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自己組織化と進化の論理 の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2022/05/21

2021.11.30 この本を読み終えて、自分の世界に対する解像度が一段階上がった様な感覚を持った。 人間が存在するのは、自然淘汰の結果であり偶然であるのではなく、自己組織化というもう一つの側面が機能しているから。 これは、コペルニクス的転回だ。 章を追うごとに、数学的方法で一つ...

2021.11.30 この本を読み終えて、自分の世界に対する解像度が一段階上がった様な感覚を持った。 人間が存在するのは、自然淘汰の結果であり偶然であるのではなく、自己組織化というもう一つの側面が機能しているから。 これは、コペルニクス的転回だ。 章を追うごとに、数学的方法で一つ一つ丁寧に証明されていく自己組織化の論理。数学の楽しさも思い出した。

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2020/08/20

1076夜『自己組織化と進化の論理』スチュアート・カウフマン|松岡正剛の千夜千冊 https://1000ya.isis.ne.jp/1076.html 徐々に突然変異が蓄積するという一般的なダーウィン進化論の理解への反論、進化論への補足。 化学の触媒についての考察から反応が...

1076夜『自己組織化と進化の論理』スチュアート・カウフマン|松岡正剛の千夜千冊 https://1000ya.isis.ne.jp/1076.html 徐々に突然変異が蓄積するという一般的なダーウィン進化論の理解への反論、進化論への補足。 化学の触媒についての考察から反応が急速に進むことがあるという予想は刺激的だし発想として応用範囲が広そう。 しかしこれがより複雑な生物学的な話に適用できるかは示されていない?環境との共進化の話もよくわからなかった。

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2019/06/14

原書名:At home in the universe 宇宙に浮かぶわが家で―自己組織化と自然淘汰が生物世界の秩序を生んだ 生命の起源―単純な確率論からいえば生命の誕生はありえなかった 生じるべくして生じたもの―非平衡系で自己触媒作用をもつ分子の集団 無償の秩序―自然に生じた自...

原書名:At home in the universe 宇宙に浮かぶわが家で―自己組織化と自然淘汰が生物世界の秩序を生んだ 生命の起源―単純な確率論からいえば生命の誕生はありえなかった 生じるべくして生じたもの―非平衡系で自己触媒作用をもつ分子の集団 無償の秩序―自然に生じた自己組織化は進化する力ももっていた 個体発生の神秘―一個の卵から生物体ができる「法則」は何か ノアの箱舟―生物の多様性は臨界点の境界への進化から生まれた 約束の地―分子の自己組織化を応用すれば新しい薬を作ることができる 高地への冒険―生物や生物集団はより適した地位へと進化していく 生物と人工物―技術や経済や社会もより適した地位をめざして進化する 舞台でのひととき―生物集団はたがいに影響し合って進化し、絶滅していく 優秀さを求めて―民主主義の正当性も自己組織化の論理で説明が可能 地球文明の出現―生態系・技術・経済・社会・宇宙を貫く自己組織化の論理 著者:スチュアート・カウフマン(Kauffman, Stuart A, 1939-、アメリカ、生物学) 監訳:米沢富美子(1938-、大阪府、物理学) 訳者:森弘之(物理学)、五味壮平(物理学)、藤原進(物理学)

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2018/12/16

「自然淘汰」と「突然変異」だけでは説明のつかない生命の進化。 その進化への触媒として「自己組織化」というメカニズムが強く作用したのではないか、という主張が展開される。 600ページ近いボリューム、そしてその専門的な内容に打ちのめされそうになるが テクノロジーの進化とのアナロジー...

「自然淘汰」と「突然変異」だけでは説明のつかない生命の進化。 その進化への触媒として「自己組織化」というメカニズムが強く作用したのではないか、という主張が展開される。 600ページ近いボリューム、そしてその専門的な内容に打ちのめされそうになるが テクノロジーの進化とのアナロジーやLISPでのシミュレーションなど生物学以外の分野とも連関しているため、意外と読み手は選ばないのかもしれない。 相転移現象や適応地形など、この分野について素養がない人間でも一応なるほどと納得できる程度には説明が手厚い。 テクノロジー畑の人間は「テクニウム」「イノベーションのジレンマ」あたりとあわせて読むとよい。

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2018/06/06

コンピューターシミュレーションによる蓋然的な証明と熱い「書きっぷり」で、ぼくたちに偉大なるもの、自己組織化の法則、「神の手」の存在を信じさせてくれる本。蓋然的なので厳密に議論すると突っ込みどころはあるかもしれないが、熱くなるには十分。 1990年代の本とは思えない。 後半は応用...

