若叔母と家庭教師 の商品レビュー
作者のエッセンスがコンパクトに凝縮
全237頁に11章立ての構成で主人公の初合体は第八章、メインの叔母と交わるのが第九章というのは1997年に出た作品ならば致し方のないところか。それまではボディタッチからキスにお口奉仕といった前戯をじっくり描きつつ、禁忌の一線を越えぬよう逡巡する展開が続く作風である。 母が4...
全237頁に11章立ての構成で主人公の初合体は第八章、メインの叔母と交わるのが第九章というのは1997年に出た作品ならば致し方のないところか。それまではボディタッチからキスにお口奉仕といった前戯をじっくり描きつつ、禁忌の一線を越えぬよう逡巡する展開が続く作風である。 母が45歳ということで大学生かと思われる主人公。これに対して32歳ならば確かに若叔母であろう。しかし、この叔母には11歳になる息子がいて(夫は長期出張中)、主人公が家庭教師を引き受けていることを本線に叔母の代役で赴いた授業参観でサブヒロインの女教師と出会うといった流れをつくっており、官能的には息子の成績アップに応じて甥っ子たる主人公へ「ご褒美」があるという巧みな構図となっている。また、甘えん坊な息子を溺愛する母(叔母)という別の構図もあって、実は息子が全ての面で蝶番のように絡むことで周辺の大人達に繋がりができていく構成になっているのはさすがベテラン、というか御大の為せる技といったところでもあろう。最後の一線までは年上の優位で挑発めいた誘惑を見せる叔母である。 息子の言から女教師の存在と主人公との親密さを知ると嫉妬の念を焦がして一気に畳み掛ける(畳み掛けられる)のだが、ここからは緊縛プレイ(縛られるのは主人公だが)ありの放尿(見られるのは主人公だが後に自らも)ありの、最後にはお尻まで責められたりの、そのうえ息子にまで過剰なご奉仕をしてしまうなど、叔母が見せる一連の行動には鬼頭作品に見られる様々な要素がコンパクトながら一気に流れ込む印象である。 官能面で若干の物足りなさはありながら美貌の叔母が醸す妖艶な色気が補っており、思いのほか悪くない読後感ではあった。
DSK
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