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超・殺人事件 の商品レビュー

3.9

52件のお客様レビュー

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2022/05/12

面白くて一気読み。いずれも推理小説をとりまく、作家・編集者・評論家、そして読者を痛烈に皮肉った短編集。 最初の「超税金対策殺人事件」は東野さん自身の体験ではと思うほどリアルで笑えた。今年稼ぎすぎてしまい来年の確定申告の納税額がとんでもないことになってしまった作家が、いろいろ買っ...

面白くて一気読み。いずれも推理小説をとりまく、作家・編集者・評論家、そして読者を痛烈に皮肉った短編集。 最初の「超税金対策殺人事件」は東野さん自身の体験ではと思うほどリアルで笑えた。今年稼ぎすぎてしまい来年の確定申告の納税額がとんでもないことになってしまった作家が、いろいろ買ったものをなんとか経費に入れようと、税理士にアドバイスされるまま、ムリヤリ作品に盛り込んでいく。盛り込まれた作中作がどんどん破綻しメチャクチャになっていくので面白い。他にすべての作品に作中作があるので、なんか得した気分になった。さすが徹底的にエンタメ作家だよね。

Posted byブクログ

2022/04/15

「東野圭吾」の短篇集『超・殺人事件』を読みました。 「東野圭吾」作品は、2月に読んだ『秘密』以来ですね。 -----story------------- 新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。 どんな小説に対してもたちどころに書評を作成する...

「東野圭吾」の短篇集『超・殺人事件』を読みました。 「東野圭吾」作品は、2月に読んだ『秘密』以来ですね。 -----story------------- 新刊小説の書評に悩む書評家のもとに届けられた、奇妙な機械「ショヒョックス」。 どんな小説に対してもたちどころに書評を作成するこの機械が、推理小説界を一変させる―。 発表時、現実の出版界を震撼させた『超読書機械殺人事件』をはじめ、推理小説誕生の舞台裏をブラックに描いた危ない小説8連発。 意表を衝くトリック、冴え渡るギャグ、そして怖すぎる結末。 激辛クール作品集。 ----------------------- ブラックユーモア溢れる、以下の8篇が収録されています。  ■超税金対策殺人事件  ■超理系殺人事件  ■超犯人当て推理小説殺人事件  ■超高齢化社会殺人事件  ■超予告小説殺人事件  ■超長編小説殺人事件  ■魔風館殺人事件 (超最終回・ラスト五枚)  ■超読書機械殺人事件 以前読んだ『怪笑小説』、『毒笑小説』、『黒笑小説』を思い出しましたね。 それぞれの感想を簡単に記録しておきます。 ≪一部ネタバレあり!≫ 『超税金対策殺人事件』は笑ったなぁ。 突然売れっ子になった作家が税金のことを考えず収入を使い切ってしまい、税金対策のために、ハワイ旅行や温泉旅行、洋服代、実家の風呂や自家用車の修理代等を全て必要経費として扱う為、連載中の小説の筋を大きく変えて、小説の中に無理矢理、自分の旅行先や購入したモノを登場させていく。 北海道を舞台とするはずだった『氷の街の殺人』という物語の舞台が突然ハワイになったり、温泉になったりとムチャクチャな展開になったが、なんとか必要経費として確定申告を実施、、、 ところが大半は経費として認められず、連載も打ち切りになり、仕事の依頼もなくなるという哀しい結末でした。 『超理系殺人事件』の超理系な内容は読み飛ばしちゃいましたね。 私なら容疑者にならずに済みますね。 『超犯人当て小説殺人事件』は編集者に同情する作品でしたね。 原作者にも犯人がわからない小説の犯人当てをさせられるなんて… 殺意を抱いた編集者の気持ちもわかります。 『超高齢化社会殺人事件』は『超税金対策殺人事件』以上に笑ったなぁ。 活字でこんなに笑ったのは久しぶりです。 読書離れがさらに進み、誰も作家になりたがらず、昔の作家が九十歳や百歳になっても小説を書き続けている社会… 作家のボケが進み、同じ人物が何度も殺されたり、登場人物の女性がいつの間にか男性になったり、別なシリーズの探偵が登場したりとムチャクチャな展開に、、、 そして、ムチャクチャな展開の作品を校正していた編集者も高齢化し… 相変わらずブラックなオチでした。 読んだのが通勤電車じゃなくて自宅で良かったなぁ。 嫁さんからは冷たい視線を投げかけられましたが・・・ まぁ、通勤電車で他人から冷たい視線を浴びせられるよりはイイですよね。 『超予告小説殺人事件』は売れないミステリー作家の悲喜劇。 雑誌に連載中の小説『殺しのコスチューム』で描かれる連続殺人と類似したシチュエーションで連続殺人事件が発生、、、 そのお陰で小説は大ヒットするが、いつの間にか犯人に小説をコントロールされ始め、作家は最終回で犯人を自殺に追い込もうとするが… 編集者の方が作家よりも一枚上手でしたね。 『超長篇小説殺人事件』も笑える作品でした。 中編~長編作品を大長編作品に仕立てて話題性を作ろうとする編集者の試み… ライバル作家との競い合いがエスカレートして、遂に重量8.7キログラムの世界最重量ミステリー作品が誕生。 とても持ち歩けませんよね。 『魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚)』は3ページのショートショート風の作品。 肝心のトリックを考えずに密室殺人事件を描き、連載最終回で苦悩する推理作家… 結局、作者急逝により未完のまま連載終了、、 これしか手段がなかったのかもしれませんが、辛い結末でしたね。 『超読書機械殺人事件』は高機能読書マシン「ショヒョックス」を巡る物語。 書評や文学賞のみならず、読書って、そもそも何なんだっけ… と考えさせられる作品でしたね。 笑えて、そして、怖い… と思えるブラックユーモア溢れる作品群でした。

