空で歌う の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2020/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

兄が事故で亡くなって、妻に内緒で兄の元カノと種子島へ向かう旅路。 風変わりだった兄との記憶と、隣で同じ時間を過ごす兄の元カノへの不思議な気持ち。 本を図書館に返却してしまったので詳細はこれ以上書けないのだけど、 変哲もない話で、最後和哉が元カノに夜這いして拒絶されるところも謎で、兄の死因も謎。 哲学ぽいような、広大な地球の思想もあった。

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2018/08/17

事故死した兄の,元彼女とふたりで、種子島へロケットの打ち上げを見に行く32歳の男 年上の妻の流産をきっかけに 心のやり場を失っていく青年 中編2編 どちらの「男」もじわじわと情けない

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2017/08/18

表題作と「木曜日に産まれた」の二篇。 個人的には「木曜日に産まれた」のほうが印象的。 語り手の男性の目線で描かれる、作中のまとわりつくような人の営み、匂いが読んでるこちら側にも迫ってきて気持ち悪くなった。 この著者の作品は初めて読んだけど、あまり肌に合わないかなあ。特に表題作...

表題作と「木曜日に産まれた」の二篇。 個人的には「木曜日に産まれた」のほうが印象的。 語り手の男性の目線で描かれる、作中のまとわりつくような人の営み、匂いが読んでるこちら側にも迫ってきて気持ち悪くなった。 この著者の作品は初めて読んだけど、あまり肌に合わないかなあ。特に表題作は説明のための描写が多い気がして気になった。

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2016/02/12

せつない。 そばにいるだけが愛じゃないのかなぁ。遠いところからじゃ聞こえないじゃない。 なのになんでもう忘れられないくらい頭の中にメロディ響くんだろう。 『木曜日に産まれた』も誕生日テーマのお話。 男の人は繊細なんだ。 大切な存在を想う時、孤独ではない。

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2012/08/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「空で歌う」と「木曜日に産まれた」の二編を収録。 独特のタイトルのつけ方だなあと感心したのが表題作の「空で歌う」。 事故死した兄を媒介に、その兄の元カノとロケット打ち上げ見物の旅行に出ることになった僕・弟の和哉。この変わったカップルの旅行が進行していく中、途中途中に、兄をめぐる和哉の子供時代の回想がフラッシュバックのように挿入されていく。 あっけらかんと二人連れの一泊旅行に、弟である自分を誘ってきた兄の元カノ・水野さんの気持ちが良くわからない僕。独身のふりをし、なぜか妻に出張と称して出かけてきた和哉の心理いや下心。その内的なせめぎあいが良く描かれている。 鹿児島からフェリーで向かった現地での、緊張感高まる気持ちのすれ違いがスリリング。 「木曜日に産まれた」は、妻の流産を機に、夫として男としての自分の責任について自己を突き詰めていく年下夫の話。 内容的にも、第138回(2007年下期)の芥川賞候補作となった「空で歌う」が断然良い。

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2012/06/24

表題作がとても好きだった。 兄弟/姉妹がモチーフにされたものには、思い入れができてしまうことが多い。 親でもなく、友達でもなく、恋人でもない、兄弟/姉妹。そこにしか生まれない物語に。 ただ、妻の存在が微妙に半端に感じた。帯のコピーとあってない気がする。コピーが悪い、ということか...

表題作がとても好きだった。 兄弟/姉妹がモチーフにされたものには、思い入れができてしまうことが多い。 親でもなく、友達でもなく、恋人でもない、兄弟/姉妹。そこにしか生まれない物語に。 ただ、妻の存在が微妙に半端に感じた。帯のコピーとあってない気がする。コピーが悪い、ということかもしれないけれど。

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2011/08/18

兄の影を追いかけていた。校庭に伸びた長い影は僕を手招きしていたけれど、距離は一歩ごとに離れていく。買ってもらったばかりで履き慣れていないサンダルに足をとられながら、僕はすこしずつ小さくなっていく背中を見ていた。笑っている。顔を見なくても、僕にはわかった。

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2011/05/05

変わり者で、突拍子もなくて、だから、苦手で。でもとても愛しくて、まぶしい人。 今はいない兄のこと。 兄の彼女とのこと。 不器用なやさしさを描くのが、うまい人なんだと思う。 痛さも孤独も憤りも淋しさもぜんぶひっくるめて そのまんまを描いてくれる心地よさ。

