松田聖子と中森明菜 の商品レビュー
2021年12月7日読了。伝説のアイドル・山口百恵の後釜を狙うべく80年代にデビューした数多のアイドルの中で抜きん出た二人の女性歌手、松田聖子と中森明菜の活動・作品履歴とその戦略を追う本。「蒲池法子が扮する「松田聖子」が演じるアイドル『松田聖子』」」という虚構を積み重ねた構造が聖...
2021年12月7日読了。伝説のアイドル・山口百恵の後釜を狙うべく80年代にデビューした数多のアイドルの中で抜きん出た二人の女性歌手、松田聖子と中森明菜の活動・作品履歴とその戦略を追う本。「蒲池法子が扮する「松田聖子」が演じるアイドル『松田聖子』」」という虚構を積み重ねた構造が聖子自身と周りのスタッフたちに自由度と戦略を与えた、という指摘と、初期の作曲家小田裕一郎がデビュー間もない聖子に「インテリジェンスを感じた」と評した言葉が記憶に残る。中森明菜は本名で活動し、その結果楽曲の虚構に自分のパーソナリティ・生活に取り込まれてしまった、という指摘も印象的だが、明菜については書きにくそうだ…。著者の明菜びいきは十分に感じるが。この二人が歌謡曲の世界・日本の文化に対して及ぼした影響、についてはまだまだ十分に研究・評価されていないのかもしれないな。
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今年、出版された「阿久悠と松本隆」読了後、久々に再読。二つの対立する存在をテーマに現在でも確認できる資料の中の記述を時系列に並べ、大きな時代の流れをデコンストラクションする著者独自のスタイルは10年前から生まれていたことを再確認しました。描かれているのは、消費文明が徹底された80...
今年、出版された「阿久悠と松本隆」読了後、久々に再読。二つの対立する存在をテーマに現在でも確認できる資料の中の記述を時系列に並べ、大きな時代の流れをデコンストラクションする著者独自のスタイルは10年前から生まれていたことを再確認しました。描かれているのは、消費文明が徹底された80年代社会。つまり「おいしい生活」の時代。その前史として「時代と寝た女」山口百恵が成し遂げたことを確認するところから構成されているので、正しい書名は「山口百恵と松田聖子と中森明菜」かも。しかし著者の思い入れが炸裂しているのは、間違いなく松田聖子。いや、松田聖子と松本隆のツープラトン。『ジャンルが違う分野での才能と、異なる個性を持つ二人が結びつくことで傑作を持続的に創造していった点において、「松本隆と松田聖子」の組み合わせに匹敵するものは、ある時期を境に一緒に仕事をしなくなることも含めて、「黒澤明と三船敏郎」しかないであろう。』とはなんたる賛辞か。全てにおいて「外見から入る」松田聖子と「物語を解体させ、イメージのみを提示し、歌詞から意味性を排除する」ことを志向する松本隆の出会いが、いかに創造的だったか、いや、いかに破壊的だったか、ふたりの革命家によって『社会は無意味なものになり、男女の関係すら意味を失っていった。「わたし」と「あなた」は、永遠に「わたし」と「あなた」のままで、「わたしたち」にはならない。』そんな80年代が作られたのです。『松田聖子は無自覚に、松本隆が確信犯的に破壊した、日本の旧来の男女関係、個人と社会のと関係は修復されることはなかった。』百恵が「時代と寝た女」なら聖子は「時代を犯した女」なのか?ならば明菜は「時代に犯された女」なのか?百恵と明菜のあまりにもウェットなことよ。聖子のあまりにドライなことよ。偶然ながら百恵と明菜の芸名が本名であることによるリアルと、法子が聖子を演じるというフィクションにその原因を見る、というのもなんか納得してしまいました。失われた30年の先を考える時、おじさんならではの80年代の再確認はとても価値あると思いました。
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デビュー前の話などは面白かったし興味深く読んでいたがラストのほうは読むのが面倒になってきた。歌番組内での順位のことが延々と.. ブックオフで購入
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松田聖子と中森明菜。 いかにもライバルという題名が興味をそそる。 本屋さんに目に止まって、中身もろくに見ないで、速攻で買った本です。 家に帰って一気に読みましたが、これが面白い。 確かに松田聖子は中学、高校、そして大学までずっと聞いていた。 BEST ALBUM(CD)も持って...
