天山の巫女ソニン(3) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2巻に続いて、隣国へ。 王子の声が聞こえる、というのはどういうからくりなのだろう??本当に王妃様の力?? 王子のソニンへの依存度も減ったし、ソニンの夢見も1巻ほどの勢いはなくなったけれど、 だからこそ地に足のついた人生の中で、どう生きるかという難しさを感じる。 統治するのって、良い暮らしをしていくって、本当に難しい。ラスト、森の民への父王、さらりと書かれていたけれど、そうなるよなぁ。。 2巻の王子ほど3巻の王女は急接近できなかったので、今後どうなるのか気になる。ラスト、しんどい立場と決意にて、心許す人が彼女と出会えるよう願う。 そして相変わらずミンは賢い。。 『ようするに物や人を実物以上に価値があるように見せることによって、高く売れたり、感心されたり、羨望されたりすることがあるのです。』 →大河ドラマのべらぼうめ、だとそれをひたすら考えているわけで、必要な事でもある。。 『自分の事を賢いとか優しいと思っている者にとって、深く広く本物や真実を求めるものが恐ろしいのです。自分がニセモノだということを見抜かれてしまいますからね』 「戦が起きないかって思ってるのは、すごくいい暮らしをしてる人たちか、すごく下のほうにいる人たちだね。戦って何でもありになるからさ。上の奴らは自分たちだけ助かるやり方を知っているし、どん底にいる奴らは、今よりひどくなることはないって思ってる。」 「自分が見たものは何なのか、なぜそんな状態にあるのか、それは何のきざしなのか結果なのか考えなさい。…そのために知識を身につけなさい。知識がなければ見逃してしまうわ」 「(地図の上で線が引いてあると、もうその向こうでは、何もかもまったく違う人々が暮らしているような気がしてしまうけれど…)」 「人はちょっとした寂しさや悲しさや、小さな喜びをわかちあえる人がいるだけで、生きていくことが楽になるのに」 「わたしが怖いのは、王子のような立場の方が、自分の感情に流されてしまう事です。単純な好き嫌いに大きな判断を誤ってしまうことです。そのことにどれだけ下の者が苦しむことになるか、考えるだけでも恐ろしいことです。」 これを中学生の年の子が高校生の年の子に伝えているわけで。。 ある意味巫女の暮らしは帝王学のようだけれども、同じ巫女でもレンファの例もあるし 4巻でクワン王子がソニンがイウォル王子に仕えていることが奇跡だといったけれど本当にそうだなぁ。。 「何事も経験を積まなければ、正しい使い方は身につかない。…人とぶつかって恥をかいて、後悔して反省して身につくことがたくさんある。…心は常に生き物のように変化する。わたしたちはそれに振り回され、身を滅ぼしそうになることもあるが、必ず飼いならすことができる。」 「(商売の才能もないくせに大きな店を継いだ二代目とかについて) 恵まれていると思うよ。だって、家が裕福なら読み書きやそろばんだって習えるし、いろいろな人が出入りしてるでしょう。人に相談したり、話を聞いたりして、いい方法を考えられたはずだよ。…」 「そうだね。それを考えられない人は逃げてるんだよね。自分がダメだってことを認めたくないから、目をそらして考えないようにしてるんだ。」 「うん。才能が無くなって、見ることと考えることはできるのにね。…」 この二人が出会って友人になってよかったなぁ。。 ソニンのこれからの人生の決意シーンにて、自分的にはハイライト。
Posted by
江南から帰国して半年が過ぎ、新しい年を迎える準備に大忙しの沙維の国。 新年を迎えれば、ソニンは数えで14歳となる。天山を下山して1年が経つ。このへんの時間の流れを把握するのが、わたしはどうも苦手だ。 さて、もう一つの隣国、巨山は、先の戦争から国交が途絶えたままでしたが、イウォル...
江南から帰国して半年が過ぎ、新しい年を迎える準備に大忙しの沙維の国。 新年を迎えれば、ソニンは数えで14歳となる。天山を下山して1年が経つ。このへんの時間の流れを把握するのが、わたしはどうも苦手だ。 さて、もう一つの隣国、巨山は、先の戦争から国交が途絶えたままでしたが、イウォル王子とともにソニンも彼の国へ赴くことになりました。 江南への留学とは違い、国交回復の足がかりともなる外交の一歩となります。 さて、国交が途絶えたと言っても、イウォル王子たちを出迎えた巨山の民人たちは皆穏やかな様子でした。 それは現代社会を投影しているようです。 ソニンたちと同世代の巨山の王女イェラと出会い、お互いがそれぞれ他者を見ることで己を知るという成長をしていきます。 ソニンの成長は、巫女見習いとして過ごした12年間を否定するのでなく、そのことがあるから今があるという自分への肯定の物語。 結果として失敗に終わったとしてもそれまでの努力は無駄ではないんだよ、とソニンは教えてくれます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シリーズ3作目は巨山でのお話。 これで三国全ての内情が出そろったわけですが。 それぞれの国でそれぞれの価値観、国王の人柄があって国を運営している。 イウォル王子やソニンと出会った全ての人、国が都合のいいように変わるはずもなくてそういう現実的なところもまたおもしろいです♪ 今回はイェラ王女という、これまた魅力的な人物と出会うソニン。 今後の三国関係、イェラ王女の成長もまた楽しみのひとつとなりました^^
Posted by
第三巻。天山から帰らされた巫女のソニンは、王宮の末王子であるイウォル王子に請われて侍女となって暮らしていた。巨山と沙維の間の地域に暮らしている山間民の「森の民」が巨山の役人に捕まってしまった。沙維王が何度も民の解放を望む書簡を出しても返事がなかった。「森の民」が巨山をスパイしてい...
