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新訳 ガリア戦記 の商品レビュー

4.1

17件のお客様レビュー

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2015/08/21

共和制ローマで最も有名な人物、カエサルのガリア戦記。著者はカエサルだが、カエサル視点ではなく、客観的な視点で物語を綴っている点が面白い。それでいて決して自慢話になっていない。 原文がそうだからなのか、文章がとても簡潔で読みやすい。難しい表現がほとんどなく、カエサルから見た戦争の...

共和制ローマで最も有名な人物、カエサルのガリア戦記。著者はカエサルだが、カエサル視点ではなく、客観的な視点で物語を綴っている点が面白い。それでいて決して自慢話になっていない。 原文がそうだからなのか、文章がとても簡潔で読みやすい。難しい表現がほとんどなく、カエサルから見た戦争の実像、情景をありありと記している。サクサク読み進めることができる。 ローマ軍とガリアやゲルマン、ブリタニアの諸部族との戦いの記述がメインとなるが、ローマ時代の戦争の仕方や、各部族の様子が良く分かる。部族同士の力関係や心理状況、彼らの文化、風習などもカエサルはとても鋭く考察している。やはり指揮官としても相当に優秀な人物だったことが伺える。

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2015/05/30

紀元前50年代に、ローマのカエサルが、ガリア(フランスを中心としたヨーロッパ中央全域)を平定するまでの戦記。原著はカエサル自体が記述している。 翻訳版は、岩波文庫が有名らしいが、図書館になかったので、新訳版を借りた。文章が平易で読みやすく、また最初に100ページほどの解説がある。...

紀元前50年代に、ローマのカエサルが、ガリア(フランスを中心としたヨーロッパ中央全域)を平定するまでの戦記。原著はカエサル自体が記述している。 翻訳版は、岩波文庫が有名らしいが、図書館になかったので、新訳版を借りた。文章が平易で読みやすく、また最初に100ページほどの解説がある。 教養としての世界史を理解するために読んだが、人物名やxxx族の族名、地名などがよくわからず苦労した。本にある地図のページを行きつ戻りつする。 おもしろいという感じではないが、当時の雰囲気と、ローマやガリアの当時の人の残虐性、裏切り・寝返りの繰り返しが印象に残る。

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2014/09/02

最初の解説が長すぎるが、本編を読み始めるとありがたみがわかった。淡々と書かれているので「人気取りのために書かれた可能性が高い」と聞いた後でも、あまりいやらしさを感じなかった。部族の名前が多すぎて途中から完全な理解を諦めたが、雰囲気だけでも当時の生き抜こうとする力が伝わってきた。

Posted byブクログ

2014/01/14

http://scheherazadeoflight.blog.fc2.com/blog-entry-407.html http://scheherazadeoflight.blog.fc2.com/blog-entry-553.html

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2013/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思っていたより文体は読み易かったですが、なにせ地名、人名、部族名に馴染みがなく、地図に戻りつつ読みすすめたので、疲れました(苦笑) で、結局、読んだという達成感しか残っていないという…^^;; でもまあ、前よりカエサルのことをちょっとだけ分かったというだけで満足です^^

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2013/09/18

紀元前ローマのカエサルさんという血気盛んで名声とお金がほしい人が隣のガリア地方を攻めて平定させるという自画自賛の記録です。 ガリアのガリー人はそれなりの武力がありますがいかんせんまとまりに欠けます。ローマに服従して兵隊を供出する部族もいますし、となりのゲルマン人に助けてもらってロ...

紀元前ローマのカエサルさんという血気盛んで名声とお金がほしい人が隣のガリア地方を攻めて平定させるという自画自賛の記録です。 ガリアのガリー人はそれなりの武力がありますがいかんせんまとまりに欠けます。ローマに服従して兵隊を供出する部族もいますし、となりのゲルマン人に助けてもらってローマ軍と戦う部族もいます。部族の中でもローマに従う派閥と戦う派閥に分かれたりして、そのあたりをカエサルにつつかれます。 カエサル目線なのでローマ軍は良くてガリア側は悪いと書いていますがどちらも領地を荒らして火をつけたり略奪してどっちもどっちです。 ローマ軍の勝利の要因としては組織の統一とあわせて土木技術があったのかと思われます。攻城兵器や橋を架ける技術はガリー人が最初は驚いてそれを見ただけで降伏してます。 カエサルという人はすごい人だったんですね。

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2013/05/11

「ローマ人の物語」を読み進めている中で、カエサルの話を読むとどうしても読みたくなる。 「ローマ人の物語」でガリアとの戦いが終わったところで、実際にカエサルの書いたこの本を読んでみた。 これが紀元前に書かれたのかと驚嘆させられる。 各部族や地形について詳細に書かれており、なんとい...

