ほしのはじまり の商品レビュー
まあ要するによくある傑作選、とだけ解釈してしまったらもったいない。物語の合間合間に収録されている、著者自身のショートエッセイだけでも十分魅力的。星新一を長く読んでいればいるほど、この一冊にはハマるのではないだろうか。54篇、悩み抜いてのこのチョイスだろう。本当に偉大な、偉大な作家...
まあ要するによくある傑作選、とだけ解釈してしまったらもったいない。物語の合間合間に収録されている、著者自身のショートエッセイだけでも十分魅力的。星新一を長く読んでいればいるほど、この一冊にはハマるのではないだろうか。54篇、悩み抜いてのこのチョイスだろう。本当に偉大な、偉大な作家。
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★一つは作品に対するものではありません。内容的には★★★★★なのですが、本の装丁・編集・構成に関しての憤慨からこの表現になりました。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 中学生以来14,5年ぶり本当に久しぶりの邂逅に、わくわくドキドキして星新一ワールドに没頭しました。 ...
★一つは作品に対するものではありません。内容的には★★★★★なのですが、本の装丁・編集・構成に関しての憤慨からこの表現になりました。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 中学生以来14,5年ぶり本当に久しぶりの邂逅に、わくわくドキドキして星新一ワールドに没頭しました。 中には高校時代の落研(落語研究会)在籍中に古典一辺倒の仲間に対抗して新作落語に仕立てた作品も再読して、感慨深いものがありました。 でも、せっかくの新しい星新一のショートショ-ト・アンソロジーなのに、4つの点で台無しにして下さって幻滅していて、憤懣やる方ない気分で一杯なのです。 いわずもがな小松左京と筒井康隆と星新一は、ご多分に漏れず私にとってもSFの父と母です。海外の本格物を読み漁り、ハードだのニューウエイブだのと追っかけたりSFマガジンを購読するばかりかバックナンバーを創刊号まで集めて熱中しましたけれど、いつも原点回帰この三人に戻るのでした。 その中でも星新一が開拓したショートショートとは不思議な存在でした。非文学的なようでとても魅力的な雰囲気に惹かれて一時期とりつかれて夢中になりました。なんとなく、壺としては短編小説・掌編小説の方法論と寸分違わないように思えるのですが、たとえオチがちゃんとついていようがいまいが、そこにあくまでSFマインドがなければ存在意味がない、と中学生の私は理解して、今までの自分の中の溢れるばかりの文学性を抑圧・否定して100篇近くの作品を創作したものでした。 そう本来は、ショートショートは星新一が創設者・牽引者みたいなものでしたが、私はどちらかというと寓話的な彼の作風ではなく、小松左京や筒井康隆の落語的な又はセンス・オブ・ワンダーあるいはシュールなものにより引かれたのでした。 ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ●苦言その1・・・価格が2,625円とは高すぎます.新しい初めての読者とりわけ小中学生にも読んでもらうために1,000円代にすべきでした。紙の質を落として表紙にこんな厚紙を使わず低コストで臨むべきでした。ひょっとして、よけいな人の原稿料が上乗せさせられているのなら、あまりにも非常識ですが ●苦言その2・・・そのことと関連がありますが、編・新井素子、とする必然性があったのかどうか。 私は彼女の全作品を読みましたが、あまり好みではありません。父に尋ねたところ、かつて奇想天外SF新人賞の時に彼女の「あたしの中の・・・」を推したことは星新一の生涯唯一の誤謬だったんだよ、という話をしてくれました。 それはともかく、なぜ忘れられた作家の復権でもないのに、7回にも及んで作品の間によけいな随筆を挿入する必要があったのか、まったく理解に苦しみますし作品を冒瀆する行為だと思いました。 ●苦言その3・・・最初に手に取って中を見たとき、ええー、どこの新しいド素人の出版社だよ、こんなひどいレイアウトの本をつくるのは!星新一の本をこんな風に作る奴は許さないぞ、と思ったものですが、これがなんと角川書店と知って愕然としました。なんのセンスもない人が本作りに携わっている時代なんですね。もう少し工夫がほしかったです。天下の角川書店に文句を言って申し訳ありませんが、星新一好きの戯言だと思って、お笑い下さい。 ●苦言その4・・・表紙ですよ表紙。表紙が肝心。 やっぱり星新一の本として新登場するには真鍋博しかないですね。40年前の本を見ても、けっして現代の最先端のものと較べてもまったく引けを取らない斬新な未来性を持つ真鍋博のイラストこそ星新一の世界に相応しいということが理解できないようでは 出版する資格がないと思いますけれど、まあ趣味の問題にすぎませんが。 本は大切に大事にする性分で、ましてや捨てられない性質なので困っているのですが、今回生まれて初めて本を加工しました。 7箇所に挿入されているエッセイを削除して(ごめんなさい、巻末の最相葉月さん言及の対談も外してしまいましたけれど要旨を変えることなく彼女のエッセイとして新たに付け加えました)各作品のタイトルも少しQ上げして書体を変えたりして、それからとりあえず表紙はすぐ見つかった『ノックの音が』の表紙を借用してコーチングして造本しました。 まあそんなにこだわることでもなかったかなって感じですが。
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