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完全解読ヘーゲル『精神現象学』 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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「よげんのしょ」かなと思った。

レイザーラモンRGは「哲学とはあるあるである」と言ったが、まさにその「あるある」がものの見事に的確に描写されてる。 序盤は「青少年の心理あるある」が書かれててこれは本当にあるあるだったので、ここだけ読んでても悩める若人の役に立つかも。 本書の解釈は現代に寄せすぎた解釈にな...

レイザーラモンRGは「哲学とはあるあるである」と言ったが、まさにその「あるある」がものの見事に的確に描写されてる。 序盤は「青少年の心理あるある」が書かれててこれは本当にあるあるだったので、ここだけ読んでても悩める若人の役に立つかも。 本書の解釈は現代に寄せすぎた解釈になっており、ヘーゲルガチ勢から異論はあるだろうが、まさにいまツイカスやインターネッツで起こってる事態の混迷をものの見事に言い当てている。「よげんのしょ」かなと思った。 今まで労働させられるだけだった奴隷サイドが「なんでこんな息苦しい暮らしをせなアカンねん」と自由を求めて革命を起こす →なんでもありの絶対自由はそれぞれの利害関係の対立で不可能 →「俺の自由」が「誰かの自由」をBANする恐怖政治が始まる →恐怖政治も絶対自由もダメということで「道徳(規制)」というキツいシバリで全員をフルイにかけようとするようになる →「なんで自由を求めたのにシバられなアカンねん」「でも絶対自由は無理やし」ということで 双方がそれぞれの関係性の範囲内で自分と他者の「自由」を尊重しあう「良心」が重視されるようになる。 問題はほぼ全員が「行動的良心」じゃなくて「行動的悪心」や「行動的無関心」に進んじゃったときで、そのとき少数の人たちが亡命したり手続きをするような「行動的良心」をやるだけでそれでいいのかとか、(それぞれの関係性の範囲内で自己と他者の自由を尊重する)という前提がヌけたらどうすんだとは思う。 それでも「各々の良心」を発揮するためには道徳のタガは必要最小限が望ましいのだろう。 手を汚しながらもなるたけ自分の能力でできるだけの「良いこと」を目指すのがよいのだろう。

本は落ちるナイフ

2024/06/03

ヘーゲルの精神現象学は途中まで読んで本棚に戻したが、この本のおかげでその哲学の真髄にまた浸りたくなった。 サルトルの存在と無もカントの純粋理性批判もそうだが、分厚く生真面目な哲学書は、意外な発見や言語化不可能な領域へのアクセス権を提供してくれる一方、大体途中で飽きてテーブルに放る...

ヘーゲルの精神現象学は途中まで読んで本棚に戻したが、この本のおかげでその哲学の真髄にまた浸りたくなった。 サルトルの存在と無もカントの純粋理性批判もそうだが、分厚く生真面目な哲学書は、意外な発見や言語化不可能な領域へのアクセス権を提供してくれる一方、大体途中で飽きてテーブルに放る。 ヘーゲルの残した大著をゆっくり解読していきたい。

Posted byブクログ

2018/03/08

ヘーゲルの『精神現象学』の解説書です。本書の後に刊行された『超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』』(講談社現代新書)とおなじく、ヘーゲルの叙述を二人の著者がわかりやすくパラフレーズしています。 『精神現象学』における精神の歩みを、近代的な「自由」にめざめていくプロセスとし...

ヘーゲルの『精神現象学』の解説書です。本書の後に刊行された『超解読! はじめてのヘーゲル『精神現象学』』(講談社現代新書)とおなじく、ヘーゲルの叙述を二人の著者がわかりやすくパラフレーズしています。 『精神現象学』における精神の歩みを、近代的な「自由」にめざめていくプロセスとして読み解くという著者たちの立場から、ヘーゲルの錯綜した叙述の意味を統一的に解釈しています。 もっともわたくし自身は、竹田の『人間的自由の条件』(講談社学術文庫)におけるヘーゲル解釈には問題が含まれていると考えており、本書にも同じような問題があると感じています。もう少し具体的に述べると、竹田はカントが「超越論的」と呼んだ問題の哲学史的な意義を把握していないのではないかという疑問をいだいており、それが本書におけるヘーゲルのカント批判についての解説にも当てはまるように感じています。 とはいえ、本書が『精神現象学』の入門書に求められる役割を十分に果たしており、読者をヘーゲル哲学の中核へと連れ出す優れた手引きであることは、疑いの余地がありません。

Posted byブクログ

2017/09/16

ヘーゲルの三つの主著のうちの一つ『精神現象学』を図書館から借りてみたものの、『歴史哲学講義』とは違って歯が立たなそうだったので、副読本としてこちらも借りてみた。 ヘーゲル哲学というのは、ヘーゲル独特の用語法によってなる「ヘーゲル語」で書かれているらしく、その「ヘーゲル語」の読み...