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2011/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分が創作するなら、他人を批評するようなレビュー(ネタバレ含む)は書くまいと思っていましたが、理由(後述)があり書くことにします。 この作品を読んで初めに感じたのは、『青い車』『宇宙兄弟』という二つのマンガです。よしもとよしともは、「不発」をテーマに『青い車』にキーワードを詰め込んだと私は思っています。そして、この作品もそれと同様のテーマを抱えていると感じました。 この作品は、兄の背中を追いかけていた弟が、よじ登っていたネットから落下する兄を目撃するところから始まります。そして、その兄を追いかけている自分も結局、飛ぶことはありません。 逆に飛ぶのは、死んだ金魚であり、ロケットであり、そのロケットに乗ったこの物語で最も重要な物であり、そしてライト兄弟とその父親です。 ではなぜ、ライト兄弟が登場するのか?以下を引用すれば察することができます。 「最初に島の視点を自分たちのものにしたライト氏は、ふたりだ。でも、ライト家にはぜんぶで五人の子どもがいたらしい。」「僕は、ほかの兄妹たちがどんな気持ちで生きていたのか、伝記作家が切り捨てたのであろう資料を手に取って丹念に読み込むように、しっかりと思い描くことができた。」 つまり、主人公は飛んだ方の二人でなく、飛ばなかった方の三人に感情移入している、ということです。そしてそれは、この作品全体で一貫していることです。 また、この作品には様々なキーワードが散りばめられています。 兄が『孤独』について語った2年前頃、ちょうど水野さんと別れていたこと、その別れのおぼろげな理由と、それに対する兄の言葉の真意。車内に天の川を黙って貼った兄と、ちゃんと言ってほしかったと言う水野さん、それと対比させて、黙ってある物を飛ばそうとする兄と、そんな兄が部屋に封筒を並んで二つ貼った意味。トランシーバーと携帯の対比を通して、弟のおせっかいと、兄がしてくれた気遣いの、決定的な差。 他にも煙草やタメ口や「そうでもない」という口癖や望遠鏡や装丁も含め、たくさんのキーワードがまるで天の川のように散りばめてあり、同時に説明されず空っぽに見えます。でも、「空っぽに見えるところにも作用してる」「ぜんぶがつながってる」。 その言葉が、この作品のすべてを物語っていると僕は思いました。 更に、この作品は、男の情けない性欲の部分を、いうなれば「村上春樹」を『かっこいいスキモノ(泉昌之)』テイストで書いたと思います。春樹は「フリーセックスで不特定多数とセックスした」という主旨のことをエッセイで語っており、いわゆる村上龍『69』のような童貞感を書かない作家ですが、そこが逆に泣きどころではないか、私はそこを書きたいと思っていました。正にこの作品はそれを書いたのではないか、と私は思います。 ですが、この作品には弱点もあります。それは「浮気経験のなさそうな妻帯者の主人公が、(多少のすれ違いはあれど日常的にセックスもしている)妻に黙って浮気をする。しかも相手は妻と同じようなタイプ」という設定です。浮気は当然と考えるタイプにも思えません。もし、相手が妻と全く別なタイプ、今まで会ったこともない魅力的な女性、更に妻と大喧嘩の後であれば、浮気がより自然に思えたでしょう。 以上、(本来自分が嫌いなタイプの書評を)長々と書いた理由ですが、ネットである有名な書評家たちが乱暴にこの作品を斬り捨てていたからです。私に言わせればそれは読み込みの浅い(空っぽを空っぽとしか理解できない)、書評ではなく単なる感想です。「勉強しろ。お前がむしろ作者に謝れ」と本気で腹を立てました。 でも、作者は登場人物にこう述べさせています。 「だからそんなふうに、自分から切り捨てる必要はないと思うんだ。誰もいなくてもいい、というふうに」 すでに作者はそういった批評を予想しており、すべては作者の掌の上、と考えられます。そして、以上を踏まえた上で作者の『手品師たち』を読むと、また別の意味で面白い、と私は思ったのです。(以上、この際パブーの宣伝もさせて頂きました。)

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2010/10/28

空ってタイトルについてるのに、真っ黒な装丁で。そこに惹かれた。 とても興味深いお話だった。 何回も読まないと輪郭がつかめない、感触がつかめない。 そうでもない?そうでもないのかな? 人に勧めてみたいな。落ち着いたらもう一度読みたい。 全く違う感性に触れることが出来た。

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