三幕の殺意 の商品レビュー
いわゆる雪の山荘もの。 尾瀬の山小屋の離れに住む男が殺され、山小屋の客やスタッフたちが雪で閉じ込められる中、犯人探しが始まる。 しかしこの被害者、よくぞここまでというくらい様々な人たちの恨みを買っている。恐喝あり詐欺あり、苛めやからかいあり。 客たちの多くは被害者に恨みや憎しみ...
いわゆる雪の山荘もの。 尾瀬の山小屋の離れに住む男が殺され、山小屋の客やスタッフたちが雪で閉じ込められる中、犯人探しが始まる。 しかしこの被害者、よくぞここまでというくらい様々な人たちの恨みを買っている。恐喝あり詐欺あり、苛めやからかいあり。 客たちの多くは被害者に恨みや憎しみを持っていて、動機だけで言えば誰が犯人でもおかしくない。さらに読み進むに連れて被害者との関係が明らかになる者も出てくるし、何と探偵役の刑事まで実は被害者に何らかの弱味を握られていた様子。つまり関係者全員容疑者という設定だ。 ここまで被害者のキャラクターが酷いと犯人探しなんてしなくても良いんじゃ…と思ったりするのだが、法的なことは置いておいてもミステリーとしてははっきりさせないわけにはいかない。 図解がいくつも出てくるが、そこはトリックには関係ない。アリバイ崩しがメインだが、昭和四十年の設定なので出来ること。同時にこれなら誰がやっても良いのでは?とも思ったりもする。しかしそれよりブラックジョークのような結末が印象に残った。 結局この被害者は何が楽しくてこんなことを繰り返していたのか。人をいたぶって苦しんだり困ったりする姿を見るのが楽しかったのか。 解説にあるもう一つのエピローグはそのブラックジョークを膨らませた形でなかなか面白かった。だが人によっては蛇足と映るかも知れない。
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タイトルから連想した『三幕の殺人』とは全く関係ありませんでしたね。佳多山大地氏のあとがきのツッコミに笑った。被害者が広く浅くの才能と知識の持ち主だという設定が生きていた。
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雪の降り積もる密室の山の旅館で起こる殺人事件。 『模倣の殺意』に続く二冊目の中町作品読破。 中後半からのスピード感やエピローグ最後三行の「ど、どひゃ〜」とため息が出る感じは非常に癖になる。中町氏は叙述トリックを得意とするとあったが、本作は「読者のミスリードを誘う」...程ではな...
雪の降り積もる密室の山の旅館で起こる殺人事件。 『模倣の殺意』に続く二冊目の中町作品読破。 中後半からのスピード感やエピローグ最後三行の「ど、どひゃ〜」とため息が出る感じは非常に癖になる。中町氏は叙述トリックを得意とするとあったが、本作は「読者のミスリードを誘う」...程ではない? ミステリー初心者としては、登場者の一挙手一投足を見るだけでなく、起こっている出来事の"仕組み(=仕掛け)"までもっとよく目を凝らさなければなぁと学ばされる作品でした。かなり面白かった。
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作者の言葉の付いた帯を読んで最後の三行に期待していたのだが、肩透かしを食った感が今も拭えない。実に皮肉な結末で、解説で蛇足的に提供されるエピローグと合わせるととても面白いのは間違いないが、期待していたどんでん返しと少しベクトルがずれていた感じがする。初冬の尾瀬の山小屋で雪に閉じ込...
作者の言葉の付いた帯を読んで最後の三行に期待していたのだが、肩透かしを食った感が今も拭えない。実に皮肉な結末で、解説で蛇足的に提供されるエピローグと合わせるととても面白いのは間違いないが、期待していたどんでん返しと少しベクトルがずれていた感じがする。初冬の尾瀬の山小屋で雪に閉じ込められた晩、殺人が発生すると言う作中の人物が指摘している通りベタな展開。だからこそ最後の三行に期待していたのだが・・・作者で少しハードルが上がっていたかもしれない。決してつまらないということはないと最後に繰り返し書いておく。
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複雑に入り乱れた人間関係と、それを傍観する謎の人物。犯人は一体誰なのか?……というより、誰が犯人でもおかしくないほど動機がわんさか。どうあってもこの人殺されてますよね(苦笑)。 真犯人とその動機、そしてその裏に隠された真相には絶句。つまりこの殺人の動機ってのは……! うわー、後味...
複雑に入り乱れた人間関係と、それを傍観する謎の人物。犯人は一体誰なのか?……というより、誰が犯人でもおかしくないほど動機がわんさか。どうあってもこの人殺されてますよね(苦笑)。 真犯人とその動機、そしてその裏に隠された真相には絶句。つまりこの殺人の動機ってのは……! うわー、後味悪いなあ。でもこういうの好きだけど(笑)。
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面白かったです。堪能できました。本格物。おいらの推理では犯人は見抜けませんでした。最後も驚きでした。脱帽です。
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最後の3行で「うひゃーー」です。 その前までは、著者自身があとがきで言っているように、まあ筋は読めます。 でも、最後にうひゃー、なので、よしとします。
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昭和40年――東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れを間近にひかえた12月初旬のこと。水芭蕉の花で有名な尾瀬沼の湖畔にある朝日小屋、その離れで、そこに住む男――日田原聖太が、その年初めての雪の降り積もる夜、何者かの手で殺された。朝日小屋にはその晩、被害者に恨みを持つ男...
昭和40年――東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れを間近にひかえた12月初旬のこと。水芭蕉の花で有名な尾瀬沼の湖畔にある朝日小屋、その離れで、そこに住む男――日田原聖太が、その年初めての雪の降り積もる夜、何者かの手で殺された。朝日小屋にはその晩、被害者に恨みを持つ男女が何人か泊まっていた。誰もが犯行は可能、と思われて、しかし犯人絞り込みの決め手はない。容疑者の一人に数えられると同時に神奈川県警のベテラン刑事、津村武彦によるアリバイ崩しが始まる。
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古きよき時代の本格ミステリといった感じ。典型的な設定が逆に新鮮で一気に読めてしまった。どこに伏線が張られているかわからない展開と、何かを隠そうとする容疑者たちとの相乗効果は抜群で、吸引力としては申し分ない。そうこうするうちに本文は終了し、エピローグに移ってしまう。この展開に呆然と...
古きよき時代の本格ミステリといった感じ。典型的な設定が逆に新鮮で一気に読めてしまった。どこに伏線が張られているかわからない展開と、何かを隠そうとする容疑者たちとの相乗効果は抜群で、吸引力としては申し分ない。そうこうするうちに本文は終了し、エピローグに移ってしまう。この展開に呆然となるのだが、それ以上に、「読者への挑戦」が挿入されていることに驚かされた。後日談とされるエピローグで果たして「解決編」が成立するのか、想像できなかったからだ。この不安は杞憂に終わり、スムーズな運びで真犯人の名が明かされる。トリックには納得したが、この長編を支えるには若干弱い気がしないでもない。作者曰く、「そのまま終わっては芸がない」ということで加えられたラスト三行は、サプライズというよりは感心させられた。シンプルではあるが、なかなか巧妙な三行である。
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≪中町信 7年ぶりの新作長編≫と謳われたら、読まなければ気が済まない。「雪に閉ざされた山小屋で殺人事件。犯人はこの中に」というド真ん中ミステリー。一般に言う、「本格」風味は確かにあるが、少し薄味か…。 期待値が大きすぎたか…。
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