1,800円以上の注文で送料無料

海の上のピアニスト の商品レビュー

4.3

9件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    2

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/03/07

映画で有名な『海の上のピアニスト』 実は一人芝居戯曲だったんですね。 生涯船を降りることのなかった天才ピアニスト・ノヴェチェントの物語を、 親友のトランペット吹きが物語る、という作りで展開されるのですが、 これがもう、美しく、無駄がなく、惚れ惚れします。 客席との距離の取り方の...

映画で有名な『海の上のピアニスト』 実は一人芝居戯曲だったんですね。 生涯船を降りることのなかった天才ピアニスト・ノヴェチェントの物語を、 親友のトランペット吹きが物語る、という作りで展開されるのですが、 これがもう、美しく、無駄がなく、惚れ惚れします。 客席との距離の取り方の自在さ。 お、話しかけられてる、と親しみを覚えると、 ぐっと物語の世界に籠もり客席を引き込み、 1エピソード終わり、どうでしたか、 という具合に、鮮やかな語り口。 豪華客船の中に捨てられた子供が、一度も陸に足を着けることのない、文字通り 「海の上のピアニスト」になるという奇抜なストーリーですが、この信頼できる語りの前で、これは本当の出来事である、という感が増してきます。 嵐の中の演奏、挑戦してくるジャズピアニスト、陸に踏み出す決意、親友の下船などのエピソード展開も素晴らしく鮮やかで、そして哀しい。 ラスト、語り手がノヴェチェントとなり、思い出を凍結させていくモノローグのなんと美しく、なんと哀しいことか。 一人芝居スキーとしては、いつか上演してみたい物語なのです。 一人芝居でなくてもやり方が色々ありそうで、楽しい戯曲。どうやら貴重な本になりつつあるらしいので、本屋さんで見つけたら即ゲットをオススメします。

Posted byブクログ

2021/09/01

自分にとっての「海の上」とは何かな?そんなことを想像しながら読んだ。たくさんの夢があるところ。そんな夢に縛られてしまうところなのかもしれない。

Posted byブクログ

2020/02/09

小説っぽくあり、戯曲っぽくあり、今までに読んだことのない本。ちょっと回りくどかったりもするが、情景がスッと心に入ってくる独特の文体は、結構好みだった。 ノヴェチェントという人間に、すっかり魅了された。ノヴェチェントが限界を感じつつも自分の生き方を悟って、最終的に死を選ばざるを得...

小説っぽくあり、戯曲っぽくあり、今までに読んだことのない本。ちょっと回りくどかったりもするが、情景がスッと心に入ってくる独特の文体は、結構好みだった。 ノヴェチェントという人間に、すっかり魅了された。ノヴェチェントが限界を感じつつも自分の生き方を悟って、最終的に死を選ばざるを得なくなるが、不完全でも美しい生き方だと思った。 今までは自分の足りないピースを探して埋めるために本を読んでいた感じがあったけど、足りないピースを必ずしも埋める必要はない、不完全な美しさを大事にしようと素直に思えた。

Posted byブクログ

2017/11/20

これは素晴らしい。パスタの名前くらいでしかイタリア語は知らないけど、さぞ美しい文章が描かれているであろうことは想像に難くないし、それを活かしきった翻訳が絶妙。いやホントに素晴らしい。物語自体も、船で生まれて船とともに亡くなったピアニストの生涯を劇的に紡いでいて、静かな感動をもたら...

これは素晴らしい。パスタの名前くらいでしかイタリア語は知らないけど、さぞ美しい文章が描かれているであろうことは想像に難くないし、それを活かしきった翻訳が絶妙。いやホントに素晴らしい。物語自体も、船で生まれて船とともに亡くなったピアニストの生涯を劇的に紡いでいて、静かな感動をもたらせてくれる。きっと映画版も観たと思うんだけど、情けないことにあまり記憶にない。結局観れずじまいだったかな?でもこれはもう一度観なきゃです。バリッコの他の作品も読んでみたい。1時間足らずで読んでしまえるくらいの中編だけど、この素敵さは筆舌に尽くしがたい。貴重な読書時間を有難うございました。ちなみにこれもやはり”百年の誤読”から。

Posted byブクログ

2015/01/25

好きな映画の原作。 すぐに読める厚さだけど、これを読むと映画の内容もより理解しやすくなった。映像も良いけど、文字として味わうのも良かった。

Posted byブクログ

2014/11/02

一人のピアニストの生き方というよりは一人の人間の生き方が鮮明に描かれている。 主人公の言った言葉に「何かいい話を片隅に持っているかぎり、そして、それを語る相手がいるかぎり、人生まだまだ捨てたもんじゃない」とあるがこの言葉を聞いて主人公が本当に幸せに感じていたのはピアノを弾くことで...

一人のピアニストの生き方というよりは一人の人間の生き方が鮮明に描かれている。 主人公の言った言葉に「何かいい話を片隅に持っているかぎり、そして、それを語る相手がいるかぎり、人生まだまだ捨てたもんじゃない」とあるがこの言葉を聞いて主人公が本当に幸せに感じていたのはピアノを弾くことではなく人と繋がっているときだと感じた。映画のサウンドトラックを聴きながら読むと映画に入りこんだようで面白い。 ピアノが好きな人にはぜひ読んでもらいたいです。

Posted byブクログ

2012/12/07

◆なぜピアニストは船を降りなかったのか◆ 海の上で生まれ、一度も船を降りることのなかった天才ピアニストの伝説。前半印象的なのは全米一のジャズピアニストとの決闘-『難曲を交代で弾いて優劣をつけ、最後に勝者を決める』真剣勝負は読みごたえがあり、高揚感満点。 後半は一転して『ある人生の...

◆なぜピアニストは船を降りなかったのか◆ 海の上で生まれ、一度も船を降りることのなかった天才ピアニストの伝説。前半印象的なのは全米一のジャズピアニストとの決闘-『難曲を交代で弾いて優劣をつけ、最後に勝者を決める』真剣勝負は読みごたえがあり、高揚感満点。 後半は一転して『ある人生の課題がテーマ』になっています。ぜひご一読を! 映画では個性派俳優ティム・ロスが主演しています。ピアノ演奏シーンにご注目!

Posted byブクログ

2010/10/25

船の上で育った天才ピアニスト。 船がどんなに揺れ、ピアノが大きく移動しても弾きまくることが出来るのが面白い。 ただ、船を下りたことがなく、恐怖心を抱いている繊細な人柄。 船の寿命が尽きるときが来て… 切なくファンタジックな名編です。

Posted byブクログ

2009/10/04

バリッコの何を読んだらいいと聞かれたら、まずこれを読んでくださいと言いたい。声を大にして言いたいです。

Posted byブクログ