第三巻。天山から帰らされた巫女のソニンは、王宮の末王子であるイウォル王子に請われて侍女となって暮らしていた。巨山と沙維の間の地域に暮らしている山間民の「森の民」が巨山の役人に捕まってしまった。沙維王が何度も民の解放を望む書簡を出しても返事がなかった。「森の民」が巨山をスパイしているのではないかと疑っているのだ。ようやく返ってきた書簡には、沙維王か王子が迎えにきたら解放しようとあった。そして、イウォル王子が巨山に出かけることとなった。もちろんソニンも一緒に。巨山ではどんな出来事が待っているのだろうか。
Posted by
4:3作目。大きな戦を仕掛け、しかもそれに敗れたというのに民から絶大な支持を得る王の国、巨山へ向かうソニンとイウォル。前回のクワン王子もだけど、一連の出来事の後に登場人物みんながソニンとイウォルと仲良しこよしになるわけではない、というシビアさがすごく好きで、今回は特にこの一面が強...
4:3作目。大きな戦を仕掛け、しかもそれに敗れたというのに民から絶大な支持を得る王の国、巨山へ向かうソニンとイウォル。前回のクワン王子もだけど、一連の出来事の後に登場人物みんながソニンとイウォルと仲良しこよしになるわけではない、というシビアさがすごく好きで、今回は特にこの一面が強調されていたように思います。今後の展開が楽しみ!
Posted by
表紙の絵が好きで読み始めた本ですが、どんどんはまっていきます。ソニンも好きですが、ミンも素敵な子です。自分の立場を理解して、そこからよくなろうと努力していく姿がいい。手を差し伸べてくれる人はいるけど、それに甘んじるのではなく、自分の力で進むところが好きです。イウォル王子もずいぶん...
表紙の絵が好きで読み始めた本ですが、どんどんはまっていきます。ソニンも好きですが、ミンも素敵な子です。自分の立場を理解して、そこからよくなろうと努力していく姿がいい。手を差し伸べてくれる人はいるけど、それに甘んじるのではなく、自分の力で進むところが好きです。イウォル王子もずいぶん成長していい青年になってきた。
Posted by
今回は隣国・巨山を舞台に繰り広げられる権謀術数に巻き込まれるソニンとイウォル王子。 ソニンも少しずつ人間らしくなってきて、王子もまた名君になるべく成長を遂げている…。 そしてどこまでもレンヒさんの幻影が現れるのな…。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
イウォル王子がどんどん器が広く、頼もしくなってきた。そんな姿を見て置いていかれたようで焦るソニン。いろいろな経験をして学び、自分を見失わない、そう生きることが大事だと伝えてくれる。狼殺しの王は国民から慕われているけど、綻びはあり、娘を使って評価を高めるなど策略家で、でもそれも政策で、なにをもって国を統べるのか難しい。
Posted by
2016.12.26 森の民のササイの飾りが役立つ。 為政者の弱者を切り捨てるやり方はこすい。 ぷすぷすとくすぶる不満をひた隠す。 それもそう、本当に虐げられた人は戻ってこられない。悪口言う口がない。 それに気づいても、自分ができることはほとんどなく…その中でささやかに助けとなる...
2016.12.26 森の民のササイの飾りが役立つ。 為政者の弱者を切り捨てるやり方はこすい。 ぷすぷすとくすぶる不満をひた隠す。 それもそう、本当に虐げられた人は戻ってこられない。悪口言う口がない。 それに気づいても、自分ができることはほとんどなく…その中でささやかに助けとなる。 イウォル王子がだんだんステキに頼もしくなってきた。
Posted by
イウォル王子と共に“巨山”へと向かうソニン。国境付近で捕らえられた“森の民”を救うためだった。一方、自分の将来を考え始めている親友ミンや、兄王の傍らで着実に仕事をこなすイウォル王子を見ているとソニンは自分が取り残されていくように思えてしまう。やがてソニンはこの北の国で孤独で賢明な...
イウォル王子と共に“巨山”へと向かうソニン。国境付近で捕らえられた“森の民”を救うためだった。一方、自分の将来を考え始めている親友ミンや、兄王の傍らで着実に仕事をこなすイウォル王子を見ているとソニンは自分が取り残されていくように思えてしまう。やがてソニンはこの北の国で孤独で賢明な王女イェラに出会う…。
Posted by