コンピューターシミュレーションによる蓋然的な証明と熱い「書きっぷり」で、ぼくたちに偉大なるもの、自己組織化の法則、「神の手」の存在を信じさせてくれる本。蓋然的なので厳密に議論すると突っ込みどころはあるかもしれないが、熱くなるには十分。 1990年代の本とは思えない。 後半は応用。民主主義において分割系を採用することが理にかなっているところなど実際的な用法も書いてある。 また読み返したい。

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2017/02/18

「複雑系」に関心を持ち、手に取った本である。 複雑系とは、高度に組織化された状況では、物事を単純に足し合わせた状況では考えられないような現象が起こることである。もとより私は、経済学から複雑系に入っていったので、生命の遺伝子の事とか機械工学であるとかの知識がないので、極めて難解であ...

「複雑系」に関心を持ち、手に取った本である。 複雑系とは、高度に組織化された状況では、物事を単純に足し合わせた状況では考えられないような現象が起こることである。もとより私は、経済学から複雑系に入っていったので、生命の遺伝子の事とか機械工学であるとかの知識がないので、極めて難解であった。 生命の進化については、今もなお研究がなされているのであろう。ダーウィンの適者生存だけでは、38億年前に生命が誕生して以来、今の今まで生命が進化するまで、途方もなく小さい確率であるし、そもそも生命が誕生すること自体、同じくらい奇跡的なことだという。それを奇跡と片づけることはできず、生命が「組織化」されれば、その中で「複雑系の様相を呈する」ということを著者は言いたいのであろうと考える。 私の知識の至らなさもあろうが、とても分厚い本ではあるが、もう少し要約ができたのではないかな、と思った次第でもある。

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2015/12/20

物理的には熱力学第二の法則でエントロピーは増大する一方なのに、なぜ生命だけがエントロピーを小さくしているように見えるのかという問題について以前から不思議に思っていた。その疑問を解決するのが自己組織化だと言うことらしい。 文庫本とはいえ\1,600-、ページ数にして579ページ。か...

物理的には熱力学第二の法則でエントロピーは増大する一方なのに、なぜ生命だけがエントロピーを小さくしているように見えるのかという問題について以前から不思議に思っていた。その疑問を解決するのが自己組織化だと言うことらしい。 文庫本とはいえ\1,600-、ページ数にして579ページ。かなりのボリュームの上に内容が内容だけに読了までに結構時間がかかった。 まずはじめに、地球上の分子がなぜ有機物になったのかから論じられる。 3次元空間で単分子が分散していては有機物が生まれる可能性はほとんどないが、膜のような場所で2次元的に集合すれば触媒を介して有機物が作られる可能性が高まる。そして、大量の分子が集まれば飛躍的にその可能性が高くなる。 そして次にいろいろな有機分子が集まれば、有機分子同士が自己触媒作用で爆発的に分子が出来て、タンパク質、RNAワールド、DNAへとつながっていく。 つまり、いろいろな物質が大量に集まると触媒作用を介して自発的に自己組織化し新たなものを次々に生み出していくと言うことである。 この理論あるいは法則は簡単な数学モデルから導き出される複雑系の研究の成果と言えるだろう。 この爆発的に増える多種類の生物と自然淘汰による選別が分子から生命の進化を支えてきたという。突然変異と自然淘汰では生命の進化は説明できず、自己組織化が重要な役割を果たしているということである。 また、共進化として他の生物と共に進化し、進化は移動するポテンシャル面の最適化としてモデル化され、進化し続けるモデルとしても説明されている。 この理論はカンブリア紀の生物進化の大爆発などの生命の進化だけでなく、経済学の発展や技術の進化、民主主義の発生のゆえんにまでにも類似性を持ち、同様の数学モデルとして取り扱うことが出来るらしい。 そして、これらは生命と共にエネルギー供給を受ける開放系によく見られる現象で、カオスの縁と表現されている。 つまり、固体のように固定化された秩序と気体のようなランダムなカオスの間にあり、カオスに落ちるぎりぎりのところで秩序を保ち進化していく状況だと考えられている。 この状況は生物はエントロピーを小さくしているように見えるが、エネルギーの供給を受けた開放系として自己組織化していると言うこととして納得できる。早い話が、食うことが出来なければ死んでしまい、ばらばらになってエントロピーは増大すると言うことである。 著者は理論生物学者でいくつもの数学モデルを使いシミュレーションすることで生命の本質をあぶり出そうとしている。 しかし、研究は始まったばかりでまだまだわからないことが多い。 とにかく内容豊富で読み応えがあるが、数学モデルの説明が不十分でよくわからないところも多く、妙に情緒的文学的な表現だったりしてなかなか読むのがたいへんだったが、たいへん面白かった。 生命は全くの偶然で生まれたのではなく、かなり必然性があって生まれてきたのだという主張はある意味では安心感を与えると思う。 本書は1999年に出版されており、その後だいぶ時間が経っているので研究もだいぶ進んでいるのではないだろうか。その後の研究の成果がわかりやすい本になるのが楽しみだ。