松田聖子と中森明菜。 いかにもライバルという題名が興味をそそる。 本屋さんに目に止まって、中身もろくに見ないで、速攻で買った本です。 家に帰って一気に読みましたが、これが面白い。 確かに松田聖子は中学、高校、そして大学までずっと聞いていた。 BEST ALBUM(CD)も持っている。 自分がリアルタイムで聞いていたときは多感な青春時代まっただ中で あったため、とにかく一心不乱に聞いていたと思う。 そこでこの本の登場である。 実は松田聖子の4thシングルの「チェリーブラッサム」は当時、本人が好きでは無かったらしい。 それはデビュー曲から3曲までと違ってリズムが複雑でノリやすくなかったでは無いかとのこと。 そういうことがあったのかとその曲の持っていた背景を知って、さらに「チェリーブラッサム」の深さを思った。 他にもALBUMの話やザベストテンなども出て来て面白い。 そして明菜が登場するに及んで、聖子との戦いが繰り広げられる状況がこれまた面白い。 確かに当時リアルタイムで聞いていたので、その状況は分からないでもないが、専門家によるきめ細かい分析を目のあたりにすると、そうだったのかと新たな発見もあり、また聖子を聞いて見ようなんて思ったりする。 この本は題名通りでの内容であるが、どちらかと言えば、聖子に比重があり、またその当時の芸能界の状況に興味がある方にはお勧めである。
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ザ・ベストテンのランキング推移と松本隆の歌詞の分析(というか深読み)が中心で、「商品」ではなく「人間」松田聖子に興味があると肩透かしかも。 80年代邦楽市場遷移に興味あれば。結構的をついたジャスティスなことも多く言ってます。ただ、ちょっと主観に寄りすぎな感があるのでしっくりくるか...
ザ・ベストテンのランキング推移と松本隆の歌詞の分析(というか深読み)が中心で、「商品」ではなく「人間」松田聖子に興味があると肩透かしかも。 80年代邦楽市場遷移に興味あれば。結構的をついたジャスティスなことも多く言ってます。ただ、ちょっと主観に寄りすぎな感があるのでしっくりくるかは読者次第かと。 松田:中森=8:2くらいなので中森に興味あるとこれまた肩透かしな予感。80年代アイドル楽曲が日本の音楽レベルを引き上げた説には激しく共感。
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山口百恵、松田聖子、中森明菜というアイドルの歴史を書き記しているだけ、期待していたような松田聖子と中森明菜の比較アイドル論ではなかった。 私には特に夢中になったアイドルはいない。中学時代は高田みづえファンだということになっていたが、それも友人が榊原郁恵ファンだったので、「なら、お...
山口百恵、松田聖子、中森明菜というアイドルの歴史を書き記しているだけ、期待していたような松田聖子と中森明菜の比較アイドル論ではなかった。 私には特に夢中になったアイドルはいない。中学時代は高田みづえファンだということになっていたが、それも友人が榊原郁恵ファンだったので、「なら、おれは高田みづえ」って感じで心酔したわけじゃない。同世代は中森明菜だが、その頃はもうYMOとか聴いててアイドルは一歩引いて見てた。 この本の前半、山口百恵の登場から松田聖子デビューに至るプロダクションの駆け引きなどの裏話は知らなかったことも多く、面白かった。 しかし、後半は松田聖子と中森明菜の楽曲を読み解いたり、ザ・ベストテンの順位やレコードの売り上げを列記したりでつまらない。 ところで、本文の中に歌詞の引用がこれでもかと出てくるがJASRACの表示がない。細切れに歌詞を引用すれば著作権料は発生しないのか?
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[ 内容 ] アイドルを自覚して演じ、虚構の世界を謳歌する松田聖子。 生身の人間として、唯一無二のアーティストとしてすべてをさらす中森明菜。 相反する思想と戦略をもった二人の歌姫は、八〇年代消費社会で圧倒的な支持を得た。 商業主義をシビアに貫くレコード会社や芸能プロ、辛気臭い日本...
[ 内容 ] アイドルを自覚して演じ、虚構の世界を謳歌する松田聖子。 生身の人間として、唯一無二のアーティストとしてすべてをさらす中森明菜。 相反する思想と戦略をもった二人の歌姫は、八〇年代消費社会で圧倒的な支持を得た。 商業主義をシビアに貫くレコード会社や芸能プロ、辛気臭い日本歌謡界の転覆を謀る作詞家や作曲家…背後で蠢く野望と欲望をかいくぐり、二人はいかに生き延びたのか? 歌番組の全盛時代を駆け抜けたアイドル歌手の、闘争と革命のドラマ。 [ 目次 ] 第1章 夜明け前―一九七二年‐七九年 第2章 遅れてきたアイドル―一九八〇年 第3章 忍び寄る真のライバル―一九八一年 第4章 阻まれた独走―一九八二年 第5章 激突―一九八三年 第6章 前衛と孤独―一九八四年 第7章 宴のあと―一九八五年 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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面白い。タイトルの二人だけでなく、その前の人たちとの関係、というか立場も含めて書かれていて、時代の流れを掴んだ上で二人を登場させている。
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