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二葉亭四迷の明治四十一年 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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文学史では坪内逍遥よ…

文学史では坪内逍遥よりも二葉亭を評価するのが普通である。なぜか? この本は読みやすいのでお奨めします。

文庫OFF

2019/01/17

二葉亭四迷を一つのキーマンにして、明治の時代精神を描いた作品。明治二十年代~四迷が没する明治四十年辺りにフォーカスを当て、四迷の生き様を追いつつ当時の社会を汲み取っていく感じ。 ここで描かれる四迷のエピソード自体は内田魯庵の「思い出す人々」と中村光夫の「二葉亭四迷伝」から抽出組み...

二葉亭四迷を一つのキーマンにして、明治の時代精神を描いた作品。明治二十年代~四迷が没する明治四十年辺りにフォーカスを当て、四迷の生き様を追いつつ当時の社会を汲み取っていく感じ。 ここで描かれる四迷のエピソード自体は内田魯庵の「思い出す人々」と中村光夫の「二葉亭四迷伝」から抽出組み合わせたような話なので、そちらを既読の人は「二葉亭四迷の伝記」として読もうとすると新規のネタはないのでご注意を。ただ、本書はあくまで四迷はキーマンであって、各時節毎の社会世相や給与相場、物価などと絡めたり、その当時近所に住んでた樋口一葉や夏目漱石、田山花袋や国木田独歩、川上眉山、石川啄木…といった他の文豪達が当時どんな状況だったか、というのを絡めて描いてくれているので、個々の文豪毎の伝記は頭に入ってるんだけど横串で繋がってなかったところが、「ああ、四迷があの頃、この文豪はここらへんか」という理解が捗る面白さがありました。 あと、坪内逍遥とのお手紙引用が多くて、四迷の逍遥への甘えっぷりが成る程な…と思いました。

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2018/12/10

明治という新しい時代に若者は己はどう生きるべきかと激しく身を焦がす。国家の行方と己の運命を結びつけたいとする二葉亭は文学に没入することをなく、生涯ジタバタし続けたといえるだろうか。

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2013/10/20

著者も言うように、文学というよりは、歴史の本。明治後期文壇関係者に見る社会精神史、といったところでしょうか。面白く読めるし、良く調べてあるなあと感心するし、勉強になるなあ、とは思うのです。が、見てきたような嘘を書いて無理矢理自分おの描いた構図にはめ込んでいるんではないかという気に...

著者も言うように、文学というよりは、歴史の本。明治後期文壇関係者に見る社会精神史、といったところでしょうか。面白く読めるし、良く調べてあるなあと感心するし、勉強になるなあ、とは思うのです。が、見てきたような嘘を書いて無理矢理自分おの描いた構図にはめ込んでいるんではないかという気にさせられる所もあり、もう一つもの足りないのでした。

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2012/03/18

関川夏生の名を知ったのは、漫画「坊っちゃんの時代」の原作者としてだった。明治の時代の香りを立ち上らせる作品だったが、ホントに云いたいことのために、嘘を並べ立てるやり方は、矢作俊彦+大友克洋の「気分はもう戦争」に似ている。共に週刊アクションに連載されたものだし。 坊っちゃんの時代、...

関川夏生の名を知ったのは、漫画「坊っちゃんの時代」の原作者としてだった。明治の時代の香りを立ち上らせる作品だったが、ホントに云いたいことのために、嘘を並べ立てるやり方は、矢作俊彦+大友克洋の「気分はもう戦争」に似ている。共に週刊アクションに連載されたものだし。 坊っちゃんの時代、第二部の「秋の舞姫」の冒頭で長谷川辰之助二葉亭四迷がベンガル湾の航路中に眠るように没したシーンが印象的に描かれた。そして関川さんは、本当に書きたいのは四迷のことと、何処かに書かれていた。爾来、いつか書かれる著作を待っていた。ところが、10数年前に出版されているのに、迂闊なことに気付かないでいた。自分を罵倒しつつ、本を開く。 四迷や一葉、独歩がまるで谷口ジローの漫画のように、生き生きと映し出される。近代人としての自我のため、新しい日本語の文章を生み出した四迷。しかし、小説家として進もうとしなかった人。憂国の人、完全主義の人、自己嫌悪の人、放蕩の人、孝行の人。煩悶の中に命を削っていった人。独歩にとって風景は「めでる」ものではなく、自分の淋しさを映し出すものとある。四迷の翻訳がその内証的な描写に影響を与えているという。「武蔵野」は高校の時分に読んだが、全然判っていなかった。橋本治「江戸にフランス革命を」の浮世絵師、井上安治のことを思い出し、近代が風景を発見したということを考える。そんな読み飛ばせない箇所があちこちにあって、時間のかかる読書だった。 二葉亭四迷が四迷であることは、難しいことであるように、関川夏生が関川夏生であるのは、シンドイことなんだろうなと、理由もなく思えた。ともかく、この人についていこうと思う。

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2010/10/29

飄々と時代を生きたのが二葉亭四迷の生涯だったことは有名ですが、飄々に生きるとは、デラシネを気取るのではなく、力強く生きぬくこと。そして大切なのはそれを覚られてはだめなこと。その歩みを丁寧に紹介してくれる一冊。樋口一葉の時代から日露戦争へと至る明治人の庶民史と読むことも可能。石光真...

飄々と時代を生きたのが二葉亭四迷の生涯だったことは有名ですが、飄々に生きるとは、デラシネを気取るのではなく、力強く生きぬくこと。そして大切なのはそれを覚られてはだめなこと。その歩みを丁寧に紹介してくれる一冊。樋口一葉の時代から日露戦争へと至る明治人の庶民史と読むことも可能。石光真清の写真館(満州)も出てきてワクワクしますよ。

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2009/10/04

「明治の時代精神を描く」と謳われていてもここに書かれているのは二葉亭四迷のたんたんとした人生です。「たんたん」ではないのですが、関川さんの手にかかるとなんでも「たんたん」と見えてしまうのです。

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2009/10/04

去年の夏(2003)、「浮雲」のレポート作成の為に取っつきやすいところから、と。小説ですね。マンガもあります。双葉文庫から出てます。作画は谷口ジロー

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