虎よ、虎よ! の商品レビュー
古い小説ですが展開に勢いがあり、読み出したら止まらない。遭難した宇宙飛行士が、自分を見捨てた宇宙船に復讐しようとするのだが…と単純な筋書きでは終わらない。強烈な個性を持つ登場人物たちと共に疾走する物語は衝撃のラストを迎えます。サイバーパンクの古典とも言えるのではないでしょうか?
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強靭なヒーローによるただの復讐話かと思いきや、最後が圧巻。その最後に出てくる、“核の時代”の緊張感を鋭く捉えた描写も見事。終わりよければすべてよし。ただ、『ゴーレム100』の方が傑作度高し。
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前田真宏監督がアニメ化しようとしたところ既に映像化権が取られていたのでネタ元の「巌窟王」をアニメ化した……。というエピソードを聞いて興味をもっていたのだけど、長らく絶版になっていて読むことが出来なかったのですが!ついに復刻!「ジョウント」というテレポーテーション能力や、神経組織を...
前田真宏監督がアニメ化しようとしたところ既に映像化権が取られていたのでネタ元の「巌窟王」をアニメ化した……。というエピソードを聞いて興味をもっていたのだけど、長らく絶版になっていて読むことが出来なかったのですが!ついに復刻!「ジョウント」というテレポーテーション能力や、神経組織を改造しての身体能力の向上(オメガトライブの「クロックアップ」みたいなもんか)etc...現在のアニメやマンガに通ずるアイディアが豊富に詰め込まれていて50年前の作品にもかかわらずエンタテイメントとして非常に楽しめました。
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アルフレッド・ベスターの手による傑作SF小説です。 スティーブン・キングの『ジョウント』やサイボーグ009の加速装置の元ネタはこの作品だったのですね^^ しかしなんとも強烈な話ですね。妄執に駆られてとんでもない行動をする主人公の暴走っぷりが何ともいえない笑いを誘い、強烈なク...
アルフレッド・ベスターの手による傑作SF小説です。 スティーブン・キングの『ジョウント』やサイボーグ009の加速装置の元ネタはこの作品だったのですね^^ しかしなんとも強烈な話ですね。妄執に駆られてとんでもない行動をする主人公の暴走っぷりが何ともいえない笑いを誘い、強烈なクライマックスでしめるという、世評に違わぬおもしろい作品でした^^
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「宇宙をまたにかけたモンテ・クリスト伯」って感じの話だったよなー、と思いつつ10年ぶりに再読。記憶どおり、いや記憶以上の面白さ。390ページ以降のぶっとび具合にも大興奮。読みながら楽しくて仕方なかった。気持ちがすぐ顔にでる私はたぶん通勤電車の中で相当怪しまれていたに違いない。
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27/03/2008 以前から読みたいと思いながらも、絶版のために手に取ることができなかったが、今年新装版が発売されようやく読むことができた。 SFの中では年代的にも古典と呼んでもいいと思う。内容にしろ、展開にしろ現在の小説にない魅力が詰まった作品。そして、後の作家に与えた影...
27/03/2008 以前から読みたいと思いながらも、絶版のために手に取ることができなかったが、今年新装版が発売されようやく読むことができた。 SFの中では年代的にも古典と呼んでもいいと思う。内容にしろ、展開にしろ現在の小説にない魅力が詰まった作品。そして、後の作家に与えた影響力は凄まじい。例えば大友克洋さんの『AKIRA』に出てくるある登場人物はこの作品をヒントにしたんだなとか、もっと直接的にはGONZOの『巌窟王』であったりとかそういう目で読むのも本書の楽しみの一つだと思う。
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50年以上前に出版された本なのだが古さは感じられない。 中途半端な科学や社会を描いていないおかげで陳腐化していない。 迫力を書き上げた作品だと思う。 内容とかストーリーは「迫力」を描く為の材料にしか過ぎない。 最近新装版が出て表紙も俄然良くなったように思います。 読みまし...
50年以上前に出版された本なのだが古さは感じられない。 中途半端な科学や社会を描いていないおかげで陳腐化していない。 迫力を書き上げた作品だと思う。 内容とかストーリーは「迫力」を描く為の材料にしか過ぎない。 最近新装版が出て表紙も俄然良くなったように思います。 読みましょう。
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全人類が「ジョウント」と呼ばれるテレポーテーション能力を身に着けた24世紀。世界秩序は混乱をきわめ、内部惑星と外部衛星とが戦争を繰り広げる。主人公ガリヴァー・フォイルの壮大な復習譚はこのような時代背景を舞台に始まる。 ジョウント・加速装置等々SF的なアイデアが横溢する中で、宗教...
全人類が「ジョウント」と呼ばれるテレポーテーション能力を身に着けた24世紀。世界秩序は混乱をきわめ、内部惑星と外部衛星とが戦争を繰り広げる。主人公ガリヴァー・フォイルの壮大な復習譚はこのような時代背景を舞台に始まる。 ジョウント・加速装置等々SF的なアイデアが横溢する中で、宗教的[キリスト教的:J♂SEPH (ジョゼフ)・M♀IRA(モイラ)]イメージが基底として存在し、ラストシーンにも結実する。大戦は終結し世情は安定しているかにみえて、後にベトナム戦争・キューバ危機を迎えるアメリカの当時の状況を反映しているのか。 宇宙船の名前がnomadであったり、恐怖を抱かせる刺青を顔面に刻みこまれてしまったフォイルと、対して身体の一切が白く「無垢」な「驚くほど華麗なアルビノ」オリヴィア・プレスタインの対比についてなど、50年代の名高いSFの復刊という歴史的側面とともに現代の批評的なタームで語る要素もある。 テレポーテーション。空間の転移は時間感覚をも無化する。物語は圧倒的な「速度」で進み、一気に読ませる。おもしろかった。
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