空中ブランコ の商品レビュー
作中の患者と同じ様に、不思議な感覚に成りながらいつの間にか読み終わってしまう作品。 作者の奥田さんは天候や季節の描写を使って人物の心境を書くのが上手いと思う。想像がし易かった。 一作品目も読んでいるからか、女性作家さんの話で「伊良部も神妙な顔をしている」みたいな描写が有ったが…、...
作中の患者と同じ様に、不思議な感覚に成りながらいつの間にか読み終わってしまう作品。 作者の奥田さんは天候や季節の描写を使って人物の心境を書くのが上手いと思う。想像がし易かった。 一作品目も読んでいるからか、女性作家さんの話で「伊良部も神妙な顔をしている」みたいな描写が有ったが…、先生、あんたそんな表情出来るんかい!と思ってしまった。(笑) もちろん、3作品目も読みます。
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伊良部先生シリーズ2冊目。相変わらずな展開だけれども前作よりも患者さん達の心理描写がリアルで一緒に手に汗握る気持ちになった。あと、伊良部先生に慣れてきた自分がいる。人間は些細なことで壊れて些細なことで治る。あまり深刻になりすぎないことも大切なんだと自分に言い聞かせた。 私の頭の中...
伊良部先生シリーズ2冊目。相変わらずな展開だけれども前作よりも患者さん達の心理描写がリアルで一緒に手に汗握る気持ちになった。あと、伊良部先生に慣れてきた自分がいる。人間は些細なことで壊れて些細なことで治る。あまり深刻になりすぎないことも大切なんだと自分に言い聞かせた。 私の頭の中では、伊良部先生はムロツヨシさんです。 次の作品もぜひ読みたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
精神科医伊良部シリーズ 空中ブランコが出来なくなったサーカス団員、投げ方がわからなくなった野球選手、義父のカツラが気になって仕方ない大学講師、筆が進まなくなる不安を抱える作家… 伊良部は精神科医の大切なところをわかってる、ドタバタっぽい作品だけど私は好き。こんな自由奔放な空中ブランコに怯えない人、かわいくて、困った人だとも思うけど身近にいたら楽しいかも。精神科にかかったことはないが、こんな先生だったら敷居が低くなる。 最後に、作家にマユミちゃんが言うことがステキ!マユミちゃんも好き。 楽しい時間を過ごせた、ありがとう!
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トンデモ精神科医・伊良部一郎シリーズ2作目。どの話も面白かった。自分の悩みとかも自然に治してくれそうな読後感。「空中ブランコ」の最後では思わず吹き出してしまった。
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ミルクボーイのネタのように毎話パターンは決まってましたが、どのエピソードもそれなりに納得のいく終わり方で面白かったです 私自身ももっている心の中のややこしい部分、どのように付き合っていくのが良いのか、少し参考になった気がします
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5人の患者それぞれの短編集のような感じ。 最近、こまぎれ読書が増えたので短編集が丁度良いです。(本来は、大の長編好きです!) 患者側の視点で描かれているので、伊良部が何を考えているのかは謎ですが、伊良部の変なペースに巻き込まれているうちに、いつのまにか気持ちが楽になっていく… ...
5人の患者それぞれの短編集のような感じ。 最近、こまぎれ読書が増えたので短編集が丁度良いです。(本来は、大の長編好きです!) 患者側の視点で描かれているので、伊良部が何を考えているのかは謎ですが、伊良部の変なペースに巻き込まれているうちに、いつのまにか気持ちが楽になっていく… 読んでいる私も気持ちが晴れていくようで、楽しい読書時間になりました。 自分の立ち位置が、何かに脅かされる時、今の生活が、何かに抑圧された状態の時、神経症に陥る可能性は誰にでもありそう。 この作品の中の5人、目の前の霧が晴れてきて、ちょっと明るい気持ちになる感じが良かったです。
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現代病、多くはストレスからくる精神科的な身体不調が多い。苛立ち、癇癪、鬱憤などが何かの拍子に爆発する、そんなケースを取り上げた精神科医との治療処方がコメディ的で面白い小説だ。現実、会社・人間関係から鬱を発症、重症的なストレス解消には転職が一番だと、思う。同じ環境でひと時の休息だけ...
現代病、多くはストレスからくる精神科的な身体不調が多い。苛立ち、癇癪、鬱憤などが何かの拍子に爆発する、そんなケースを取り上げた精神科医との治療処方がコメディ的で面白い小説だ。現実、会社・人間関係から鬱を発症、重症的なストレス解消には転職が一番だと、思う。同じ環境でひと時の休息だけでは気分転換も病への処方には大きな改善は起きない。それだけ最近の身体的心の不安定は複雑化した人間関係を作り出しているからだ。自己主義、利己主義などで思いやりを持たなくなった社会になったのだ。
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精神科医の伊良部先生シリーズ第2弾! 相変わらず伊良部先生がハチャメチャで、ちゃんと患者さんの治療する訳ではなく、色々巻き込んでいく短編集。 読みやすくサラッと読了。 ちょっとした空き時間に最適です。
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「イン・ザ・プール」に続く伊良部先生シリーズの第二弾。今回も面白かった!伊良部先生は奇妙奇天烈だけど、患者さんたちの症状は他人事ではなくて、なんだか切なくなったりホッとしたりします。標題の「空中ブランコ」と「女流作家」が特に好きかな。シリーズ続編の「町長選挙」もこのあと続けて読む...
「イン・ザ・プール」に続く伊良部先生シリーズの第二弾。今回も面白かった!伊良部先生は奇妙奇天烈だけど、患者さんたちの症状は他人事ではなくて、なんだか切なくなったりホッとしたりします。標題の「空中ブランコ」と「女流作家」が特に好きかな。シリーズ続編の「町長選挙」もこのあと続けて読む予定!たのしみ!
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現代の悩める人々に寄り添う短編形式の小説。奇妙で陽気な精神科医である伊良部のもとに、先端恐怖症のヤクザ、アンガーマネジメントが課題のサーカス師、生みの苦しみに悩む女性作家など、多くの人が訪れて悩みを克服していく。そこで見せられているのは、決して無理な治療や強引な薬物療法ではなく、...
現代の悩める人々に寄り添う短編形式の小説。奇妙で陽気な精神科医である伊良部のもとに、先端恐怖症のヤクザ、アンガーマネジメントが課題のサーカス師、生みの苦しみに悩む女性作家など、多くの人が訪れて悩みを克服していく。そこで見せられているのは、決して無理な治療や強引な薬物療法ではなく、悩みの元となる思想や、固定観念に患者自らが向き合う機会を提供する伊良部式のメソッドである。結局、人の成長は困難や苦しみと逃げることや目を背けることではなく、正面に向き合うことから得られる、というのは、この小説を高次に解釈し過ぎだろうか。答えだけを求める現代社会に、曖昧な形で問いを立てるような、そんな優しい作品であると感じた。
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