総力戦とデモクラシー の商品レビュー
「戦争の日本史」シリーズの一冊として、第一次世界大戦とシベリア干渉戦争を取り上げている。本書の課題として、「東アジアがなぜ戦争の舞台となったのか、そして、それが何をもたらしたのか」ということと、「反戦とデモクラシーの結びつき方を再検討」することを挙げている。後者の課題を考える題材...
「戦争の日本史」シリーズの一冊として、第一次世界大戦とシベリア干渉戦争を取り上げている。本書の課題として、「東アジアがなぜ戦争の舞台となったのか、そして、それが何をもたらしたのか」ということと、「反戦とデモクラシーの結びつき方を再検討」することを挙げている。後者の課題を考える題材として、ロマン・ロランの思想に焦点を当てている。 戦争と国民世論、あるいはデモクラシーとの関係を考えさせられる内容だった。圧倒的な愛国主義的な国民世論の中、罵詈雑言を受けつつも、反戦思想を貫いたロマン・ロランには敬意を表する。 成瀬正一とロマン・ロランとの交流のエピソードがとても興味深かった。また、博文館発行の『欧州戦争実記』という雑誌を通して、第一次世界大戦が日本でどう報じられていたかを分析したパートも読み応えがあった。
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戦争の日本史というわりには、第一次世界大戦中の思想史みたいな感じ。まぁ、日本は主戦には参加していないんで、あまり戦争にはスポットあてられないのはわかるけど、兵器の進歩的なところは書いてほしかった。 ただ、ロマン・ロランの思想はとても示唆深いと感じる。
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