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マイ・ドリーム の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2024/01/25

ミシェル夫人の伝記を読んでオバマ氏にも興味がわき読んでみた。もちろん大統領就任時はとてもインパクトがあったが、ミシェル夫人の側から見たオバマ氏というのがなんだかとてもかわいらしく見えたのだった。 本を出すきっかけは、ハーバードロースクールで「ハーバードローレビュー」誌の黒人初の...

ミシェル夫人の伝記を読んでオバマ氏にも興味がわき読んでみた。もちろん大統領就任時はとてもインパクトがあったが、ミシェル夫人の側から見たオバマ氏というのがなんだかとてもかわいらしく見えたのだった。 本を出すきっかけは、ハーバードロースクールで「ハーバードローレビュー」誌の黒人初の編集長になると、出版社から本を出す依頼が来て、出版社から前渡金を受けて執筆にとりかかった。卒業後1年で書き上げるつもりが、なかなか書けず結婚後数年経ち、結局母親がバリ島に部屋を借り、そこで書き上げた。ミシェル氏の伝記だと、「え~っ、そんな契約してたのあなた」という感じである。 最初は、人種問題について独自の視点を述べよう、そこに自身の個人的な逸話も入れて、としているうちに時間が経った。そうして出来上がったものは、私の内なる旅の記録、父を追い求め、アフリカ系アメリカ人としての人生に現実的な意味を求めた青年の心の旅である、とまえがきにある。 ロースクールのインターンとしてミシェル氏の勤める法律事務所に現れたオバマ氏は、もう出来上がっていて完璧な人間だった、と記している。そして頭の中の許容力がとてつもなくて何でも覚えてしまうらしいのだ、と優秀なミシェル夫人をして驚きの言葉が記されている。そして人種の壁をも超越しているように映った。ミシェル夫人の本では、ハワイで育ったりしたせいでミシェル夫人のような貧しい黒人コミュニティ育ちではないからそれほどの軋轢はなかったのかな、という印象も受けた。 だが、幼少時から、まさにミシェル夫人と出会う直前までが記されたこの本では、「真っ黒な父と、真っ白な母」、不在の父、母や母の祖父母が語る父の思い出話との間で、一体自分は誰なのか? と自問し苦悩する姿が描かれていた。 そして大学を卒業し、シカゴでのコミュニティーワーカーを経て、父の地ケニアに行き大勢の親族と出会い、自己の足場ができたように見える。 ハワイでの幼少時、母の再婚に伴い6歳でインドネシアに渡っての生活、5年生でハワイに戻り今度は祖父母との生活、カリフォルニアとニューヨークでの大学時代、卒業後シカゴでのコミュニティ・ワーカー時代、そしてハーバード・ロースクールに行く決意と、ケニアへの旅が記される。 高校生の頃、銀行に勤める祖母が普段はバスで行くのに祖父に車で送って行ってと祖父と口論している。ならボクが送るよ、というと祖父はそういう事ではないんだ、という。祖母はバス停で目の前に立った黒人男性が怖かった、というのだ。祖父はそれに怒っていた。 これはミシェル氏が大学の寮で同室の白人女性の母親が大学に言って娘を別室に移動させた、という事とは異なる。ミシェル氏は確固たる黒人だけの家族とコミュニティがバックにある。が、オバマ氏は、黒と白とで自身の中で分断されているのだ。ニューヨークへのコロンビア大学への編入もすぐ近くに黒人街のある所に住める、という理由があったとある。 しかしオバマ氏はやっぱり親族の愛を目いっぱい受けていたと感じる。バス停口論での祖父の愛。そしてケニアでも異母兄弟たちも叔母たちも、とても会いたかった、と受け入れてくれる。 オバマ氏が父と接したのは、10歳の時に1か月だけハワイに滞在した期間。でもその時小学校の先生がケニアに行った事もある人で、父を教室に呼んで皆の前で話をするようにした、というのだ。それを聞いて目の前が真っ暗になったオバマ少年だが、話が終わるとクラスメイトからは、「きみのお父さんてすごいんだね」と言われる。 オバマ氏の父は優秀だったが、ケニアに帰国後は政府の仕事をしていたが歯に衣着せぬ物言いで、仕事を干され経済的にも困った時期があったようだ。親族の希望の星だったようだ。が、強引でもあり、最後のケニア行きの場面では、姉は父のことを「あのオヤジ」と呼び、「超えるべき存在」だったのかな、強烈な存在感があった人なのかな、と感じた。 6歳でハワイからインドネシアに行く時、羽田経由で日本に3日滞在し、鎌倉の大仏を見て、山の中の湖を走るフェリーで抹茶アイスを食べた、とある。 1995年に発表され、2004年に再版。読んだのは2004年版。2つの前書きがある。 1995発表 2007.12.13第1刷 2008.12.12第6刷 図書館 「アメリカン・ビュー」(アメリカ大使館公式マガジン)にバラク・オバマの半生の記事 父との写真あり。10才の時にハワイに来て1か月過ごした時の写真だと思われる。 https://amview.japan.usembassy.gov/barack-obama/