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2017/12/17

複雑系というだけあってかなり難しかった。内容の半分も理解できてないっぽい。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou22601.html

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2014/10/04

[ 内容 ] 地球上の生物の複雑多様な進化の謎は「自然淘汰」と「突然変異」のみで語れるのだろうか?答えは「否」! 秩序ある生物世界に関しては、自然淘汰や突然変異も重要だが、これに加えて「自己組織化」が決定的な役割を担っている。 すべての秩序は自然発生的に生まれる、と自己組織化理論...

[ 内容 ] 地球上の生物の複雑多様な進化の謎は「自然淘汰」と「突然変異」のみで語れるのだろうか?答えは「否」! 秩序ある生物世界に関しては、自然淘汰や突然変異も重要だが、これに加えて「自己組織化」が決定的な役割を担っている。 すべての秩序は自然発生的に生まれる、と自己組織化理論は主張する。 本書では、この理論に則って進化の様子を丹念に読み解いてゆく。 さらにこの理論は、カンブリア紀の大爆発、生物のネットワーク、経済システムから、民主主義の生まれた所以にいたるまでを説明する。 新しい視点からの理論的挑戦でわくわくできる一冊。 [ 目次 ] 宇宙に浮かぶわが家で―自己組織化と自然淘汰が生物世界の秩序を生んだ 生命の起源―単純な確率論からいえば生命の誕生はありえなかった 生じるべくして生じたもの―非平衡系で自己触媒作用をもつ分子の集団 無償の秩序―自然に生じた自己組織化は進化する力ももっていた 個体発生の神秘―一個の卵から生物体ができる「法則」は何か ノアの箱舟―生物の多様性は臨界点の境界への進化から生まれた 約束の地―分子の自己組織化を応用すれば新しい薬を作ることができる 高地への冒険―生物や生物集団はより適した地位へと進化していく 生物と人工物―技術や経済や社会もより適した地位をめざして進化する 舞台でのひととき―生物集団はたがいに影響し合って進化し、絶滅していく 優秀さを求めて―民主主義の正当性も自己組織化の論理で説明が可能 地球文明の出現―生態系・技術・経済・社会・宇宙を貫く自己組織化の論理 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2014/10/02

生物方面の本経由で興味をもった自己組織化の分野についての最初の1冊として選んでみたんだけど……ちょっと想定されてた読者層とは被らなかった模様。ある程度わかってから全体を確認する時に読んだほうが良かったかな。具体的な内容を理解できるような本でもないし、素人向けの分野紹介ってほど華々...

生物方面の本経由で興味をもった自己組織化の分野についての最初の1冊として選んでみたんだけど……ちょっと想定されてた読者層とは被らなかった模様。ある程度わかってから全体を確認する時に読んだほうが良かったかな。具体的な内容を理解できるような本でもないし、素人向けの分野紹介ってほど華々しく書かれたものでもない。 どこかでもう一度読み返すかも。

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