性的人間 の商品レビュー
生々しく嫌悪感を催す…
生々しく嫌悪感を催す程の性的描写から始まる。主人公と30代後半女性との出口のない恋愛と、破壊的行動に及んでしまう弟。大江作品の中でも代表作として知られる。
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本書を読み返すと、わ…
本書を読み返すと、わくわくする。「政治少年死す」という2部作目は、戦後言論の自由をめぐる中で取りざたされている(気がする)。
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この焦燥、衝動、猛り…
この焦燥、衝動、猛り。大江健三郎がどれ程「挑む」人物であるかを感じます。
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孤独との共存に堪えら…
孤独との共存に堪えられない人間達の物語。じっとり心に張り付きます。
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三篇入っています。ど…
三篇入っています。どれも偏向をもった人間が社会にたいしてどのように関わっていくかについて書かれていると思いました。彼等が「閉じた」集団になったとき、その凶暴性・排他性は危険なものに変わります。「セヴンティーン」は思春期の頭の中をよく描き出してくれていて、面白かったです。
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大江健三郎の初期短編3作が収録されている。痴漢、右翼、自慰行為、妄想を扱いながら実存を問うという感じ。時代の中にある作品という感じがして、いまの時代においてはやや鼻白らむ感じは否めない。登場人物が絶望しているようで、どこか希望を持っているから葛藤するわけで。 テーマはともかくやは...
大江健三郎の初期短編3作が収録されている。痴漢、右翼、自慰行為、妄想を扱いながら実存を問うという感じ。時代の中にある作品という感じがして、いまの時代においてはやや鼻白らむ感じは否めない。登場人物が絶望しているようで、どこか希望を持っているから葛藤するわけで。 テーマはともかくやはり文章は上手い。 本書に収録されているセブンティーンの後編『政治少年死す』は全集の第3巻に収録されている。
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「性的人間」「セブンティーン」「共同生活」と衝撃的な三篇収録。 特に「性的人間」「セブンティーン」は今の時代コンプラ的にもアウトだと思うが、今こうして売られている。大江健三郎さんはやはり凄い。どんなに性的な話も独特の文体で高尚な作品に仕上げる。考えてみたら滑稽な話ばかりなんだけど...
「性的人間」「セブンティーン」「共同生活」と衝撃的な三篇収録。 特に「性的人間」「セブンティーン」は今の時代コンプラ的にもアウトだと思うが、今こうして売られている。大江健三郎さんはやはり凄い。どんなに性的な話も独特の文体で高尚な作品に仕上げる。考えてみたら滑稽な話ばかりなんだけど、高尚な話を読んだ気分になって読後の満足感は最高である。 痴漢クラブって……笑っちゃうけどメチャ面白い。 人間と性と変態性、きってもきれない関係。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今回も著者の問いが感覚的にわかりやすく面白い作品集だった。 3作品に共通して、「視覚」による拘束からの、逸脱や脱走がテーマに描かれている。 現在は、監視カメラやSNS等の「視覚の権力が」強いパノプティコン的な社会だからこそ、本作のような視覚からの逃避を目指す作品は痛烈に、現代社会への問いを提示するのでは無いか。 全部面白かったな。まじで。
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表紙の怪しさや序盤の内容から嫌悪感を抱きつつも読み進めていたが、中盤から一気に内容に引きこまれ気付けば最後まで読んでしまった 読了後、自分の価値観やアイデンティティといった物が本物と言えるか、そんな事を考えさせられた 大江健三郎先生の他の作品も読んでみたい
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2021年 41冊目 「性的人間」 性的少数派の嗜好の追及を描いた作品。最初の妻を自殺に追い込んだ嗜虐的趣味のある青年が痴漢行為に傾倒する。孤独感を抱える退廃的な作風を更に冷めた目線で読んでしまうのは令和世代だからかしらん。。独り善がりで作品丸ごと自慰行為を見せられてるようで...
2021年 41冊目 「性的人間」 性的少数派の嗜好の追及を描いた作品。最初の妻を自殺に追い込んだ嗜虐的趣味のある青年が痴漢行為に傾倒する。孤独感を抱える退廃的な作風を更に冷めた目線で読んでしまうのは令和世代だからかしらん。。独り善がりで作品丸ごと自慰行為を見せられてるようで好みでなかった。 「セブンティーン」 現代において確固たる主義や思想を持ち声高に発言する人はそう多くないだろう。主人公の少年は最初左翼だが、彼の政治意識は観念的なものにすぎない。不安定な10代。ある日右翼の党首の演説を聞いて右翼活動にのめり込む。不吉な変身の瞬間。死を以て人を脅迫し自ら死に飛び込む右翼青年を形付けるのは右だけでなく左だけでもなく日本全体である。万人の実存を見つめた作品。実存と言う深みでは、政治的で道徳的な価値判断は存在しない。
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