ねじの回転 の商品レビュー
幼い兄妹の家庭教師と…
幼い兄妹の家庭教師として赴任してきた若い女性は、兄妹を悪の世界に引きずり込もうとする亡霊の姿を見る。本当に彼女は亡霊を見たのかどうか、何が真実なのか。色々考えながら読むと分からなくなってきて、考え込んでしまうけれど、そこがこの作品の面白い所だと思う。
文庫OFF
初版日を見てびっくり…
初版日を見てびっくりしたのだけど、昭和37年。今から40年も前に書かれた作品だったのですね。それにしては全体的にそんなに古臭い印象を受けない内容でした。ただ、あらすじ紹介にもアル通り「古典」という雰囲気は感じ取れましたが。内容も、すごくおもしろいというものではなく、読み解き方によ...
初版日を見てびっくりしたのだけど、昭和37年。今から40年も前に書かれた作品だったのですね。それにしては全体的にそんなに古臭い印象を受けない内容でした。ただ、あらすじ紹介にもアル通り「古典」という雰囲気は感じ取れましたが。内容も、すごくおもしろいというものではなく、読み解き方によっては大変な駄作に思えてしまうかもしれないな、という印象です。
文庫OFF
ホラーミステリーかなと思いきや、ホラーともミステリとも言い難い、不思議な作品です(心理主義小説というらしいです)。残虐な描写や心理的に重いシーンはありません。 怪異について語られるも、実在するかどうか(複数人が認識しているかどうか)が曖昧だし、いくつもの謎についても、すっきりと解...
ホラーミステリーかなと思いきや、ホラーともミステリとも言い難い、不思議な作品です(心理主義小説というらしいです)。残虐な描写や心理的に重いシーンはありません。 怪異について語られるも、実在するかどうか(複数人が認識しているかどうか)が曖昧だし、いくつもの謎についても、すっきりと解明されるものではありません。 あらすじとしては、イギリスの片田舎の古い貴族屋敷に、両親と死別してひっそり暮す幼い兄妹の家庭教師として赴任してきた若い女性が体験した怪異を記した手記を託された男が、怪談会で披露するという話。あくまで手記なので、何処までが真実なのか不明な上に、解釈の仕方によっては手記を託されたという事から怪しくなってきます。 このように完全に読者に解釈を任せるタイプの作品なので好みが分かれますが、好みでない方でも、古典名作として一度は読んでおいても損は無いかなとは思います。古典かつ海外の小説なので読みにくさはありますが、最小限であり、すぐに慣れました。
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ホラー苦手な私が読める幽霊小説と言えばこれ。ただ見てるだけ、近くに来るだけで、日本の幽霊みたいに襲ってこないところが好き。霊的な恐怖よりも、愛らしい兄妹2人の底の知れなさと、語り手となる家庭教師の主人公がだんだんと狂気に陥っていく様子が怖い。謎が多く残るラストだが、その余韻も楽...
