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国家論 の商品レビュー

3.8

19件のお客様レビュー

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2011/05/10

消化できでいないところは多々あるが、重要な事が書かれていると思う。 【国家はその本質において暴力的。】 国家は必要悪です。社会による監視を怠ると国家の悪はいくらでも拡大します。 【国家の実体は、税金を取り立てることによって生活している官僚です。】 善意で良き社会を組み立てよう...

消化できでいないところは多々あるが、重要な事が書かれていると思う。 【国家はその本質において暴力的。】 国家は必要悪です。社会による監視を怠ると国家の悪はいくらでも拡大します。 【国家の実体は、税金を取り立てることによって生活している官僚です。】 善意で良き社会を組み立てようとしても、人間のやることには構造悪がつきものなので、やがてたいへんグロテスクなものになってしまう。 自分は悪を行うことはないという確信を持っている人間は、悪のセンサーシステムが麻痺してしまうため、とんでもない巨悪を行う。 【狩猟採取の時代には定住がなく、国家は存在しない。】 近代になって主権国家という病理が出現しました。ひとたび主権国家が登場すると、自らも主権国家とならない限り、領域内を他の主権国家が侵犯する。即ち植民地にされてしまうわけです。 【「社会とは何なのか」というとそれは人間の共同体・ネットワークです。】 産業社会の段階では、社会は資本主義と相性が良い。そのため、社会を放置しておくと、必然的にとんでもない格差が出てくる。そして社会は、資本の増殖だけを中心に動き出すようになる。これを国家の暴力によって押さえようとしても、結局はうまく行きません。国家官僚が肥え太って、社会から収奪していくだけのことでしょう。 【現下の日本経済の実践的な提言は、時間を稼いで、資本主義的な発想から抜け出して国家に依存しない共同体を作っていくこと。】 国家と対峙したとしても、相互扶助で食べていく事ができるアソシエーション(国家に依存しない共同体)。一九七〇年代のローマクラブの提言以降、この下位集団の価値が改めて強調されます。産業社会の暴走を止めるには、自給自足する下位集団のネットワークが複数必要です。 白樺派やガンジーやスローフード運動などともつながってくるのではなかろうか。

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2011/03/26

資本論研究書と神学論を中心に社会と国家を読み解く。国家の本質は暴力であり、この暴走を抑えるためには社会が国家に圧力をかけないといけない、と言う結論。あまりに難解すぎて理解できない所が多々あり、重要そうな所をメモするので精一杯。日本の将来への示唆に富んだ一冊。 以下、メモったとこ...

資本論研究書と神学論を中心に社会と国家を読み解く。国家の本質は暴力であり、この暴走を抑えるためには社会が国家に圧力をかけないといけない、と言う結論。あまりに難解すぎて理解できない所が多々あり、重要そうな所をメモするので精一杯。日本の将来への示唆に富んだ一冊。 以下、メモったとこ ・「思想」と「国家」は暴力を秘めている。極端にいえば、その二つは人を殺す、ということ ・労働力の商品化 ・トートロジー(同語反復) ・社会への国家の介入 ・日本ではなぜ技術革新がおきないのか ・ニートに対する救貧院の出現 ・ナショナリズムの発生要因 ・皇帝の物は皇帝に…のくだり ・左翼右翼の筆者の見解 う~む、難解であった。国家論を語るのに神学が出てくる。明治時代の憲法起草のときにドイツ系の憲法を参考にしている。とすると、国家を考える時には、そのドイツ系憲法のもとになった思想、神学を知っておかなければ国家というものは見えてこない。 つまり…残念ながら今の俺の頭では到底理解できんということだよ。

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2010/11/14

今しがた、保育園の夏祭り後の、親睦会から帰ってきたところだ。 参加者が50名を超え、子供も当然参加でたいへんなもりあがり・騒ぎだった。 保育園の年中にあたる年齢の組は20人が定員なので、 半数の子どもと、その両親か母親が来たことになる。 子どもたちから目が離せずとてもつかれたが、...