Posted byブクログ

2020/10/20

 随分前に、遊びが多い東野圭吾作品と教えてもらっていて、先日ようやっと見つけた。書かれているのが20年前なので若干のネタの古さはあるにせよ、これをガリレオと同じ作者が書いてるんですかー?ってなる(恥ずかしながら、ガリレオシリーズは本では読んだことはないのだが)。  メタい話だった...

 随分前に、遊びが多い東野圭吾作品と教えてもらっていて、先日ようやっと見つけた。書かれているのが20年前なので若干のネタの古さはあるにせよ、これをガリレオと同じ作者が書いてるんですかー?ってなる(恥ずかしながら、ガリレオシリーズは本では読んだことはないのだが)。  メタい話だったり、斬新な連載小説だったり、皮肉が効いていたり。文系だったので、「超理系〜」は、ほぼサーっと流して読んでいたのが正直w生物学系が少しついていけたかな。。。 追記:本の厚さで言ったら、京極先生は常連になるのでは……?!

Posted byブクログ

2020/02/05

かなり古い作品ばかり。ワープロとかテレフォンカードとか、時代を感じます。ストーリーもとっても軽くてあっという間に読めました。これも東野氏の膨大な引き出しの一つですね。最高にふわふわしたカササギ殺人事件のような印象を受けました。

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2017/06/24

小説家あるある?みたいな感じで、現実にはないだろうけど、誇張されてはいるものの、風刺が利いている作品で、どれも面白かった。 東野さんのこういうものは、初めて読んだけど、どれもさすがでした。 「この作品が肌に合わない方は読み飛ばして下さい。」とあったが、「超理系殺人事件」の展開が好...

