暴力はどこからきたか の商品レビュー
標題よりも帯の「私達はどのようなサルなのか」がしっくりくる内容でした。サル達の性と食をめぐる葛藤の、それぞれの方法による解決が提示されます。また解決方法の分類が発情の表出、群れ構成、食物等何と関連するのかを分析し、人間の社会が原初どのように構成されていったのか考えることで人間の特...
標題よりも帯の「私達はどのようなサルなのか」がしっくりくる内容でした。サル達の性と食をめぐる葛藤の、それぞれの方法による解決が提示されます。また解決方法の分類が発情の表出、群れ構成、食物等何と関連するのかを分析し、人間の社会が原初どのように構成されていったのか考えることで人間の特色と争いの解決の糸口を探るような流れで、後段の暴力に直接かかる部分は分量としては少なかったです。少し前の本になるのでサル学の最新研究についても調べたくなりました。
Posted by
★★★★★ 定価で買う価値あり タイトルの『暴力』よりも霊長類とヒトの相違点を挙げ、比較していくことが主。利他行動や性の関係(ペアかハーレムか、性皮の有無など)に関することが多く、かなり興味深かった。 戦闘に陥りそうな際の緊張の緩和方法をどの種も持っているというのは面白かった。...
★★★★★ 定価で買う価値あり タイトルの『暴力』よりも霊長類とヒトの相違点を挙げ、比較していくことが主。利他行動や性の関係(ペアかハーレムか、性皮の有無など)に関することが多く、かなり興味深かった。 戦闘に陥りそうな際の緊張の緩和方法をどの種も持っているというのは面白かった。 また、ヒトの、所有を徹底的に避けるという分配の仕方はもっと知りたいと思った。
Posted by
おもしろかった!思ってた内容と全然違って、ほぼ様々な原猿類の生態(の違い)の話だったけどそれが興味深く、読みやすくてさらさら読んだ。群れの中での父性のあり様によって暴力性も異なるとか、自子孫繁栄のための子殺しとかカニバリとか、メスの生存戦略とかとか。ゴリラチンパンジーヒヒオランウ...
おもしろかった!思ってた内容と全然違って、ほぼ様々な原猿類の生態(の違い)の話だったけどそれが興味深く、読みやすくてさらさら読んだ。群れの中での父性のあり様によって暴力性も異なるとか、自子孫繁栄のための子殺しとかカニバリとか、メスの生存戦略とかとか。ゴリラチンパンジーヒヒオランウータンなど各種の原猿類がどう暴力を受け入れているか(避けているか)を比較した終章がほんとにおもしろくて怖い。人間はオランウータンになれず子殺しを続ける
Posted by
面白い。攻撃性をめぐる話から食、性、育児や序列、子殺しなど。子守唄でコントロールする云々はもうちょっと深掘りして話してほしいなと思った。
Posted by
殺戮は本能じゃない 祖先を大切に思うなら他人の祖先も大切にしないとな 生あるものとして寛容をもって接する方法を考えるということはクリエイティブ!音楽、対面してのコミュニケーション(言語、非言語)、共同での育児、食事は手段
Posted by
山極先生、3冊目。 今までの中では、一番、腹に落ちた。 食と性が群れの原点にして、暴力の起動装置。 けれど、戦争は本能に由来する暴力じゃない。 そこには、家族の形成が関わっている。 群れが家族という新しい形態を備え、かつ、農耕の発達によって際限なく膨張し、家族間のつながりが民族を...
山極先生、3冊目。 今までの中では、一番、腹に落ちた。 食と性が群れの原点にして、暴力の起動装置。 けれど、戦争は本能に由来する暴力じゃない。 そこには、家族の形成が関わっている。 群れが家族という新しい形態を備え、かつ、農耕の発達によって際限なく膨張し、家族間のつながりが民族を産み出すことで戦争は生まれた。 戦争は、生き延びるために止むを得ず行われる暴力ではなく、家族という人間固有の形態に伴う家族の絆、そして、それが拡大して生まれた民族の絆を守るためのものであるらしい。 つながり合うことは、往往にして、つながっていない人、つまり、「外」を作る。「外」から「内」を守ることが戦争の大義名分になる。 と、するならば、戦争の無い世界を目指すならば、残念ながら、一見、善いもののようにみえる家族や民族の絆が「外」という仮想敵を常に作り出す危険な装置なのだということを忘れないようにすることが、まず、必要なことだろう。 絆が過剰に叫ばれる時代だからこそ、盲信や盲目、思考停止に気をつけなければ。
Posted by
暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る (NHKブックス 1099) (和書)2011年04月01日 20:47 山極 寿一 日本放送出版協会 2007年12月 柄谷行人さんの書評で読むことにしました。 刺激的な内容だった。人間について考えるのに役立ちます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
◯人間の暴力を、類人猿を参考として、原初の人間に遡って考えてみるという一風変わった一冊。ただ著者が山際先生だと思えばさもありなんといった感じである。 ◯動物を研究している人にしてみれば当たり前なのかもしれないが、同種で死ぬまで戦うのは人間だけのようだ。ゴリラの群れ同士の衝突でもあり得るが、それはトドメをさすわけではないし、子殺しは環境的要因がかなり関わっているように読める。 ◯しかし、振り返って、人間の悲しいことか。ゴリラもチンパンジーもボノボも、その社会形態の中に暴力を止める手段が仕組まれている。人間社会でも同様にセーフティはあるのだが、一歩間違えば人間が全滅するほどの暴力だと思えば、止める手段は心許ない。不確定要素も多すぎる。 ◯この本では、暴力の解決策は教育とされている。教育は人間に特有だということで、その点も霊長類学者としての研究が感じられる。もちろんそうだと思うのだか、そうでない気もする。虐待や暴力は負の連鎖であり、教育でなんとかするのはかなり骨が折れる。人間にとっての何百万年かかかる進化の余地なのだろうか。暴力を止める教育も定着するのだろうか。この膨大な時間に失われる命を思えば切ない。
Posted by
一口に猿と言っても、色々な種類と生態があり、食事と生殖に関連して、その文化の違いが顕著になる。動物は長い時間をかけて進化をし、より殺し合いを減らし、協力を増やしてきた。 しかし、なぜ人間だけが「俺たち所詮猿だから」と言い訳し、文化的な振る舞いを捨て、退化とも思えるような行動をする...
一口に猿と言っても、色々な種類と生態があり、食事と生殖に関連して、その文化の違いが顕著になる。動物は長い時間をかけて進化をし、より殺し合いを減らし、協力を増やしてきた。 しかし、なぜ人間だけが「俺たち所詮猿だから」と言い訳し、文化的な振る舞いを捨て、退化とも思えるような行動をするのか。
Posted by
霊長類の生態が7割、人間の特徴に焦点を当てているのは1章と3章の後半。 内容としては興味深く文章も読みやすいので、その部分を読んで興味があれば他の部分にも手を出してみては。
Posted by