ヘーゲルの三つの主著のうちの一つ『精神現象学』を図書館から借りてみたものの、『歴史哲学講義』とは違って歯が立たなそうだったので、副読本としてこちらも借りてみた。 ヘーゲル哲学というのは、ヘーゲル独特の用語法によってなる「ヘーゲル語」で書かれているらしく、その「ヘーゲル語」の読み方を知らずに『精神現象学』などの大著に向かっていっても玉砕する確率が高いらしい。 よく系統発生と個体発生は相似するという。人類史の発達過程と、個人の発達過程にはパラレルなところがあるという話だ。ヘーゲルの『精神現象学』は特にそのような、人類史の話と個人の話とのパラレル性が高い書きかたになっている。 自分の場合、この本を人間と言うものが「成長する」とはどういうことなのか、その答えをカンニングするようなつもりで読んでいった。

Posted byブクログ

2015/10/17

分かりやすくてなかなか良かった。カント批判も、なるほどと思わせるが、ぼくとしてはやはりカントのほうに心が向く。

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2014/03/31

暇な時期があったので、ヘーゲルの『精神現象学』を読もうと画策するも、一番わかり易いと言われる長谷川宏の訳本を読んでも、全く歯が立たず。そこで、名著『ヘーゲル・大人のなりかた』の著者の西研と、竹田青嗣の解説書である本書の助けを借りることになる。 元ネタの訳文の雰囲気をかなり残しな...

暇な時期があったので、ヘーゲルの『精神現象学』を読もうと画策するも、一番わかり易いと言われる長谷川宏の訳本を読んでも、全く歯が立たず。そこで、名著『ヘーゲル・大人のなりかた』の著者の西研と、竹田青嗣の解説書である本書の助けを借りることになる。 元ネタの訳文の雰囲気をかなり残しながらも、大事なところを選んでギュッと圧縮して、うまくまとめている。適宜、砕いた解説文が入っていて、だいぶわかりやすくなっている(それでも後半からは、段々疲れてくる)。タイトルの様に「完全読解」したとは思えないが、気になったところだけ書いておきたい。 まず、有名な「自己意識」の「ストア主義・懐疑主義・不幸の意識」の部分。社会と関わらずに、自分の中にこもってあれこれ考えている限り、右往左往した挙句、結局ほんとうの意味での幸福感は得られないよ、という主張。確かにこんな困った人いるな、自分も昔はこうだったなと、具体的に記憶が思い浮かんでくる、短いけれど面白いところ。 「理性」の章の後半部分。いつまでも実現できない(というか、完全に実現してしまうと逆説的に道徳性がなくなってしまう)「純粋義務」をベースに人間の行動を縛ろうとするカントの議論は、ここで批判されている弱点があるだけでなく、そもそも普通の人には無茶ぶり。むしろ、個々人は自分の認識の絶対的な正しさは証明できないけれども、「良心」にしたがい、勇気を出して決断して行動しよう、そして社会からフィードバックをもらい、「ほんとうの良いもの」をみんなで目指そう、というヘーゲルの議論の方が、何が正しいという確証が無い現代社会では現実的だと思うし、特に、評論ではなく実践・結果を求められる、ビジネスに関わる人にとってはそうだと思う。

Posted byブクログ

2012/04/11

本書を読むのは何回目か。3回目?途中で断念したのを数えるともっとか。ヘーゲルは難しい。最初は本当にチンプンカンプン。解説書を読んでもチンプンカンプン。ようやくぐっと近づいてきた。勉強のせいであろうか、311以後の世界のせいであろうか。いずれにしても、福島の放射線問題みたいなリアル...

本書を読むのは何回目か。3回目?途中で断念したのを数えるともっとか。ヘーゲルは難しい。最初は本当にチンプンカンプン。解説書を読んでもチンプンカンプン。ようやくぐっと近づいてきた。勉強のせいであろうか、311以後の世界のせいであろうか。いずれにしても、福島の放射線問題みたいなリアルな問題と取っ組み合うとき、観念的と称されがちなヘーゲルは実にリアルに役に立つ。

Posted byブクログ

2009/10/04

電車の中でも読めるように、という狙いで書かれているらしいのだけれど、やはり「精神現象学」は難しいよ。

Posted byブクログ