1,800円以上の注文で送料無料

日本の「安心」はなぜ、消えたのか の商品レビュー

4

44件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2018/04/09

他人を信頼しなくてもよい安心社会から、未来への可能性が高い、他人を信頼する社会に変える必要がある。心がけではなく、信じる者がトクをする社会のしくみを作るべし。ポイントを抑えて働きかければよい。 日本的、立ち返るべきと言われる武士道精神が諸悪の根源だなんて、よくぞ言ったって感じで...

他人を信頼しなくてもよい安心社会から、未来への可能性が高い、他人を信頼する社会に変える必要がある。心がけではなく、信じる者がトクをする社会のしくみを作るべし。ポイントを抑えて働きかければよい。 日本的、立ち返るべきと言われる武士道精神が諸悪の根源だなんて、よくぞ言ったって感じです。読むと納得だし、武士道と商人道の対比もすごく納得。

Posted byブクログ

2016/03/22

複数の方たちが「この本は重要な本だ」とおっしゃるものですから、私も読んでみようと思った次第ですなのですが、いやー、これは確かに重要な本です。 私の実感ベースでも社会心理学のアプローチで切り込んだ山岸先生の日本人論、日本組織論には大いに共感、納得するところ大です。俗論を真っ向から覆...

複数の方たちが「この本は重要な本だ」とおっしゃるものですから、私も読んでみようと思った次第ですなのですが、いやー、これは確かに重要な本です。 私の実感ベースでも社会心理学のアプローチで切り込んだ山岸先生の日本人論、日本組織論には大いに共感、納得するところ大です。俗論を真っ向から覆すところ大ですが。 色々な意味で必読ですね。特に日本の組織をマネジメントする立場の人は必読。これを読まずして日本の組織の特質は…などと語るなかれ。

Posted byブクログ

2016/01/31

ふたつの驚き!日本人は個人主義!そして他人を信頼していない!単なる意見ではなく、データに基づき解説されているのでグウのねもでない。 「ムラ」社会に基づく「安心」社会、他人を信頼するところから始まる「信頼」社会。クローズ社会とオープン社会とも言えるかな。 現実的に起きている事象、...

ふたつの驚き!日本人は個人主義!そして他人を信頼していない!単なる意見ではなく、データに基づき解説されているのでグウのねもでない。 「ムラ」社会に基づく「安心」社会、他人を信頼するところから始まる「信頼」社会。クローズ社会とオープン社会とも言えるかな。 現実的に起きている事象、ニュースレベルから個人レベルまでこのような説明されると納得。そして自分の考え方もムラ的発想をしていることあるなあ。 日本と欧米(といってもアメリカ!)の考え方の違いをこのように明確に解説され脱帽です。 そして、武士道と商人道も。武士道をよしとする考え方(これは私もそう)と商人道が混ざった状態!最悪のシナリオ!日本はまさにこの状態に陥りつつある。あいかわず武士道で運営される政府・行政と民間。なかなかくるしい。日本にある外資企業というのも微妙なポジションかな。しかし安心社会から信頼社会にむかっているとはおもう。 純日本企業はまだまだ安心社会かな。でもそれではこのすべてがつながっている世界での未来は。。。。。マグレブ商人と同じ運命をたどらないように!

Posted byブクログ

2015/08/02

日本はお互いに監視し合う安心社会から、協力し合う信頼社会への移行期にある、という本。 社会のあらゆる問題を心のせいにする考えは間違ってるし、それを教育によって解決しようというのは不可能だ。イデオロギー教育が上手く行かなかったのは社会主義国が証明している。 お説教では世の中は...

