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羊の目 の商品レビュー

3.6

17件のお客様レビュー

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2010/02/06

ある極道の一生を描いた作品。初めて伊集院静の作品を読んだ。 始まりは、ある女からで、それが主人公の母親。 主人公が生まれる前から話が始まっている。 主人公のまわりの人物や関係するであろう人物などがとても丁寧に描かれていて長編になっている。 一見、何の関係もなさそうなエピソードや出...

ある極道の一生を描いた作品。初めて伊集院静の作品を読んだ。 始まりは、ある女からで、それが主人公の母親。 主人公が生まれる前から話が始まっている。 主人公のまわりの人物や関係するであろう人物などがとても丁寧に描かれていて長編になっている。 一見、何の関係もなさそうなエピソードや出来事が後半に関係してきたりするなど 緻密に描かれており、無駄なものが何一つない美しい作品としてまとまっている。 さすが伊集院静といった感じ。 エンターテイメント性はなく、文学として形になっている。

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2009/10/07

 読了。戦後、やくざとして生きざるを得なかった男の人生の舞台をワールドワイドに広げたという面白さ。そこに無理がないという凄さ。モチーフである宗教の救いのイメージも綺麗にはまります。タイトルは最後の一ページにて深く納得。そのための渡米と、米国での恋だったのかと。定型のイメージも、こ...

 読了。戦後、やくざとして生きざるを得なかった男の人生の舞台をワールドワイドに広げたという面白さ。そこに無理がないという凄さ。モチーフである宗教の救いのイメージも綺麗にはまります。タイトルは最後の一ページにて深く納得。そのための渡米と、米国での恋だったのかと。定型のイメージも、ここまで隙なく作ると、ほんと、魅力的だわという見本だと思いました。

Posted byブクログ

2009/10/04

父が喧嘩で殺されたので、暮らせなくなり、潜りで夜鷹になった母。辰三に惚れる。辰三には惚れた女がいた。子供を女の家の前におき町を出る。 辰三はやくざの組長になり抗争の最中。子供の様子を見たくて辰三に手紙を書く。事情を知らない辰三は女を抱いた後、自分を待ち伏せする罠と疑い女を 拷問し...

父が喧嘩で殺されたので、暮らせなくなり、潜りで夜鷹になった母。辰三に惚れる。辰三には惚れた女がいた。子供を女の家の前におき町を出る。 辰三はやくざの組長になり抗争の最中。子供の様子を見たくて辰三に手紙を書く。事情を知らない辰三は女を抱いた後、自分を待ち伏せする罠と疑い女を 拷問し、殺してしまう。子供は辰三のやくざになり、殺し屋になる。辰三は抗争に負け、やくさは追われる立場になる。 戦争で、マフィアの男に手当てする。獅子の刺青をマフィアは覚えていた。日本人の兵士の死体を見るたびに獅子の刺青を探した。 サンフランシスコの潜伏するやくざ。マフィアを返り討ちにする。獅子の刺青があるのを知るとマフィアはやくざを刑務所に隔離。25年後に出所し 日本に戻る。片腕を失った辰三は年老いていたが、やくざを見ると暖かく迎えた。辰三が惨殺され放火される。手を切られた焼死体を運び出して やくざは失踪。敵の組に復習。小島に隠れ住む。刑務所で覚えた時計の修理。崖の上に教会(?)を作る。 昭和8年。牡丹の彫物をもつ夜鷹の女は、後に日本の闇社会を震撼させるひとりの男児を産み落とした。児の名は神崎武美。浅草の侠客・浜嶋辰三に育てられた武美は、「親」を守るため幼くして殺しに手を染め、稀代の暗殺者へと成長していく。やがて対立する組織に追われ、ロスに潜伏した武美は、日本人街の母娘に導かれてキリスト教に接するのだが……。高潔で、寡黙で、神に祈りを捧げる殺人者。25年ぶりに日本に戻った武美が見たものとは──。稀代の暗殺者の生涯を描き、深い余韻を残す大河長篇。伊集院文学の最高峰!

Posted byブクログ

2009/10/04

澄んだ目をした侠客の一代記。 生い立ちから晩年までを、場面を変えて描き出している。タケミが父と慕う辰三の、晩年の衰えぶりが何とも言えない。 若いボクサー和美を応援したい。

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2009/10/04

いつもササッと読んでしまう派(速読ではない)ですが、 3週間くらいかけて通勤時で読破した。全390ページ。 1ページずつ丁寧に読みたい!ラストまで読んでしまうのがもったいない、 と思う本に出会ったのは久しぶり。 神崎武美という、メチャクチャ強い浅草の侠客の生涯を語る物語。 また...

いつもササッと読んでしまう派(速読ではない)ですが、 3週間くらいかけて通勤時で読破した。全390ページ。 1ページずつ丁寧に読みたい!ラストまで読んでしまうのがもったいない、 と思う本に出会ったのは久しぶり。 神崎武美という、メチャクチャ強い浅草の侠客の生涯を語る物語。 またいつか読みたい。

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2011/08/01

戦前からバブル期までのヤミの世界 任侠の世界で生きた男の物語。前半はこのオトコの生い立ちから任侠の世界に足を踏み入れた理由が、彼に関わるヒトの様々な人生を絡めて書かれている。ここらへんはヤクザ映画のような“黒”の世界。そして後半突然キリスト教とのかかわりが登場してからは“白”の中...

戦前からバブル期までのヤミの世界 任侠の世界で生きた男の物語。前半はこのオトコの生い立ちから任侠の世界に足を踏み入れた理由が、彼に関わるヒトの様々な人生を絡めて書かれている。ここらへんはヤクザ映画のような“黒”の世界。そして後半突然キリスト教とのかかわりが登場してからは“白”の中での黒が描かれる。裏切られても切り捨てられてもどこまでもどこまでも義の父を守ろうとする主人公にどうしても共感できずにいたけれど、最後のページで彼の求めたモノが分かりすとんと腑に落ちた。タイトルの意味も。もしも他の作家が書いていたらきっとタイトルは「沈黙者(サイレントマン)」とかになっていただろうな。ラストまで違和感のあるタイトルだったけど最後のページで納得する。

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2011/07/17

古いタイプの男達の話。修羅の世界で生きてきたのに、目が澄んでた不死身の男。前半、話の展開が見えず、読むの止めようかと思った。徐々に話が繋がり、まあまあでした。目が澄んでいる、愚直なまでに養父に従うから、羊の目と言うのに、違和感。羊って只の頑固で群れから出ない、一匹狼にならない気が...

古いタイプの男達の話。修羅の世界で生きてきたのに、目が澄んでた不死身の男。前半、話の展開が見えず、読むの止めようかと思った。徐々に話が繋がり、まあまあでした。目が澄んでいる、愚直なまでに養父に従うから、羊の目と言うのに、違和感。羊って只の頑固で群れから出ない、一匹狼にならない気がする。すいません、昔の作者の話の方が好きです。借金に負けるな。

Posted byブクログ