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曲った蝶番 の商品レビュー

4.6

9件のお客様レビュー

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曲がった蝶番が想像で…

曲がった蝶番が想像できるかどうかは別として(読んだ後もいまひとつイメージできず…)カーの作品の中では最も素晴らしいトリックが使われています。様々な評論家も高く評価しています。

文庫OFF

2017/01/02

もし私がカーの作品(もちろんカーター・ディクスン名義も含めて)の中でベスト5を挙げてと頼まれたら、間違いなく本書はその1つに数えられるだろう。一般的に代表作とされる『三つの棺』、『プレーグ・コートの殺人』、『火刑法廷』などと比べると知名度の低い本書であるが、真相の衝撃度で云えば、...

もし私がカーの作品(もちろんカーター・ディクスン名義も含めて)の中でベスト5を挙げてと頼まれたら、間違いなく本書はその1つに数えられるだろう。一般的に代表作とされる『三つの棺』、『プレーグ・コートの殺人』、『火刑法廷』などと比べると知名度の低い本書であるが、真相の衝撃度で云えば、カー作品の中でも随一ではないだろうか。 まず発端からして面白い。タイタニック号の事件ですり代わりが行われたと称する男が結婚したばかりのファーンリ卿に偽者の疑いがかかる。そして我こそはファーンリ卿だと主張するのだ。そこからどちらが本物で偽者なのかの真贋をテストするがどれも決定的な証拠が挙がらず、関係者一同、途方に暮れているうちに庭先でファーンリ卿(と思われていた人物)が刺殺されるという事件 が起こる。 本作のテーマは衆人環視の庭の中で起こる殺人事件、つまり「開かれた密室」だ。カーにはこのテーマを扱った作品は他にも数あるが、この真相というかトリックは誰もが唖然とするに違いない。かの藤原宰太郎もカーのトリックを自身の推理クイズ本でほとんど暴露しているが、この作品に関してはなかった。それは恐らく載せるのをためらうほど突拍子も無かったからに違いない。そのトリックは仰天するに加え、なおかつその模様を映像で想像するとなんとも怖気が出るような代物なのだ。とにかく怖い。 この題名の意味が今では何を指しているのか、そして結局本物のファーンリ卿はどっちだったのかという真相については全く忘却の彼方だが、この殺人事件のトリックだけはもう読んでから20年近くも経つというのに未だに鮮明に覚えている。物語の導入から最後の真相に至るまで、とにかくリーダビリティに溢れた一作だ。地味な作品だと捉えられがちだが、カー作品の必読本と云えよう。

Posted byブクログ

2012/03/14

桜庭一樹さんの本で紹介されていた一冊。「吸血鬼カーミラ」がちょっと不発だった分、この本はどうかなーと思って読んだら…意外と面白かった。 個別の事件が一つの線でつながり、更にその一つの線上に複数の人の感情が詰まっているという、まさに複雑な人物模様が推理小説だなぁ…と。日本の小説も...

桜庭一樹さんの本で紹介されていた一冊。「吸血鬼カーミラ」がちょっと不発だった分、この本はどうかなーと思って読んだら…意外と面白かった。 個別の事件が一つの線でつながり、更にその一つの線上に複数の人の感情が詰まっているという、まさに複雑な人物模様が推理小説だなぁ…と。日本の小説も面白いけれども、海外の少し古い小説も面白いな、と思った一冊。

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2011/07/17

再読。ケント州の名家ファーリング家に、突然、現在の当主は偽者であり、自分こそが本物だと主張する男が現れる。二人のファーリング卿の真贋論争が繰り広げられる中、現在の当主が殺害され……。 謎めいた導入部に始まり、タイタニック号、悪魔崇拝、自動人形といった道具立てが何とも魅力的。二転三...

再読。ケント州の名家ファーリング家に、突然、現在の当主は偽者であり、自分こそが本物だと主張する男が現れる。二人のファーリング卿の真贋論争が繰り広げられる中、現在の当主が殺害され……。 謎めいた導入部に始まり、タイタニック号、悪魔崇拝、自動人形といった道具立てが何とも魅力的。二転三転する展開の末明かされる不可能犯罪の(人を喰った)真相や、伏線の貼り方も見事だね。

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2011/05/18

1年前の謎の殺人事件、悪魔崇拝、カラクリ自動人形、25年ぶりに帰国した現在の当主と、それに対して自分こそ本当の当主であると名乗りを上げてきた謎の男…どちらが本当の後継ぎなのか。本物を判定するテストの最中に現当主が謎の死を遂げる。自殺か、他殺か?! ……とまぁ、次々と謎が提示され、...

1年前の謎の殺人事件、悪魔崇拝、カラクリ自動人形、25年ぶりに帰国した現在の当主と、それに対して自分こそ本当の当主であると名乗りを上げてきた謎の男…どちらが本当の後継ぎなのか。本物を判定するテストの最中に現当主が謎の死を遂げる。自殺か、他殺か?! ……とまぁ、次々と謎が提示され、かつ序盤から良いテンポで話が進みます。ちょっぴりロマンスもありつつ、犯人を追い詰める辺りは怒濤の展開でかなり面白かった。見事などんでん返し! ラストの締め方も良い。(カーであのラストは珍しいパターンかと) これはカーのベストに含められることが多いのも納得のデキですね。

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2010/07/29

終盤に用意された伏線が 驚きの連続という すばらしき作品。 もちろんトリックも すばらしいぐらいに秀逸で 普段では思いつきもしない トリックを使っているのです。 とにかく最後まで油断は禁物です。 気を抜くとたくさんの真相に 襲われてしまいますから。

Posted byブクログ

2009/10/19

最後のどんでん返しが、 正当なような卑怯なような。 カーのフェル博士ものということで安心して読めます。 無意味に理解のないローカル警官とかが出てこなくて宜しい。 しかしタイタニック号が出てくるとは。

Posted byブクログ

2013/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フェル博士シリーズ ファーリン家の当主を偽物と告発する男パトリック・ゴア。タイタニック号の遭難事件で入れ替わったか?殺害されたジョン・ファーリン。証拠となる指紋帳を持ってやってきた元家庭教師ケネット・マリー。指紋照合中に周囲に人がいない中首を切り付けらて池の中に倒れ込んだジョン・ファーリン。目撃者執事ノールズの証言。盗まれた指紋帳。翌日メイドのベティを襲い指紋帳を戻した犯人。屋根裏部屋で発見されたベティ。屋根裏部屋の自動人形。ベティが目撃した自動人形のスカートから見えた眼。1年前に浮浪者に殺害されたとされるヴィクトリア・デーリー。彼女の詩の真相。子供の頃にジョンに憧れていた夫人のモリー。悪魔崇拝と事件の関係。  2010年6月6日読了

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2009/10/04

これはまあなんともすごい。次から次へと繰り出されるいくつもの謎謎謎。相続人の真贋、ジョン卿の死の謎、自動人形の謎、一年前の死亡事件との関係、そして真犯人の謎。これだけの要素が350ページ弱に収まってるんだから。不気味な雰囲気と不可能で不可解な犯罪の感じが巧くマッチしてて読みながら...

これはまあなんともすごい。次から次へと繰り出されるいくつもの謎謎謎。相続人の真贋、ジョン卿の死の謎、自動人形の謎、一年前の死亡事件との関係、そして真犯人の謎。これだけの要素が350ページ弱に収まってるんだから。不気味な雰囲気と不可能で不可解な犯罪の感じが巧くマッチしてて読みながら全く飽きることがない。最初の真相は正直「えー?」なものだったんだけどさらに明かされる真相は見事でとてつもないものだった。

Posted byブクログ