ほしのはじまり の商品レビュー
ショートショート集なので、肩肘張らずに読めて面白い。特に、私のように、空き時間にちょい読みするタイプには、大勢の登場人物や伏線を貼り過ぎると覚えられずに困るので、調度良い。 しかし、編者の言うとおり、星新一の話は、未来を見たかのように予言しているので驚いた。
Posted by
ユニークでユーモラスでときどきシニカルな、ショートショートの代名詞的作家。とにかく親しみやすく、読みやすい・・・などと『その程度』の認識でいた自分を鼻で笑ってやりたい。こうして短編五十余編とエッセイをまとめて読んで、『凄い』人であったことがようやく実感できた。編者によって章立てさ...
ユニークでユーモラスでときどきシニカルな、ショートショートの代名詞的作家。とにかく親しみやすく、読みやすい・・・などと『その程度』の認識でいた自分を鼻で笑ってやりたい。こうして短編五十余編とエッセイをまとめて読んで、『凄い』人であったことがようやく実感できた。編者によって章立てされているのだが、前半は冒頭の(たぶん「よく知られている」)星新一。そして後半は、無常観や叙情を感じられるものが集められた章。いや、これ凄い。単に好みの問題ってのもあるだろうし、そもそもそういう編み方してるのはわかってるけど。凄い。もし仮にこっち方面の作品だけを書いていたとしても高い評価を受けていただろうことは間違いないレベル。話題の提示とその説明を繰り返す一定のスタイルをとりながら、メルヘンからSFまで高純度で話を展開し、短くすぱっと終わらせる。凄い。凄い。
Posted by
気に入った作品(ほとんどですが…) 夜の音 包囲 オオカミそのほか いそっぷ村の繁栄 程度の問題 ねむりウサギ 妖精 抑制心 鍵 花とひみつ 午後の恐竜 そして何より、星のくずかごはどれもとても面白かったです。 新井さんのところはいらないかな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
弟子による星新一ベスト盤。ジャンルごとに解説をつけ、54本のショートショートを読ませる。 古びない星の作品をさして編者が言う。 "だって星さんは、「人物を描写」せずに「人間の本質」を描いていたんだもの" このとおり、人間行動に迫った描写が見事。 「おみそれ社会」より "人は本職はいいかげんにやっても、内職となると誠心誠意、忠実にやるものだ。内職には、終身雇用年功序列なんて保証はないからな"
Posted by
星新一のショートショートを新井素子が編集。 名作集となっている。 全50の短編と創作ノートを収録。 この作品集を読むと、星新一が次世代のSF作家や漫画家に多大な影響を与えた作家だというのがよくわかる。 特に共通性を感じたのが、藤子不二雄F。 星新一の短編の奇妙小説の世界を漫画...
星新一のショートショートを新井素子が編集。 名作集となっている。 全50の短編と創作ノートを収録。 この作品集を読むと、星新一が次世代のSF作家や漫画家に多大な影響を与えた作家だというのがよくわかる。 特に共通性を感じたのが、藤子不二雄F。 星新一の短編の奇妙小説の世界を漫画で挑戦した作品集を遺している。 どの作品も一定のクオリティを担保しているのと、その旺盛な発想力に驚くばかりであった。 この作品集で特に面白かったのは星新一の創作ノートである「星のくずかご」。ボツにしたアイディアを紹介するとともに、ボツになった経緯を説明しているのだが、コレが結構面白い。 星新一は晩年になって右腕を患っていたようで、その苦労と作家人生に対する不安などを、「星のくずかご」の中で素直に吐露してあったりする。 星新一は非常にストイックな性格らしく、小説以外のほとんどの興味を抑え込んで創作に打ち込んでいたらしい。 本来音楽好きであった星新一が三十年も音楽の趣味を封印していたエピソードなどは、驚きを超えて感動すらおぼえた。 編者の新井素子は星新一を敬愛してやまないらしく、この作品集もファン目線でつくられているようだ。 星新一ファンはもちろん、初めて星新一作品に触れる方にもお勧めできる内容になっている。
Posted by
星新一さんの作品はたくさん読んでいたつもりでいたが、意外に知らない作品があって面白かったです。 内容も濃くて、読んでいて楽しいし飽きないなあと思いました。 ですが、私が好きなのがあまり入っていなくて少し残念です。 (あくまで個人的な意見です)
Posted by
小中学時代に読んでそれっきりの人は必読。大人になって改めて読み直してみて、普遍性は驚愕の一言。多分、大人が読んだほうが味わい深いので子供向けと馬鹿にしないほうが良い。この先も世代を超えて生き残る数少ない作家。合間の新井素子の文章も膝打ち。
Posted by
少しずつ読んでいこう。旧い友達に会うようで楽しみだ。 合間合間に新井素子氏の文章が入っている。最後に最相葉月氏と新井素子氏の対談が入っている。 冬休みの楽しみだ。
Posted by
星新一って、決定版とか選集とかの似合わない人なのかもしれない。 どこかでふと手にとって、ひょっこり出会ってこそ映える、思いがけず出会うからこそいつまでも心のどこかにひっかかって残るストーリーの数々。 こうしてまとめて読めるのは確かに便利ではあるけれど、思いがけないどんでん返しや...
星新一って、決定版とか選集とかの似合わない人なのかもしれない。 どこかでふと手にとって、ひょっこり出会ってこそ映える、思いがけず出会うからこそいつまでも心のどこかにひっかかって残るストーリーの数々。 こうしてまとめて読めるのは確かに便利ではあるけれど、思いがけないどんでん返しやオチの輝きが、何か少し減じてしまうような気がしなくもないです。
Posted by
星新一ショートショート傑作選プラス星新一エッセイ。 編者である新井さんも仰っていることですが、星新一さんの作品ってたしかに古さを感じさせません。シンプルでスタイリッシュ。だけどこれを書かれた時代を考えると、びっくりです。予言と言えなくもないですよね。まあ「覚醒剤」の記述にも少しび...
星新一ショートショート傑作選プラス星新一エッセイ。 編者である新井さんも仰っていることですが、星新一さんの作品ってたしかに古さを感じさせません。シンプルでスタイリッシュ。だけどこれを書かれた時代を考えると、びっくりです。予言と言えなくもないですよね。まあ「覚醒剤」の記述にも少しびっくりしてしまうのだけど(笑)。 そもそもこれが「傑作選」なんだから全部いいに決まっていて、どれがいいと言えるはずもないのだけれど。昔に読んで衝撃的だった「ボッコちゃん」「午後の恐竜」はやっぱり凄いなあ。
Posted by