赤い諜報員 の商品レビュー
ゾルゲ事件の本は数多いが、私にはこれが一番面白かった。「人間ゾルゲ」に重きが置かれ、実にドラマチックに描かれている。オートバイを飛ばし、女に溺れる。有能なスパイは機械ではなく、血の通った人間なのだ。(竹内明)
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ゾルゲ事件は、戦時期のインテリジェンス事案を考える上で避けて通れないが、ゾルゲと尾崎の邂逅にアグネス・スメドレーが一枚噛んでいたとは不勉強にして知らなかった。「ドキュメント・ノベル」と銘打っているので、どこまでが史料にもとづく記述なのかがわからないのだが、ゾルゲという人物のスパ...
ゾルゲ事件は、戦時期のインテリジェンス事案を考える上で避けて通れないが、ゾルゲと尾崎の邂逅にアグネス・スメドレーが一枚噛んでいたとは不勉強にして知らなかった。「ドキュメント・ノベル」と銘打っているので、どこまでが史料にもとづく記述なのかがわからないのだが、ゾルゲという人物のスパイ=工作員としての有能さとそれを支えた人間的な魅力、西安事件を〈演出〉したスメドレーの行動力、そして、〈国策〉に近づくことで日本敗戦=日本革命への道を拓こうとした尾崎の愚直なまでの誠実さが、印象深く描かれていた。 1930〜40年代の日本の社会=政治を考えるうえで、インテリジェンス活動への目配りは欠かせない。スパイ活動=情報活動といっても、別に派手な立ち回りや潜入工作が行われるわけではない。そうではなく、ある組織の中で生きている人間が、日常的に接触し、交わしあっているような組織の意志決定をめぐる情報に、別の流路・回路を作ることが「情報工作」に他ならないのだ。その意味で云えば、誰もが無自覚にスパイ的な情報漏洩をしてしまう可能性はあるのだし、誰もがスパイの「協力者」になりえてしまう。戦時期の新聞や雑誌に躍る「防諜」という言葉の含意は、あらためて吟味されなければならないだろう。
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ロシアのボルシェビキ革命から第二次世界大戦末期までの国際諜報員の暗躍を描くドキュメンタリー。背景がモスクワ、ベルリン、上海そして東京。こんなことが、戦前の日本でも行われていたという歴史的事実に慄然とする。しかも歴史的なドラマだけでなく、どの登場人物も酒好きで、セックスに溺れている...
ロシアのボルシェビキ革命から第二次世界大戦末期までの国際諜報員の暗躍を描くドキュメンタリー。背景がモスクワ、ベルリン、上海そして東京。こんなことが、戦前の日本でも行われていたという歴史的事実に慄然とする。しかも歴史的なドラマだけでなく、どの登場人物も酒好きで、セックスに溺れているという点が人間臭い。いつか、映画化してほしい。女スパイでセックス好きのスメドレーのキャスティングを誰にするかがポイントですね。
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以前に『国際スパイゾルゲの真実』(角川文庫)を読んだことがあります。 その文庫に比べると、情報量が多いです。 ゾルゲ個人だけでなく尾崎、スメドレー、宮城といった 立場の違うスパイ仲間がより詳しく取り上げられています。 スパイの本質的な孤独感が良く描かれています。 ノンフィクショ...
以前に『国際スパイゾルゲの真実』(角川文庫)を読んだことがあります。 その文庫に比べると、情報量が多いです。 ゾルゲ個人だけでなく尾崎、スメドレー、宮城といった 立場の違うスパイ仲間がより詳しく取り上げられています。 スパイの本質的な孤独感が良く描かれています。 ノンフィクションというよりは小説的な書かれ方です。 現代社会にもスパイはいるでしょう。 ただ時代背景が違うので、この切迫した感じは 平和ボケの凡人(ニッボンジン)にはまるで想像も出来ません。 妻や子供のシーンが、また愛人との風景があります。 なんだか奥歯を食いしばって読んでしまいます。 イデオロギーに殉死するのは「生き方の美」なのでしょうか。 自分で選んだ人生なのでしょうか。 えむをえずこれしか生きられない人生なのでしょうか。 苦しい、まことに息苦しいすさまじい人生。 harryのライブの前後に読んだせいもあると思いますが 「痛々しさ」という情感は、胸の奥深くに突き刺さります。 harryの放つ痛々しさ。 スパイという人生のやり場のない痛々しさ。 読みたいわけではありません。 でも読まずにはいられません。 今朝から、窓の外はものすごい風。嵐です。
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