宮本輝全短篇(下) の商品レビュー

宮本輝(著者)

2025/07/05

わざわざ下巻から読んだのは、真夏の犬が入っていたからで。
河の三部作が宮本輝を読むきっかけだったようには思うのだけれど、この真夏の犬が何故だか一番印象に残っているんだよな。
この話に出てくる灼熱地獄も今の日本の暑さよりも余程涼しかったのではないかと思えるが、比べることに意味はないな。
なんだかんだで、読み返した真夏の犬は、もう忘れないんじゃないかな、死ぬまで…

2018/12/31

力、五千回の死、アルコール兄妹、復讐、バケツの底、紫頭巾、昆明通寺通、暑い道、駅、ホットコーラ、階段、真夏の犬、チョコレートを盗め、力道山の弟、赤ん坊はいつくるか、香炉、月に浮かぶ、船を焼く、さざなみ、胸の香り、しぐれ屋の歴史、深海魚を釣る、道に舞う、スワートの男

全部印象に残る、宮本輝の小説はまさにその言葉がぴったり。とにかく全部印象に残ります。
登場人物の名前とかでなく、これはこういう話、というのが一言で話せる。

2009/10/04

あいかわらず輝さんどっぷりです！

もともと長編の方が好きで短編はあまり読まないのですが、今は「輝さんであればなんでも読んでみる」モード全開なのです。
図書館の新刊コーナーにあったのでつい借りてしまいました。

この短編集は宮本輝さんの自伝的色彩が濃く、貧乏、病気、死の影等、ひたすら暗い話で正直読むのが辛かったです。

今「流転の海」シリーズを読んでいる途中ですがこの短編集はどこかみんな「流転の海」を彷彿とさせる内容になっている事に改めて気づきました。

「宮本輝」を語る上でやはり「流転の海」がすべての根幹になる小説だと言う事を理解しつつ、まだまだ集中的に読む予定です。