沖縄 2 減却に抗して(第4巻) の商品レビュー
「(日本政府は)琉球王国を廃してその国家制度を滅却せしめ、風俗習慣制度等を滅却せしめようとした」と伊波普猷は書きました。この言葉を著者は、「貶められている沖縄を、回復に向けて滅却から救おうする伊波の志である」と見ます。このことからこの本に「滅却に抗して」と副題をつけています。 ...
「(日本政府は)琉球王国を廃してその国家制度を滅却せしめ、風俗習慣制度等を滅却せしめようとした」と伊波普猷は書きました。この言葉を著者は、「貶められている沖縄を、回復に向けて滅却から救おうする伊波の志である」と見ます。このことからこの本に「滅却に抗して」と副題をつけています。 いずれも沖縄に関する過去の研究からの再編ですが、二つの論考を 含みます。 I.「伊波普猷とその時代」は、沖縄学の創始者である伊波の研究を追うことで、沖縄学そのものはもちろんのこと、沖縄の歴史と思想に関しても考えを深めていく様子を見せてくれます。 II.「伊波普猷以後」では、第二次大戦後、現在にかけての沖縄の、自立に向けての思想的な発展を主題としています。伊波普猷の影響を受けながら、また一方では伊波普猷を乗り越えて生み出される戦後沖縄の思想を腑分けして解き明かしてくれます。 どちらも、これからの沖縄を考えるうえでとても勉強になりました。 あとがきの「問い続けたいこと」で著者自信が書いていることですが、著者は歴史学界では「周縁」、「周辺(性) 」に向かった者と評されているようです。このことを読んだとき、私は「わかった」ような気がしました。前の巻でも感じたことですが、この著者の視線は、女性を含む社会的弱者や抑圧されている人々に注がれます。これらの視点/視線が生まれるのは、「周縁」に向かう姿勢があるからだったのですね。
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