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2022/12/11

オバマ氏の生い立ちからシカゴでコミュニティ・オーガナイザーになるまでの青春時代の本。 ケニアに父親の親族を訪ねていき、アイデンティティを探る旅でもある。 極めて現代的なアメリカ人であるオバマ氏のルーツが、どこか複雑でありながらリラックスしたものであることが理解できる。

Posted byブクログ

2013/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

オバマさんが上院議員になるまでの自伝 面白かった。 正直、オバマさんがどんな人なのか、なーにも知らんかったけど一気に知ってる人感出て勝手に親近感。 複雑な人種、家庭環境でアイデンティティ追求が困難に満ちてる。 それでもエネルギーに変えて進んだら今や大統領になったって自伝のその後を思って凄いなあと。 物事の真髄を見極めようといつも真剣にことに当たり、追求を諦めない人という感じかな? We can change がノッチのネタではなくやっと響く言葉に。 よっぽどの人だと思うけど、それでも一筋縄ではいかない政治の世界は恐ろしいところだ。 自伝って面白いジャンルなのでは?と思った次第。 先住民と西洋の軋轢がどの大陸でも私の気になるポイントだったけど、今の世界により大きいインパクトを与えてるっていう観点ではアフリカと西洋なんだなあと。 あと飛んだ感想だけどハワイ、いいところだなあと。 オバマさんが何というか世を拗ねた人にならずにすんだのは学生時代を過ごしたハワイの環境が大きそうだと理解した。 父方の故郷ケニアでの親戚巡りの時の話も興味深かった。 半分登った黄色い太陽だっけ?ナイジェリアの事を書いた本とまるでおんなじ世界。 オバマさんのは完全にノンフィクションだからよりリアルにアフリカの空気感感じた。 マグレブ以南、全く未踏の地のまま旅はしなくなって落ち着いちゃったけど、行ってみたいなあー、、、

Posted byブクログ

2013/03/15

オバマがどんな政治家なのかを知ろうと思ったけど内容は大統領に当選するまでよりも前の話だった。彼の人間性やバックボーン、黒人ではあるけれどもアフリカでは育ってないことへのアイデンティティの悩みなど。ちょっと長ったらしく感じるところもあるけどまま良い。

Posted byブクログ

2013/01/25

この本を読んで、黒人がアメリカ大統領になるということがどれ程大きな出来事だったのかが少しわかったような気がした。かなり分厚い本だが飽きることなく読めた。

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2013/01/15

オバマさんがまだ上院議員になる前の自伝。ハーバード・ロー・レビュー誌で黒人初の編集長の職についた際に書かれたもの。知性の深さの根っこに触れた気がした。彼が何故、政治家を志望したのか、そして何がしたかったのか。今の状況では、彼が本当にやりたかった事ができるなかなか状況ではないのかも...