小説家あるある?みたいな感じで、現実にはないだろうけど、誇張されてはいるものの、風刺が利いている作品で、どれも面白かった。 東野さんのこういうものは、初めて読んだけど、どれもさすがでした。 「この作品が肌に合わない方は読み飛ばして下さい。」とあったが、「超理系殺人事件」の展開が好き。

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2017/06/20

東野圭吾という作家は、小説を、建築家が図面を引くように、最初にどんな作品にするか構想し、設計図を引いてから書いていると思う。書きたいことが内から自然に出てくるのではなくて、小説の構成要素ー舞台背景とか、ミステリーの場合はトリックとか、レトリックとか、そういった作法、手順というもの...

東野圭吾という作家は、小説を、建築家が図面を引くように、最初にどんな作品にするか構想し、設計図を引いてから書いていると思う。書きたいことが内から自然に出てくるのではなくて、小説の構成要素ー舞台背景とか、ミステリーの場合はトリックとか、レトリックとか、そういった作法、手順というものが作家の脳内では体系的に整理されており、例えば、こういう組み合わせや構成ってやったことないからやってみたい、とか、これとこれを組み合わせたらきっと読者は面白がるはず、みたいなことを考えて、ある意味、研究者が実験するみたいに小説の執筆という作業をやっている、という気がする。小説家はたいていみんなそうやって書いているものなのか、よく知らない。しかし、少なくとも自分にはそういう想像はできても、そんな作業はとてもではないが、できない。もちろん、内側から勝手にストーリーが産まれて出てくる、なんていう才能もまったくない。いろんな作家が生み出してくれるストーリーを読んで楽しむだけだ。が、いろんな作家の中で、東野圭吾はちょっと自分の中では他の作家と違う気がして、ファンだし、ファンである理由はそういう作品の作り方も一つの理由になっている。

Posted byブクログ

2015/12/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミステリーと言うよりはショートショート。 ショヒョックスが毒が効いてイイ。 超税金、税務署相手の完全犯罪は滅茶苦茶に 超理系、読み飛ばし推奨なのが面白い 内容はつまらないけれどw 犯人当て、これは全う+オチもあり。 短編集なのでサクサク読む 超税金対策殺人事件 超理系殺人事件 超犯人当て小説殺人事件(問題篇・解決篇) 超高齢化社会殺人事件 超予告小説殺人事件 超長編小説殺人事件 魔風館殺人事件(超最終回・ラスト五枚) 超読書機械殺人事件

Posted byブクログ

2013/11/11

初めて読んだ東野圭吾の小説 友人が 『ガリレオ面白い』 と言っていたので、本当はガリレオシリーズを借りに行ったのだけど 地元の私立図書館にはこの『超・殺人事件』しか残っていなかった 短編集だし読みやすいかと思って、手始めに…と借りた本だったが読むほどに不完全燃焼というか消化不良を...

初めて読んだ東野圭吾の小説 友人が 『ガリレオ面白い』 と言っていたので、本当はガリレオシリーズを借りに行ったのだけど 地元の私立図書館にはこの『超・殺人事件』しか残っていなかった 短編集だし読みやすいかと思って、手始めに…と借りた本だったが読むほどに不完全燃焼というか消化不良を起こすような感覚 どうにもモヤモヤしてしまった

Posted byブクログ

2013/07/20

ナンセンスお話の短篇集。 この本については、作者の他の有名な作品のファンでも評価がわかれるのではないか?私は、とても面白いと思ったが・・・。 雰囲気としては、「世にも奇妙な物語」の題材になりそうな感じ。 東野圭吾は、こういったナンセンスな話もけっこう書いているが、全般に私は好き。

Posted byブクログ

2013/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

架空の推理小説家や編集者を主人公とした、ちょっとブラックでちょっと極端な短編集。一番最後の「ショヒョックス」の件が特にブラックユーモアが効いてて面白かったです。 東野圭吾さんの出版業に対する皮肉めいた本は他にも読んできましたが、この本が一番毒気が強いような気がしました。出版社だけでなく、読者や、それこそ小説家にも噛みつきまくってる印象です。なんか嫌なことがあったのかな?笑

Posted byブクログ