今しがた、保育園の夏祭り後の、親睦会から帰ってきたところだ。 参加者が50名を超え、子供も当然参加でたいへんなもりあがり・騒ぎだった。 保育園の年中にあたる年齢の組は20人が定員なので、 半数の子どもと、その両親か母親が来たことになる。 子どもたちから目が離せずとてもつかれたが、親同士の交流が深まってよかった。 佐藤優著の表題の本を読んだ。 大学時代に勉強していないので、思想に関する著書は不慣れである。 ゆえに、特に免疫がなく、ふんふんなるほどと、読み進めてしまう。 以下のリンクは、池田信夫氏のブログであり、最近よく読んでいるが、 真っ向否定である。 http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/b0484c361bb6195f6feee22abfc3e064 自分の力不足を大いに認識したうえで、抜き書きをしてみる。 まえがきから、いきなりガツンとやられた、 「国家は、その本質において暴力的なので、」p.9。 学問のどこかには引っかかるような方法を使いながら、 なおかつ制度的な知の体系からも離れてもギリギリのところで心理を掴む。 官僚の暴力性、官僚のきれい好き、官僚の排除の論理、官僚の公民の内面への干渉― こういったものが必然的に生まれてくるのが9.11以降の世界。p.48 国家の実体は、税金を取り立てることによって生活している官僚。p.51 >>ここのくだりはかなりショックを受けた。   かたや「法人」の実態は、やはり「職員」なのだろうか。 当座は、ケインズ経済学を支持することになる。p.126 累進課税制を採用して低賃金の労働者をなだめながら、 ある程度のインフレを起こす。名目賃金は少し上げるか、 減らないようにして、実質賃金を下げていく。しかし、生産が高度化して、 商品の価格がもっと安くなっていけば、実質賃金が下がっていても、 人間の欲望はとりあえず満たすことができる。 >>昨今というかこれまでの自民党の政策なんだろうな。 構想力は、古の時代の伝承の中から、 理想的なイメージを組み立てた方がいい。 >>賢者は歴史に学ぶ。 マルクス経済学の核心は、労働力の商品化。 労働力商品の対価は、賃金。 実際にその仕事に得られるところの剰余価値は資本家に属する。 >>うーん。これではとらえ方によっては賃金分働けばよいと思ってしまうなあ。 スターリンによる、民族とは、言語、地域、経済生活、文化の共通性からあらわれる 心理状態、の共通性を基礎として生じたところの、歴史的に構成された、 人々の堅固な共同体。である。p.152 社会・国家における階級は、資本家・労働者・地主・官僚の4つ。 国家の役割としては、技術革新を促すことが必要。 それにより資本家が利潤を多く取り、国家も収奪の可能性が増える。 技術革新は、具体的には、理科系の教育のサポートであり、 科学技術の力で生産手段の更新、改善に貢献できるようサポートする。 >>なるほど、だから私学助成にも、理科教育振興の補助金や、 産業教育振興の補助金があるのかな・・・ 前掲のブログには散々に書かれているが、 とっかかりとしては、とても読みやすい本だと思う。

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2010/05/31

 インテリジェンスとして、実務に携わっていた著者ならではの、切れ口の鋭い問題提起だと思う。神学を応用して国家論を語るという独自の手法を用いてるため、やや閉口するかもしれないが、ぎりぎりのところで、整合性を保っているという印象だった。新たな示唆・考え方を読者に与えてくれる点で価値が...

 インテリジェンスとして、実務に携わっていた著者ならではの、切れ口の鋭い問題提起だと思う。神学を応用して国家論を語るという独自の手法を用いてるため、やや閉口するかもしれないが、ぎりぎりのところで、整合性を保っているという印象だった。新たな示唆・考え方を読者に与えてくれる点で価値がある。

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2013/11/10

ソ連ではユダヤ人が力をつけすぎて、第二次大戦に勝利した。それを恐れたスターリンはバランスをとるためにユダヤ人粛清をしてイスラエルへの移民が大量に増えた。 キリスト教的視点から色々と分析していて良い。読み応えがある。

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2009/10/04

キリスト教・マルクス経済学について詳しい知識を理解することができる。過去の著作からもわかるように、書き手のうまさがよくわかる一冊だと思う

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2009/10/07

ナショナリストは、自らの受けた痛みは強く感じ、いつまでも覚えている。それに対して、自らが他者に対して与えた痛みは弱く感じ、すぐに忘れてします。認識の非対称性がある訳です。慰安婦問題とか歴史認識の問題、あるいは広島の原爆の問題についても、そういう状況が起きてしまう。  国家は暴力的...

ナショナリストは、自らの受けた痛みは強く感じ、いつまでも覚えている。それに対して、自らが他者に対して与えた痛みは弱く感じ、すぐに忘れてします。認識の非対称性がある訳です。慰安婦問題とか歴史認識の問題、あるいは広島の原爆の問題についても、そういう状況が起きてしまう。  国家は暴力的である。  国家に頼らずに、お互いでたすけあっていける団体がある。国家に対する異義申し立て運動をして、国家に圧力を加えられたとしても、自分たちの中で充足して、生き延びて行くことができる。そのようなネットワークが複数ないと行けません。これが国家の暴走を阻止し、民主主義を担保するのです。

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2009/10/04

 国家は弱くなればなるほど剝き出しの暴力に依存する。   弱体国家日本を強化するためにはまず、社会を強化すべきであるという提言。  この論理でいうと、昨今の市民陪審員制度は、ますます国家を弱体化するんじゃないの???

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2009/10/04

本書は「外部から国家を語る」というスタンスを貫いた上で、しかし理論に偏らず、今まさに生じている具体的な政治や社会、経済の局面をつねに参照しながら、理論的かつきわめて実践的に、国家の現場に切り込む国家論を作り出している。 http://d.hatena.ne.jp/hachiro8...

本書は「外部から国家を語る」というスタンスを貫いた上で、しかし理論に偏らず、今まさに生じている具体的な政治や社会、経済の局面をつねに参照しながら、理論的かつきわめて実践的に、国家の現場に切り込む国家論を作り出している。 http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20080227#p1

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