岩波講座 現代社会学(22) の商品レビュー
メディア論および情報社会論のテーマをあつかった論文11編が収録されています。 石田佐恵子の論文「メディア時代の〈現実〉探しゲーム」は、メディアによって「現実」が構成されるとともに、そのうちにわれわれが巻き込まれてしまっているという問題を明らかにしています。こうした問題意識は、「...
メディア論および情報社会論のテーマをあつかった論文11編が収録されています。 石田佐恵子の論文「メディア時代の〈現実〉探しゲーム」は、メディアによって「現実」が構成されるとともに、そのうちにわれわれが巻き込まれてしまっているという問題を明らかにしています。こうした問題意識は、「再帰的近代」についての議論がさかんにとりあげられている現代にまで通じる射程をもっているように感じられます。 これに対して花田達朗の論文「公共性とマスメディアのアムヴビヴァレンツ―ハーバーマスにおける非決定論」は、ハーバーマスの規範的な社会哲学をみちびきの糸にして、情報空間における「公共性」を立ち上げる可能性が論じられています。 そのほか、哲学や科学哲学を主要なフィールドとして数多くの著書を刊行している森岡正博や、琵琶湖の環境保全運動に取り組み現在は政治家として活躍している嘉田由紀子などの論考も収められています。
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