日本はお互いに監視し合う安心社会から、協力し合う信頼社会への移行期にある、という本。 社会のあらゆる問題を心のせいにする考えは間違ってるし、それを教育によって解決しようというのは不可能だ。イデオロギー教育が上手く行かなかったのは社会主義国が証明している。 お説教では世の中は変わらない。心がけを改めるなんてスローガンは問題外。人間の心の働きをしり、人間性の本質を理解する事が重要。 そもそも人間の心の動きとは、与えられた環境に対応する形で生まれてくる。環境に合わせて行動したほうが何かと得だから、そのように行動する。 武士道は安心社会の中で生まれた素晴らしい倫理体系だか、オープンで共存共栄を目指す信頼社会には合わない。 情けは人の為ならず。 安心社会、統治の倫理、武士道、すべき 信頼社会、市場の倫理、商人道、したほうが得

Posted byブクログ

2015/06/21

「武士道」は企業価値を高めるか? この本を読んでいて、そんな問いを考えたくなった。 著者は、企業不祥事や凶悪事件が相次ぐ日本について、 「社会心理学」という見地から、 西欧諸国との価値観の違いに焦点を当て、 日本が「安心」できなくなってきた理由を明らかにしている。 「ムラ社会...

「武士道」は企業価値を高めるか? この本を読んでいて、そんな問いを考えたくなった。 著者は、企業不祥事や凶悪事件が相次ぐ日本について、 「社会心理学」という見地から、 西欧諸国との価値観の違いに焦点を当て、 日本が「安心」できなくなってきた理由を明らかにしている。 「ムラ社会」と呼ばれるような、日本の伝統的な 集団主義社会においては、裏切り行為には「村八分」という「制裁」が 間違いなく下されることから、「相互監視」による「安心」を生む。 これが日本の「安心・安全」の本質だという。 著者はこのような社会を「安心社会」と呼んでいる。 一方で、個人主義的な欧米社会では、 集団主義的な相互監視がないため、相手が信頼できるかどうか、 その場その場で判断しなければならない。 著者はこれを「信頼社会」と呼ぶ。 「安心社会」に住む日本人は、同じ安心社会に住む相手が、 信頼できるか人間かどうかなど、考える必要がなかった。 逆に、「安心社会圏外」の「よそ者」に対しては 「人を見たら泥棒と思え」というように、 「信頼できない」ことを前提にしてしまう。 それに対して「信頼社会」では、 まずは相手を「信頼すること」を前提にコミュニケーションし、 信頼に足るかどうかを個別に判断する習慣が根付いているという。 このことは、著者が行った綿密な実験によっても実証されている。 さらに、「安心社会」では「武士道」のような 「統治者の倫理」が道徳となり、 個人主義の「信頼社会」では、地中海貿易において イスラム系集団主義のマグレブ商人との覇権争いに勝った ジェノア商人のように、「市場の倫理」が道徳となる。 いうまでもなく、今日のグローバル化した世界においては、 これまでの日本のような「安心社会」は成り立ち難く、 マグレブ商人が地中海貿易の舞台から消えたことに、 現在の日本を重ね合わせてしまう。 相互信頼のためのコミュニケーションという点において、 日本人は今日でも、「仲間内」を前提にした コンテクスト偏重のコミュニケーションから脱し切れていない。 さらに著者は、道徳面において、 「統治者の倫理」である「武士道」を、 国の規範として浸透させるべし との論調が広がっていることに批判的である。 この点については議論が分かれるだろう。 行き過ぎた金融資本主義の崩壊によって、 企業の倫理観が問われる中、 そこに日本の武士道がフィットする面はあるかもしれない。 ただし、「市場の倫理」において稚拙な企業や経営者が、 ことさら安易に「武士道」を持ち出すことは、 ともすれば、二宮尊徳のいう「経済なき道徳」になる恐れがある。 また、そもそも著者は「品格」といった抽象論が、 「個人としての心がけ」であるならばいざ知らず、 ルールとして社会を律することは不可能であると述べている。 「信頼社会」への適応と「武士道」の精神は、 どのような関係性にあるのか。 今だからこそ考える価値のあるテーマではないだろうか。

Posted byブクログ

2015/04/06

日本人は自分たち日本人のことを集団主義的な傾向があると考えているが、ただし「自分だけは例外」と考えている集団である。 実は日本人よりアメリカ人の方が他者一般への信頼が強い。それは、失敗(裏切られる)リスクが相対的に小さく(これは本当か?アメリカには村八分的制裁は無いのか?)社会を...

