かなえられない恋のために の商品レビュー
数々の恋愛小説を書か…
数々の恋愛小説を書かれている、山本文緒さんのエッセイです。『猫の古墳』『好きなタイプと嫌いなタイプ』の話が好きです。
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どのエッセイも平易な文章でさっぱりしているのにすごく優しくて良かった。書くしかないのと狭い世界、あとがきの言葉が特に好きかな。 "小説なんか書かなくても、君が好き。そう言ってくれる人はいない。いないのだ。書くしかない。私は書くしかないのだろう、きっと。" 何もしなくても手放しで全てを受け止めてくれる存在を渇望するだけでは幸せはやってこない。山を登った先の花畑を目指すために、愛されたいという強い願いを叶えるために自分を表現する。 狭いテリトリーの中で生きるのは普遍的であり、そこから抜け出せないのは後ろめたいことではない。小宇宙は内に無限に広げられるし、外の世界も自分の歩みで少しずつ広くしていくことはできる。みんな狭い世界で生きていてその世界は繋がっている。
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読みやすくて面白かった。 もう30年も前の文章だが、今と違うと感じることより、今も同じか、と感じることの方が多かった。 共感したり自分とは違うと感じたり、新しい視点をもらったり、日常の中のものを捉え直したり。エッセイの良いところがたくさんあった。 以下印象に残った話。 ・エイズ検査 もし陽性だったら、自分に残された時間が限られたものであると強烈に感じたら。自分は一体何をするだろう?という話。 ・猫の古墳 人の目を気にせず、ただ自分がそうしたいから、夜中に猫のお墓を掘る両親。 ・男の涙 自分はよく仕事で悔しい思いをしたり失恋して泣いたりするけど、男の人のそういう姿も見てみたい。 ・負けず嫌いな人 恋愛はバトルだという人がいるが、結局は自分とその相手の人間関係で、そこに勝ち負けを持ち込んでもどちらかがつらい思いをするだけ。 ・古い壺を磨き続ける 新しい本を読むより、お気に入りの本を何度も読み返す方が好き。それでいいと気づく。 ・三十歳になるまで症候群 三十歳になるまでにいろいろなことを経験しておきたい、という世間の共通認識。 同い年のハリウッドスターと自分を比較する。 若いということに油断していて、スターは山を登っているにも関わらず、自分は麓で遊んでいた。 山に登り始めないと、いろいろ挑戦しないと、その体力もなくなってしまう。 いつか山に登ってみたいと思っていたけど、どの山に登ればいいかわからないし、麓で遊んでいる方が楽しい。 だけどその差が眼前に現れた。 三十歳というのは大人で、若さを失えば代わりに魅力を得られるものだと思っていた。 若さに油断せず、挑戦していかなければならない。
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「人間は自己表現したい生き物」という表現がずーっと頭でまわっている。 相変わらずさらっと心にものすごい釘を打ってくる。 文緒さんに打たれた釘、数知れず。
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山本文緒氏が、まだいわゆる“売れっ子作家”の兆しも見せていなかった頃(言い過ぎ?でもご本人も本書の中で繰り返しそうぼやいているのだ。)に書かれたエッセイ。タイトルから想像するほど恋愛どっぷりというわけでもない。日常のこと、人生のこと、仕事のこと、などなど。私は山本文緒という人はう...
山本文緒氏が、まだいわゆる“売れっ子作家”の兆しも見せていなかった頃(言い過ぎ?でもご本人も本書の中で繰り返しそうぼやいているのだ。)に書かれたエッセイ。タイトルから想像するほど恋愛どっぷりというわけでもない。日常のこと、人生のこと、仕事のこと、などなど。私は山本文緒という人はうじうじ型で卑屈で(言い過ぎ?でもご本人も本書の中で繰り返しそうこぼしているのだ。)どちらかと言えば厭世的なのだと思っていた。しかしこのエッセイを読むと、どうやら他人をめったに否定しない人のようだ。そういう人もいる、そういう考え方もある、と認めてくれる。世の中に否定したくなることばかりの私は、ちょっとだけ反省した。 「ブラック・ティー」
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このエッセイは1993年に単行本で出版されたもので、 だから、やっぱりちょっと、今とは違う。 携帯の登場って、いろいろ変えてしまったみたいだ。 まぁ、でも、変わらないもののほうが多そうだ。 とくに人が悩む事象は、20年前も20年後も変わらんのだろう。
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若さとちょっぴりひねくれた感じ。若々しさゆえの熱っぽさ、毒づいた感じがよかった。 角田光代さんの解説「クラスメートのような感じ」、「普通であること」という言葉に納得。
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・待つのは苦手だけれど「時間を稼ぐ」「様子をみる」という 処世術が身についてきた。 ・エイズ検査を受けて人生を考え直す。 ・泣けてきたら我慢せず量目から思い切り涙を流せば鼻水が出ない! ・限られた人生の中で一冊でも多くの本を読むよりも 同じ本を何度も何度も読む方が好き。...
・待つのは苦手だけれど「時間を稼ぐ」「様子をみる」という 処世術が身についてきた。 ・エイズ検査を受けて人生を考え直す。 ・泣けてきたら我慢せず量目から思い切り涙を流せば鼻水が出ない! ・限られた人生の中で一冊でも多くの本を読むよりも 同じ本を何度も何度も読む方が好き。 ・自分の手の届く範囲でしか生きていないのは 恥ずかしいことでも悲しいことでも何でもない。 ・結婚を迷っているなら相手を養ってあげようと 思えるかどうかを考えてみる。 共感できる話も多いけれどいちゃいちゃカップルについては意義あり!笑
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著者の小説が高校生ぐらいのときに好きだったのでなんとなく読んでみた。自分を変わっているとか言う割りに、普通の価値観を妙に意識していて、面白い部分となんとなく腹が立つ部分があった。 女王様的なキャラにお供する家来が目障りで嫌いだとか、さばけた女が嫌いだとかはちょっと暴言なのでは・・...
著者の小説が高校生ぐらいのときに好きだったのでなんとなく読んでみた。自分を変わっているとか言う割りに、普通の価値観を妙に意識していて、面白い部分となんとなく腹が立つ部分があった。 女王様的なキャラにお供する家来が目障りで嫌いだとか、さばけた女が嫌いだとかはちょっと暴言なのでは・・・と思ったけど、「やばい失恋」とか「悪霊ケッコンガンボー」などは結構秀逸だった。 普通を目指す刺激的な人・・・?それが魅力なんだろうか。
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