「ローマ人の物語」を読み進めている中で、カエサルの話を読むとどうしても読みたくなる。 「ローマ人の物語」でガリアとの戦いが終わったところで、実際にカエサルの書いたこの本を読んでみた。 これが紀元前に書かれたのかと驚嘆させられる。 各部族や地形について詳細に書かれており、なんといっても印象的なのがカエサル自身を第三人称で語っていること。 客観的な感じで書かれているのがおもしろい。 各部族の名前が覚えづらく少々読みづらさを覚えたが、読み進めるうちにガリアの全体像を掌握することができ、当時の風景さえ思い描くことができた。 ガリア人=野蛮人の印象が強かったものの、彼らなりの考えの下、カエサル率いるローマと戦っていたことを思うと複雑な心境にもなった。 「ローマ人の物語」を読んだだけだと、ローマがすべて正しいというような印象を受けてしまうだけに。 それにしても改めてカエサルの才能に惚れ惚れしてしまうこととなった。

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2013/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

希代の英雄がみずから綴った壮大な遠征の物語。軍事の天才が見せた知略と文学的才能とは―。刊行されるや当時のローマ市民を狂喜させ、以来今日まで多くの読者を魅了してきた世界史上最も有名な古典。

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2011/12/24

事件や戦闘の具体的な記述を非常にわかりやすい文体で説明する 「一般の人々が知らないような難しい言葉や表現は、船が暗礁を避けるように、注意してこれを避けなければならない」 自画自賛と思われないよう、往々にして勿体をつけた感のある、前置きというものを入れず、私的なことにも触れず、...

事件や戦闘の具体的な記述を非常にわかりやすい文体で説明する 「一般の人々が知らないような難しい言葉や表現は、船が暗礁を避けるように、注意してこれを避けなければならない」 自画自賛と思われないよう、往々にして勿体をつけた感のある、前置きというものを入れず、私的なことにも触れず、つとめて事実を前面に出し、そしてその事実にしても、自分に有利なものだけでなく、その間に不利なものもよい按配に取り混ぜた よく数字を入れるなど、できるだけ正確な記載に努めた。その信憑性について疑問を抱かれそうなところでは、万一その情報が誤りであったときの非難にそなえて、「かれらによれば」などと言った言葉を入れた ◆ウェルキンゲトリクスの敗北における演説。 他の指導者であれば、逆境によって権威をうしなうところを、ウェルキンゲトリクスは反対に、先の大災難によってますます威信をたかめた。落胆せず堂々と構え、敗北の理由、次の勝利の方法を語ればよい。 「ローマ人の勝利は、勇気のためでも戦闘のためでもなく、ガリー人が知らなかった戦術のためである。戦争で上首尾だけを期待するのは間違いだ。皆も知ってのとおり、私はもともとアウァリクムの防衛には反対であった。言いかえれば、今回の敗北は、ビトゥリゲス族の軽率とそれにたいする他部族の追随ゆえにほかならない。だが、すぐにも大勝利をものにして、挽回をはかろう。これまで協力的でなかった部族についても、私がこれを合流させる。そして1人も反対できないような全ガリアの協力体制をうち立てる。これは、すでにほとんど実現していることだ。さしずめ、皆が救われるためには、敵の奇襲に難なく応じられるよう、陣地の強化が必須だろう」

Posted byブクログ

2011/10/23

いつか読もうと思っていた本。新訳のおかげで読みやすかった。といってもローマ史の知識があまりないので、知っている人には言わずもがなな感じの冒頭の解説がとてもありがたかった。 実際の内容は「戦記」なので延々とどこそこの部族が蜂起したので制圧に行ったとか、砦をこうやって攻めて負傷者が何...

いつか読もうと思っていた本。新訳のおかげで読みやすかった。といってもローマ史の知識があまりないので、知っている人には言わずもがなな感じの冒頭の解説がとてもありがたかった。 実際の内容は「戦記」なので延々とどこそこの部族が蜂起したので制圧に行ったとか、砦をこうやって攻めて負傷者が何人だったとか、そういうことが書いてあるのだけれど、平易な文章を重ねるところがこの本の「文章の魅力」らしい。確かに、総司令官が後世のために書き残した事実にいくら美文を付け加えてもわざとらしい技巧が鼻につくよなー。わが身を振り返って戒めたいところ。 ローマ軍が兵糧を背負って移動することや、敵の家や穀倉を焼き払う、または負けた部族から穀物や秣を取り上げるエピソードが多く含まれ、当時の遠征では補給の問題が一番大きかったのだなと改めて思う。自分達で持っていくか誰かから取り上げないと戻れないわけだ。 あとこの中にガリー人の習慣についていくつか書かれていて、枝編細工で作った大きな像に生贄を詰めて火をかけるという話を読んで「スーザン・クーパーの『緑の妖婆』で言っていたのはこのことか」と。フォークロアを素材にしたファンタジーは読む方に全く知識がないと「ああ、あの」とピンとこないので大変。それと「誕生日も朔日も元日も夜から始まる」という説明にも、クリスマスや日曜日が昔は前の日の日没から始まったという他の本で読んだエピソードのルーツをみて嬉しかった。 面白かったと書いているわりに★3つなのは、再読したいとは思わないからです……もっとローマ時代に興味があったらよかったと思うよ。

Posted byブクログ