日本人は自分たち日本人のことを集団主義的な傾向があると考えているが、ただし「自分だけは例外」と考えている集団である。 実は日本人よりアメリカ人の方が他者一般への信頼が強い。それは、失敗(裏切られる)リスクが相対的に小さく(これは本当か?アメリカには村八分的制裁は無いのか?)社会をベースに、積極的な協力関係構築を通じて他者の信頼性をより正確に検知できるようになり、正のスパイラルを生じてきたから。一方日本では、一定範囲の閉鎖的な関係性の中では、相互監視と村八分の仕組みが安心を担保してきたため、他者一般への信頼は必要とされず、信頼性検知能力も発達してこなかった(人を見たら泥棒と思え) 。代わりに身につけてきた、上のような関係性の有無実態を把握する関係性検知能力=空気を読む力で、グローバル化圧力で開放度を増しつつある最近の日本社会を無理やり処理しようとしているために生じている歪みが、「現代日本人のモラルの崩壊」の正体。 閉鎖社会時代の名残である他者への不信を乗り越えて、信頼性社会に移行するためには、失敗リスクを小さくすべく、正直者が得をする社会を構築するために、法制度を整備すべき。

Posted byブクログ

2015/01/06

タイトルの印象をいい意味で裏切ってくれた。 著者はグローバルな時代の流れから、古きよき日本、農村部などに見られる「安心社会」から都市型(西欧型)の「信頼社会」へとシフトしている、と書いている。「安心」という言葉が物語っているとおり、そこには落ち着きがあるが、安心社会は決して人達の...

タイトルの印象をいい意味で裏切ってくれた。 著者はグローバルな時代の流れから、古きよき日本、農村部などに見られる「安心社会」から都市型(西欧型)の「信頼社会」へとシフトしている、と書いている。「安心」という言葉が物語っているとおり、そこには落ち着きがあるが、安心社会は決して人達の信頼の上になっているわけではない、と説いている。説得力はあるが、完璧に同意しづらい部分もあった。 納得できる部分としてはやはり、日本人らしさに代表される、以心伝心的なものは、そのほうが得だ、という利己主義の上に成り立っているということ。 そして、あまりに教育に頼ると、時代の流れによってはイデオロギーになってしまので、教育に期待を寄せすぎないこと。 その上で著者が言う「信頼社会」は浅はかなモラルではなく、「情けは人のためならず」社会だという。わかる。しかし、「なぜ消えた」かについてや、その信頼社会へのシフト方法はいまいち薄い感じがあった。 そして、著者が言う社会感に生理的無理がある人ははじかれてしまうのか、との問いもある。 しかし、目指す方向性としては好き。「情けは人のためならず」社会がいい。 そういった意味ではこの本は、日本社会関係が停滞している今、読む価値があるのではないかな。

Posted byブクログ

2014/06/19

なぜテレビやネット上で異常なまでに曝し上げが行われているか(精神面ではなく社会面で)分かった。今の社会はまさに「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」で、このままでは悪循環だが巧く改革すれば良い循環にもなると感じた。個人的には「アメとムチ」に対して詳しく解析してある文章がためになった...

なぜテレビやネット上で異常なまでに曝し上げが行われているか(精神面ではなく社会面で)分かった。今の社会はまさに「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」で、このままでは悪循環だが巧く改革すれば良い循環にもなると感じた。個人的には「アメとムチ」に対して詳しく解析してある文章がためになった。

Posted byブクログ

2014/03/17

最後のジェイン ジェイコブスの『市場の倫理 統治の倫理』が紹介されてましたが、商人道と武士道に対比されるこれら二つのモラル体系は、混ざると、救いがたい腐敗をもたらすとされている点がもっとも驚かされた。 最終的には、何をやってもかまわないという究極的な堕落を産み出すことになってし...

最後のジェイン ジェイコブスの『市場の倫理 統治の倫理』が紹介されてましたが、商人道と武士道に対比されるこれら二つのモラル体系は、混ざると、救いがたい腐敗をもたらすとされている点がもっとも驚かされた。 最終的には、何をやってもかまわないという究極的な堕落を産み出すことになってしまう。 内部監査としては、市場の倫理と、COSOの土台が同じなのかどうか。

Posted byブクログ

2013/02/23

現代の日本が抱える問題点を社会学の観点で捉えた本。 扱う素材にしてはとても読みやすく、 内容も説得力があり、とても良い本でした。

Posted byブクログ