発狂した宇宙 の商品レビュー
月ロケットに備え付けられたバートン式電位差発生装置が直撃して他の宇宙に飛ばされたキース・ウィンストン。そこは、自分の住んでいた宇宙とは異なる歴史を歩んでいた宇宙だった。なぜ自分がここへ来たのかと理由を探るために奔走するキースだが……。あー、なるほどね。それを取引の材料に使うのかと...
月ロケットに備え付けられたバートン式電位差発生装置が直撃して他の宇宙に飛ばされたキース・ウィンストン。そこは、自分の住んでいた宇宙とは異なる歴史を歩んでいた宇宙だった。なぜ自分がここへ来たのかと理由を探るために奔走するキースだが……。あー、なるほどね。それを取引の材料に使うのかと面白い伏線の張り方だなと思った。ブラウンの長編の割に面白い作品。SFを茶化すって言ってもそんなお約束とか詳しく知らないので服装がおかしいぐらいしかわからんかった。「発狂」はちょっと硬すぎる気がするな。「なんておかしな」ぐらいの意味
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
●内容 ・77年刊行の多元宇宙ものの長編。 ・SF雑誌編集者が、ある事故をきっかけに「発狂した宇宙」に迷い込む。 ●コメント ・違う世界で違う常識の元、予想もしない危険を潜り抜けつつ真相に迫っていく様子は好奇心をかき立てること著しい。物語の後半で読者は「元の世界」と「狂った宇宙」のつながりを知らされる。 ・ユーモアに定評がある著者らしく、物語のラストは一般のSFとは少し異なる。
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月に向けて発射されたロケットが事故によって地球に墜落した。墜落した先には十三人の人間がいたが、その中の一人であったキース・ウィストンの遺体だけが、忽然と消えてしまっていた。彼はその時、彼のいる宇宙から別の宇宙へと迷いこんでしまったのだった。 というその先の宇宙が、とんでもない...
月に向けて発射されたロケットが事故によって地球に墜落した。墜落した先には十三人の人間がいたが、その中の一人であったキース・ウィストンの遺体だけが、忽然と消えてしまっていた。彼はその時、彼のいる宇宙から別の宇宙へと迷いこんでしまったのだった。 というその先の宇宙が、とんでもないことばかりで、異星人は平気で歩いているわ、宇宙戦争は起こっているわ、キースが愛する女性はSF風の変な衣装をまとっているわ、ここまでまともじゃない世界って何なんだと思っていると、最後の最後に更にあさっての方向に筋が飛ぶから驚きます。 異邦人である彼は、ひょんなことから命を狙われることになるし、筋は終えるのに何がどうなっているのかは最後までなかなかわからないようになっているから、よくできたサスペンス物として読めてしまうのですが、その割には始終随分と軽薄なムードが続き、作品の全体がどこかうそ臭い。最後のずらし方はその辺の種明かしで、つまりこれはすべて読者を徹底して茶化しバカにしてるのだと思いますが、その様がむしろ爽快で、さらりとやってのけた超絶技巧という感があります。これで処女長編とか、ふざけんなと思いますが、しかし素晴らしかった。
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結末が長編とは思えないほどのノリの軽さ。 フレドリック・ブラウンなら長編じゃない方が良さそうな話だと思う ストーリーはともかく、細かい設定なんかは割りと好き。 「天の光はすべて星」に出てくるミシンの話もバッチリ出てくる。 かなり気楽に読める本
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1954年の未来を書いた1949年の作品 多元宇宙論をベースとした軽いタッチのSF。とあるショックで別の宇宙に飛び込んだ主人公が、別のショックで元居た宇宙に戻ってくる。しかし、戻った宇宙はより理想的な宇宙でハッピーエンドってお話。 まったくもってお決まりの結末なんだが、こ...
1954年の未来を書いた1949年の作品 多元宇宙論をベースとした軽いタッチのSF。とあるショックで別の宇宙に飛び込んだ主人公が、別のショックで元居た宇宙に戻ってくる。しかし、戻った宇宙はより理想的な宇宙でハッピーエンドってお話。 まったくもってお決まりの結末なんだが、これが1949年に書かれたという事実が驚きである。当時のSFにはよくアークトゥルス星人が登場する。もっとも遠い星として当時から憧れの星だったのだろうな。
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SSで有名なフレドリック・ブラウンの長編SF小説で多重世界もの。 パラレルワールドでは見知ったはずの街に、知らない常識が蔓延っている。でも街も人も言葉も変わらないのであまり恐い感じはしない。危険なのはただ一つ、自分が異邦人と知られること! ミステリーかスパイ小説のハラハラもSFの...
SSで有名なフレドリック・ブラウンの長編SF小説で多重世界もの。 パラレルワールドでは見知ったはずの街に、知らない常識が蔓延っている。でも街も人も言葉も変わらないのであまり恐い感じはしない。危険なのはただ一つ、自分が異邦人と知られること! ミステリーかスパイ小説のハラハラもSFのワクワクもあって面白かった!オチもきれいにまとまり、読後感もいい。小説っていいなあ!と思いました。 後書きで筒井康隆先生がこの本と同列に挙げていた、フィリップ・K・ディックの「宇宙の眼」は、現在創元推理文庫で出ている「虚空の眼」と同一であるということがわかりました(グーグル先生によって)
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すごく面白かった。 私も飛び立ちたい、と、『天の光は〜』とはまた違った意味で強く思わせられるお話。 こんな妄想、誰だって一回くらいはしちゃうだろ?!(笑)
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結構面白かったな。フレデリックブラウンは高校生のときに読んでたけどやっぱ好きだ。昭和52年発行のハヤカワ文庫SF。
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多元宇宙ものの古典。SFそのものをパロディ化したかのような”発狂した”世界での逃亡劇にニヤニヤしてしまう。ご都合主義な展開や設定をキッチリと纏めるラストのオチでさらにニンマリ。 こんな作品がすでに1949年に書かれていたとは !!
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