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人事異動 の商品レビュー

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2016/02/16

大手商社に勤務していた主人公新井が、海外出向を拒否して、新興電子工業メーカーに転職し、栄達の道を歩むが、最後には「自らの定年」を決めてサラリーマン生活に決別するという物語。 勧善懲悪ですっきりという結末ではないが、新井の潔さに清々しい読後感を持った。しかし、新井はちょっと良い人す...

大手商社に勤務していた主人公新井が、海外出向を拒否して、新興電子工業メーカーに転職し、栄達の道を歩むが、最後には「自らの定年」を決めてサラリーマン生活に決別するという物語。 勧善懲悪ですっきりという結末ではないが、新井の潔さに清々しい読後感を持った。しかし、新井はちょっと良い人すぎる気がした。解説で指摘されていたが、善玉の典型としての新井、悪玉の典型としての本明という構図があるのだろう。そして、現実の社会では、必ずしも善玉が勝つわけはないが、それはそれでいいではないかというメッセージが込められているのであろう。 また、これも解説で触れられていたが、サンライト電子工業の社長池上やその夫人恵美子など、善玉とも悪玉ともいえない第三者の存在がこの小説を深みのあるものにしていると感じた。 新井のような決断はたぶんできないし、しようとも思わないが、新井のような誠実な気持ちを保ちつつ、また、本明のような下卑た心性に陥ることなく、うまく組織社会を渡り歩いていきたいと思う。

Posted byブクログ

2009/10/04

頭脳明晰ビジネスマン新井さんのリタイアまでのストーリー。できるがゆえに権力と嫉妬の渦に巻き込まれていく…。

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