者の良い意味での底意地の悪さが見え隠れする。持ち合わせる倫理観やデキ婚への社会の目線など、やや現代とは違う点はあるが、痛く刺さる青春小説。◇が、姿態が生理的に受け付けない男と腹の中で罵りる女に純情を捧げるとはねぇ。
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遠藤周作さんの作品は、必ずその根底に愛があって、細部細部に現れる憎しみ嫉妬裏切り…の中にも愛が感じられます。読んでいて安心できる、そして何だか救われる作品たちです。 作中の、南条も京子も野呂もそれぞれの若い時代を精一杯生きています。読み終えて最後にわかったことは、野呂に対する...
遠藤周作さんの作品は、必ずその根底に愛があって、細部細部に現れる憎しみ嫉妬裏切り…の中にも愛が感じられます。読んでいて安心できる、そして何だか救われる作品たちです。 作中の、南条も京子も野呂もそれぞれの若い時代を精一杯生きています。読み終えて最後にわかったことは、野呂に対する南条の愛でした。
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微笑ましくもあり、あまりに哀しくもあり・・・ 喜怒哀楽のバランス・展開が実に絶妙です。 プロローグから第一章への導入はとても印象的。
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まったく全員が幸せになれなかった。 みんな悪くない。 みんな愛すべき人を愛しただけ。 あまりにも辛い物語。 もし神様がいるならこんな酷い話はないでしょう?と言いたくなる。
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ちょっと前に『海と毒薬』を読んで以来、遠藤周作のことが気になっていたので読みました。 古本屋で39円だったんです。 作中で野呂くんが「ノートルダムのせむし男はまさに僕だ」というようなことを言っていましたが、本を読んだり映画を観たりしているとたまにそういう感覚を覚えますよね。 南条...
ちょっと前に『海と毒薬』を読んで以来、遠藤周作のことが気になっていたので読みました。 古本屋で39円だったんです。 作中で野呂くんが「ノートルダムのせむし男はまさに僕だ」というようなことを言っていましたが、本を読んだり映画を観たりしているとたまにそういう感覚を覚えますよね。 南条くんみたいな良い人風なのに結局は自分のことしか見えてないやつっているよね。 野呂くんの周辺のことをなぜか見透かしてアドバイスをしてくる母親というのが妙に不気味に感じました。
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それぞれの立場に立って考えると、言い分もあって世の中うまく行かないなと思いました。 南条は自分の気持ちにまっすぐに生きただけだし。京子は周りに流されながらも、運命のいたずらで自分の思いとは違う方向に行ってしまう。野呂は大切な人大切にしたがために、生き残り思い出とともに、苦しみの中...
それぞれの立場に立って考えると、言い分もあって世の中うまく行かないなと思いました。 南条は自分の気持ちにまっすぐに生きただけだし。京子は周りに流されながらも、運命のいたずらで自分の思いとは違う方向に行ってしまう。野呂は大切な人大切にしたがために、生き残り思い出とともに、苦しみの中で生きていくしかない。 切ない話です。
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