オバマさんがまだ上院議員になる前の自伝。ハーバード・ロー・レビュー誌で黒人初の編集長の職についた際に書かれたもの。知性の深さの根っこに触れた気がした。彼が何故、政治家を志望したのか、そして何がしたかったのか。今の状況では、彼が本当にやりたかった事ができるなかなか状況ではないのかもしれないが、この本からそのエッセンスを読み取れるだけに、それがとても惜しい。差別を受ける側と、偏見を持つ側の狭間に立ってきた彼の心情は単純ではない。おそらくシンプルに差別を受ける立場であったなら、彼は大統領の地位までは登り詰めていなかったのではないか。自分は何者なのか、どうありたいのかを問い続けた、彼の青年時代の赤裸々な思考と失敗の旅。

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2013/02/11

おもしろかった。オバマはすげータフだ。人種差別のうずまくアメリカで、よくあそこまでのし上がってこれたものだ。アメリカン・ドリームだよ。彼の背後には、ユダヤ人の協力があった。

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2011/01/08

この分厚い本、読み終えました。いやぁ、思っていた以上にオバマさんは素晴らしい方でした。 適当にテレビを見ている程度の知識では、黒人と白人のハーフで、いい暮らしをして、ハーバードとか出ているので、本当の黒人の低所得層を代表しているわけではない、とかいうイメージでしたが、なんのなん...

この分厚い本、読み終えました。いやぁ、思っていた以上にオバマさんは素晴らしい方でした。 適当にテレビを見ている程度の知識では、黒人と白人のハーフで、いい暮らしをして、ハーバードとか出ているので、本当の黒人の低所得層を代表しているわけではない、とかいうイメージでしたが、なんのなんの、そんなイメージ大ウソです。 お父さんがケニア人、お母さんがアメリカ人。二人は早々に離婚し、お母さんとお母さんの両親にハワイで育てられます。その後、お母さんがインドネシア人と再婚し、ジャカルタで少年時代を過ごしたりします。 一度だけお父さんがハワイにやってきたときにお父さんに会います。ケニアで成功した立派なお父さん、というイメージ。でも、お父さんはその後交通事故で亡くなってしまいます。 大人になってアメリカ本土に行き、大学卒業後はいったん有名な情報ベンダーかなんかに就職して経済ニュースを書いたりするのですが、こんなことじゃいかん、と一念発起し、シカゴの黒人低所得者が住むスラムでオーガナイザーという仕事をし始めます。住民の意見をまとめて政治や権力と闘う仕事です。 自分のルーツについてはずっと悩みを抱えていて、その頃、ケニアに行き、親族たちと過ごし、いろんなことを思います。お父さんは実は成功を収めた後、権力に逆らい、干され、悲惨な目にあっていたことを知ります。 そしてシカゴに戻り、またオーガナイザーの仕事を続け、ハーバードのロースクールに入ることを決意します。 そしてハーバードロースクールの雑誌で初の黒人編集長になった頃にこの本を出したのです。 なんというか、今どき珍しい理想主義者というか、私利私欲を捨てて人のために働ける人なんですよね。そういう人が大統領にまでなったという事実はすごいなぁ・・・。 今は彼の「合衆国再生」を読んでいます。理想主義者だから一方に偏っているのかと思いきや、左右に偏りすぎて、まるでスポーツのゲームをやっているような今の二大政党政治はよくなくて、両方のいいところを取りながら現実的に国のために役に立つ政策を実現していかなきゃ・・・という考え方のようです。 なんか、理想的なリーダーのような気がするんだけれど、でも、そういう人って、悪意のある人に足を引っ張られたりするから、そんなもん払いのけて、成功してほしいな・・・と思います。 久々に興味深い人物です。日本にもこんな人が出てくればいいのですが・・・。

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2018/10/14

大部な本であり、冗長な展開と思える部分もあって必ずしも読みやすいとは言えないが、オバマのような複雑なエスニックが、アメリカの社会でエスタブリッシュになる過程での葛藤が赤裸々に書き込まれている。黒人であることの心理を、ここまで世界中に知らしめることのできたオバマは、やはりエポックメ...

大部な本であり、冗長な展開と思える部分もあって必ずしも読みやすいとは言えないが、オバマのような複雑なエスニックが、アメリカの社会でエスタブリッシュになる過程での葛藤が赤裸々に書き込まれている。黒人であることの心理を、ここまで世界中に知らしめることのできたオバマは、やはりエポックメーキングである。

Posted byブクログ

2009/10/04

演説を聞いて、涙がでました。 沢山の人が望んでいて、あきらめていたこと、叶えてくれる気がする人。 当たり前だけど、生まれたときは大統領じゃなかったんですね。 フツーの人もフツーでない人にも希望与えてくれる、きっとそんな本。

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