コイノカオリ の商品レビュー
「日をつなぐ」、よかったです。これも”食べ物で傷が癒される・再生していく”系ですが。”食べ物で再生”に、豆は最も適した食材です。 修ちゃんと真名の一生懸命な精一杯のはかなさがいいし、最後もいい。 その他は、角田光代「水曜日の恋人」が手馴れてきたうまさだなあ、と思った以外はドン...
「日をつなぐ」、よかったです。これも”食べ物で傷が癒される・再生していく”系ですが。”食べ物で再生”に、豆は最も適した食材です。 修ちゃんと真名の一生懸命な精一杯のはかなさがいいし、最後もいい。 その他は、角田光代「水曜日の恋人」が手馴れてきたうまさだなあ、と思った以外はドングリではないでしょうか。 特によくなかったが島本理生と井上荒野。 島本「最後の教室」はまずレモンがいけない。それから年の差理由がいけない。これ、山田詠美だったらまったく違う話になっていたろうな、年の差理由でこんな展開は、たぶん山田詠美は(私も!)許さない…などと勝手に思いました。(年の割に)もっと硬質な恋愛ものを書く人、という印象だっただけに、残念。 井上「犬と椎茸」は結局はマダムものかい、ってことでがっかり。 すごく偏った感想です。 恋愛小説には点がカラくなります。
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「香り」をテーマにした短編集。 宮下奈都の「日をつなぐ」が激賞されていたのを見て、それ目当てで購入。 こどもが産まれたばかりの若い母親の話。 じわじわと主人公の意識が閉塞していく描写がリアル。 この話が深く響くのは女性だと思うけど、個人的には男性にぜひ読んでほしい。 「日をつなぐ...
「香り」をテーマにした短編集。 宮下奈都の「日をつなぐ」が激賞されていたのを見て、それ目当てで購入。 こどもが産まれたばかりの若い母親の話。 じわじわと主人公の意識が閉塞していく描写がリアル。 この話が深く響くのは女性だと思うけど、個人的には男性にぜひ読んでほしい。 「日をつなぐ」に限れば★5つ。
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いずれの作品も泣きたいような気分にさせる。 中でも「日をつなぐ」については、赤ちゃんと母親、二人だけの世界で身動きが取れなくなる閉塞感が自分の味わった経験と重なり、どうか悲しい結末にならないようにと祈りながら読み進めた。
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購入当時、ちょうど恋愛と香りの関連に苦悩していて、手にしてしまった一冊。 香りって、忘れようと思っても、なかなか忘れられない。 というか、消えないものですよね。すごく本能的。 好きな人の香りと音楽を、好きになってしまわないようにしたい、と思ってしまう。 幸せと辛さが表裏一体だ...
購入当時、ちょうど恋愛と香りの関連に苦悩していて、手にしてしまった一冊。 香りって、忘れようと思っても、なかなか忘れられない。 というか、消えないものですよね。すごく本能的。 好きな人の香りと音楽を、好きになってしまわないようにしたい、と思ってしまう。 幸せと辛さが表裏一体だと思うから。 日をつなぐ、が好きだなぁ~。なんか、においのイメージとともに、映像化したイメージが頭に浮かんできました。
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宮下奈都「日をつなぐ」がいちばん心に残った。この作品に関しては★5つ。 不安な気持ちや嬉しい気持ちがその場のかおりと一緒に伝わってくるようで素晴らしいと思う。
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自分の中で、江國香織の短編集 「号泣する準備はできていた」から 短編集というジャンルを開拓できた気がしたのと 角田光代はテーマを“純恋愛”にすれば どんな文章表現で書いてくるのか気になったのと それまた読みたい「ナラタージュ」を書いている 島本理生はどんな表現する...
自分の中で、江國香織の短編集 「号泣する準備はできていた」から 短編集というジャンルを開拓できた気がしたのと 角田光代はテーマを“純恋愛”にすれば どんな文章表現で書いてくるのか気になったのと それまた読みたい「ナラタージュ」を書いている 島本理生はどんな表現するんかなという興味で 試食する感じで手に取った。 とはいいつつ、それは論理的に書いてみただけだったり。 (上も嘘ではないけど)実を元彼のカオリが忘れられてなかっただけ。 ふと似たカオリがしたのがいけなかっただけ。 「あっ。」って反応しちゃっただけ。 肝心な感想。 どれもこれもすてきだったけど 特にお気に入りは「泣きっ面にハニー」 あのお店に行きたい。
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******引用****** 「遠出しなくてもいいから、お願いがある」私はベッドに寝転んで言ってみる。 「うん、何?」恋人はネクタイを結んでいる。失敗し、ほどき、また結びなおす。 「あなたんちの子どもを連れてきて、三人でお茶飲んだり、ごはん食べたりしよう」天井を見つめたまま私は...
******引用****** 「遠出しなくてもいいから、お願いがある」私はベッドに寝転んで言ってみる。 「うん、何?」恋人はネクタイを結んでいる。失敗し、ほどき、また結びなおす。 「あなたんちの子どもを連れてきて、三人でお茶飲んだり、ごはん食べたりしよう」天井を見つめたまま私は言う。 「ひどいこと言うなあ」いたく傷つけられたような声を恋人は出す。どこかで聞いたようなせりふだ、と思うが、どこで誰が言ったのか思い出せない。 「きっとその子は喜ぶと思うんだけどな」 「子どもってのは、大人ならだれでも好きだからな」 「私は大人かな」 私はつぶやいた。恋人は短く笑っただけだった。 ――『水曜日の恋人』 p.35-36
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このアンソロジーがきっかけで栗田有起さんにハマりました。 こちらに収録の「泣きっ面にハニー」ぜひ読んでみて!
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表題どおり「香り」をモチーフに恋のお話6編。 半年ほど前にあっという間に読んでしまったんだけど、具体的に書けるほど覚えていない・・。 人間の記憶と深く結びついている、香りの様なほのかな何かが残ってはいます。 静かな物語です。
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短編の恋愛小説を集めた本。 1作品、40ページ前後と行き帰りの電車の中で読める軽い作品が6話。 逆にその分、ボリュームがなくて物足りないかも。 コイノカオリだけあって、叶わない、または幸せになれない恋の話が多いです。 有名作家さんが名を連ねているので、気に入ったのがあったら...
短編の恋愛小説を集めた本。 1作品、40ページ前後と行き帰りの電車の中で読める軽い作品が6話。 逆にその分、ボリュームがなくて物足りないかも。 コイノカオリだけあって、叶わない、または幸せになれない恋の話が多いです。 有名作家さんが名を連ねているので、気に入ったのがあったらその人の長編を読んでみることをオススメします。 短編集というのは、一つの物語を読み終わっても消化するというか、体の中に沁み込む前に次の世界・物語が来てしまうので、味わうようにして読みたいものですね。
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