スモールトーク の商品レビュー
雨は大粒で、海よりも冷たかった。 車が変わることで物語の空気感がそれぞれ違っていて飽きずに一気に読めた。 車のことをあまり知らない私でも楽しく読め、どこかにドライブしたくなった。
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おもしろくなかった。あわなかった。 「後ろ向きなのはいつも男の方だ。いつまでも過去のことをうじうじとしみったれて、女々しいのは男だ。別れるとき、じゃあねと言って去っていくのは男で、さっぱりと見送るのは女の方がいい。男はいつまでもルームミラーで後方を見ながら洟をすすったり下らないことを思い出したりしながら渋滞の中を進むしかないのだ。」と言ってるくせに、クルマにつられて昔の男とまた関係を持ち、なんともさっぱりしない気持ちでいます、という話だと思った。 高いクルマを次々と出すためにはフツーのサラリーマンじゃなくて音楽プロデューサーで、それとつきあわせるなら自由業の女で、をストレートに感じてしまった。話を書くためには当然のことだけれど、それを感じさせないようにするのが作家の腕だと思う。
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「スモールトーク」絲山秋子著、角川文庫、2008.02.25 190p ¥460 C0193 (2023.03.30読了)(2009.04.29購入) 本の題名は、スクリッティ・ポリッティの曲の名前から来ているようです。(32頁) 著者は、車が好きなんでしょうね。車の描写が実に丁...
「スモールトーク」絲山秋子著、角川文庫、2008.02.25 190p ¥460 C0193 (2023.03.30読了)(2009.04.29購入) 本の題名は、スクリッティ・ポリッティの曲の名前から来ているようです。(32頁) 著者は、車が好きなんでしょうね。車の描写が実に丁寧です。運転した時の感覚も描写してあります。 本条鋭二 音楽プロデューサー、カマキリ男 田中肇 ユーコと本条の友人 ユーコ 画家、主人公 フランチェスコ 日本美術史専攻の留学生、イタリア人 【目次】 スモールトーク ・TVR Tuscan(タスカン) ・Jaguar(ジャガー) XJ8 ・Chrysler Crossfire(クライスラー・クロスファイア) ・SAAB 9-3 Cabriolet(サーブナイン・スリーカプリオレ) ・Aston Martin Vanquish(アストン・マーティン・ヴァンキッシュ) ・Alfa Romeo Alfa GT ・ダイナモ エッセイ ・カローラバン・スーパースペシャル ・カローラバンその2 ・マーク2を追いかけろ! ・ごめんねビート ・見てくれだけのダメグルマ ・馬には乗ってみよ クルマの解説 下野康史 ☆関連図書(既読) 「袋小路の男」絲山秋子著、講談社、2004.10.29 「イッツ・オンリー・トーク」絲山秋子著、文春文庫、2006.05.10 「海の仙人」絲山秋子著、新潮文庫、2007.01.01 「逃亡くそたわけ」絲山秋子著、講談社文庫、2007.08.10 (「BOOK」データベースより)amazon 昔の男はオレンジ色のTVRタスカンに乗って現れた。会いたくなんかなかった。ただどうしてもその車が見たかった。以来、男は次から次へと新しい車に乗ってやってくるようになった。ジャガー、クライスラー、サーブ、アストンマーティン、アルファロメオ…。長い不在を経て唐突に始まった奇妙で不確かな関係の行き着く先は。勤め人時代を描いたエッセイ及び掌編小説「ダイナモ」併録。
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・白痴群。ほぼ「武蔵丸」と同。 ・狂 ○物徳「武蔵丸」ではないが、何かで読んだ。下宿で他人に日記を盗み読まれる。 ○愚か者
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車好きの絲山さんならではの書と思います。「スモールトーク」、2008.2発行。スモールトークとエッセイの2部構成。タスカン、ジャガー、クライスラー・クロスファイア、サーブ・カブリオレ、アストン・マーチン、アルファロメオ、フィアット、RXー8、プリウスなどへの思いがこもってます(^-^)
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とにかく車の見分けがつかない人間なので、プリウスすらどんな顔か思い浮かばない(よくある車らしいのは知っている)中読んでいてちんぷんかんぷんになる箇所もいっぱいあった。でも車のカッコよさは伝わる。 車ってそんなに車種によっても個々によっても違うものだったのか!と驚いた。列車でも個々の編成で違った癖があって古いものは特に合わせるのも大変という話を聞くけど、もしかして飛行機とか船もそうなのかな?きっとそうなんだろう。一つ一つ違った個性の鉄の塊がそこらじゅうを走ったり飛んだりしていることを考えると楽しくなる。 そんなことを考えつつ帰り道の駐車場を通りがかって、そういえばここにいつも一台だけピカピカの車いるよな、と思ってよく見てみたらヘッドマークに「Alfa Romeo」と書いてあってびっくり。やっぱり私には違いを見分ける力はないが、表紙の車に似ているような気がして、「スモールトーク」のラストでひっそり駐車場にうずくまるアルファを思った。
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否、がキンキンに効く小説を書く絲山秋子。 (ここにいない人、が効果的なのも否の力だ。) 本作でも、車への興味がなくなった、という否が決定的。 寂しく、心強い。
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昔付き合っていた男女のお話。スーパーカーを中心に実際の車が比喩として登場し、物語の軸になる。面白いのは、車への思いが変わっていくところ。なんかグッときた。
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表紙のアルファ145に惹かれて読んでみたんだけど、ちょっと期待はずれというか。主人公のヒロインが少々鼻についてしまって(言葉遣いとかライフスタイルを含めた設定とか)、個人的にはちょっと残念な感じだった。 だが、著者の車に対する愛は充分感じられたのでそこはとても良かったと思う。
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一番の嘘っぱちは作為的な愛とか恋だ。嘘っぱちの愛に死の影なんかない。それを言い訳に女を欲しがるのは下劣だ。(P.90)
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