ホラー苦手な私が読める幽霊小説と言えばこれ。ただ見てるだけ、近くに来るだけで、日本の幽霊みたいに襲ってこないところが好き。霊的な恐怖よりも、愛らしい兄妹2人の底の知れなさと、語り手となる家庭教師の主人公がだんだんと狂気に陥っていく様子が怖い。謎が多く残るラストだが、その余韻も楽しめる。 原文から難解なようだが、とにかく文章がまわりくどくて読みにくい。でも一旦流れをつかむとさらさらと読める不思議な本。著者他作品は『デイジー・ミラー』も読んだが、今作は取り立てて恐ろしい事件が起こる訳でもないのに、なぜかとても印象に残っている作品。
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ホラーの名作ということです。内容はごくシンプルなお話のはずなんですが難しいし、そもそもプロローグの部分は何の伏線?と読み終わっても謎が残ります。作品の解釈をしたホームページがたくさんあったので参考になりました。古いけど映画もあるそうなので見てみたいですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
資産家の甥と姪の家庭教師になった女性が遭遇する恐怖。兄妹を教育することになった主人公は大邸宅で住み込みで働き出す。そして最近になって、この邸で働いていた使用人が二人死亡したことを知る。ある日自分が見た怪しい人影がこの死んだ二人の幽霊ではないかと疑い出す。その後、子ども達にもこの幽霊が見えていることを知る。 幽霊が目の前にまともに現れる。はっきりしすぎていて味気ないような感じだが、一人称で語られるため、主人公の家庭教師には本当に見えていたとするしかない。子どもたちと主人公は幽霊に引きずられて不安定な状況にむかっていく。最後に兄は幽霊を遠ざけるが亡くなってしまう。
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恩田陸の同名小説のタイトルの由来となった小説だ。 旧家の兄妹の家庭教師として赴任してきた女性が見たものは、兄妹を引きずり込もうとする亡霊の姿だった。 かつて死んだはずの召使と、前任の家庭教師が亡霊となり、死の世界に二人を呼ぼうとしている。 兄妹は彼らの姿が見えている...
恩田陸の同名小説のタイトルの由来となった小説だ。 旧家の兄妹の家庭教師として赴任してきた女性が見たものは、兄妹を引きずり込もうとする亡霊の姿だった。 かつて死んだはずの召使と、前任の家庭教師が亡霊となり、死の世界に二人を呼ぼうとしている。 兄妹は彼らの姿が見えているようだが、見えているそぶりを見せず、兄妹の心の奥底を知ることができない。 亡霊から兄妹を守ろうとするのだが、他の人には亡霊の姿が見えていないようだ。 兄妹を通してしか亡霊の姿を認知できずに葛藤を繰り返す。 という、芝居がかった心理描写が、とても恩田陸のそれに似ている。 元々、恩田陸は多読な作家だから大いに影響を受けたのではないかと思う。 そして、だからこそこの小説が好きになれないのだ。意味が分からないので。
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あとがきでも述べられていたように、訳者さん自身にこだわりがあるのは仕方ないとは思うが、原文に忠実すぎるあまり、非常に読みにくくわかりにくい文章だった。ただし、内容自体はおもしろいので、あまり深く考えずに読み進めるならば案外時間はかからない。 ブライ邸の一人一人の関係や言動が不可...
あとがきでも述べられていたように、訳者さん自身にこだわりがあるのは仕方ないとは思うが、原文に忠実すぎるあまり、非常に読みにくくわかりにくい文章だった。ただし、内容自体はおもしろいので、あまり深く考えずに読み進めるならば案外時間はかからない。 ブライ邸の一人一人の関係や言動が不可解かつ不自然で、個人的には幽霊よりも生きている人間の方が不気味に思えた。
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全体的に不思議さが後に残る読後感。怪談話のような暗示がかかっているかのような世界感を感じさせる。心理描写から様々な物語の背景が読み取れ、一つにとらわれないと思う。幽霊の存在は、信じるか信じないか読み手自身にかかっているだろう。だから、見える人がいたり見えない(存在を信じない)人が...
全体的に不思議さが後に残る読後感。怪談話のような暗示がかかっているかのような世界感を感じさせる。心理描写から様々な物語の背景が読み取れ、一つにとらわれないと思う。幽霊の存在は、信じるか信じないか読み手自身にかかっているだろう。だから、見える人がいたり見えない(存在を信じない)人が居るのはなんら普遍的なことだと感じる。他人には見えなくても自身には見えたりするものだ。怪談なので、怖いものだと思っていたが、本作はライトなホラーだと感じる。シチュレーションによっては感じ方が違うかも知れないと思う。
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私だったら教え子に「先生のお馬鹿さん」なんて言われたら、怒っちゃうかもしれない。 あとグロース夫人とはあまり仲良く出来ないかもしれない。あとオバケもあんまり見たくない。怖いから。
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