舞え舞え蝸牛 新・落窪物語 の商品レビュー

田辺聖子(著者)

2024/09/05

以前に同じ作者の『おちくぼ姫』も読んだのに、今度は『新・落窪物語』を読みました。
最近ネットのＣＭ動画で流れてくるマンガのあれもこれもが継子いじめの話で、源氏物語よりも古いこの作品の面白さというのは、古今東西を問わないものなんだなあと思います。

重々内容をわかっていても、読む手はとまらず、久しぶりに布団の中で時間を忘れて読みました。
やっぱり、どんな辛い境遇にあっても見ている人は見ていてくれているという安心感なのかしら。

なぜサブタイトルが『新・落窪物語』なのかというと、後半の右近の少将が継母である北の方に復讐する部分が結構えげつないから、現在の人の気持ちに沿うように大団円にしてめでたしめでたしにしたから、のようです。
グリム童話なんかも原作は結構えげつないはなしですが、最近のはハッピーエンドで終わりますもんね。

田辺聖子の文章はとても読みやすくて、平安の貴族の暮らしなんて全然分からなくても大丈夫。
ちゃんと登場人物たちの感情に同調しながら、物語世界を堪能することができます。

といっても当時の上流貴族たちには下賤な話とうつったようで、枕草子でも評価は高くありませんし、源氏物語でも触れられていません。
でも、源氏物語のをほうふつさせるエピソードなどもいくつかあり、結局みんな好きなんじゃん、と思いました。

2015/08/08

同著者の「おちくぼ姫」を読んで、もうすこし登場人物の心境を詳しく知りたいなと思いこちらを購入。
こういうハッピーエンドの話大好き。
そして少将様がイケメンときたら女の子は憧れます。久しぶりに恋愛物がよめて良かった。

2014/01/13

●年ぶりに再読。
大人になって読み返すと、いろいろなことに気がつきます。
落窪姫の境遇の厳しさ。着物も食べ物も十分に与えられなくて、本当に冬はたいへんだったろうな、とか。
北の方のやり方はまちがってはいるけれども、
血のつながらない、そしていっこうに心を開こうとしないこどもを前にして戸惑いを覚えただろうな、とか。

王子様にたすけてもらって幸せになる、というストーリーにだけに目がいっていたあの頃の私、若かった。

2013/09/29

落窪物語は読んだことないが、こういう話なのか。
源氏物語を知るためにマンガ『あさきゆめみし』を読む感じで読むのもいいでしょう。
仕返しが酷すぎて、辟易する感じだったが、原作はさらに酷いようで、あとがきで、そのシーンは減らしたとあった。
なるほど、あれ以上あったら、読む気が失せますね。

2013/07/05

「舞え舞え蝸牛」古典の先生に教えてもらって読み始めたらとても面白くて一気に読んでしまった。落窪以外の皆さんの性格のよろしいこと(笑) 「小町盛衰抄」あまりすいすいとは読めなかったけれど、喜多川歌麿と樋口一葉の話あたりは楽しめた

2014/10/10

古典のテキストに原文が一部抜粋されていて気になったので図書館で借りてみました。いわゆる平安シンデレラ。

2010/11/22

古典大好き！だからかなり楽しかった。
古語で読むのがやっぱ趣あるんだと思うけど、それだと自分勝手な解釈になる可能性があるから、この現代語はよかった！

日本版シンデレラストーリーだけど、王子様と駆け落ちできてHAPPY ENDじゃなくて、ちゃんと継母への復讐までしてあるのが、なんとも…女性視点？笑

継母を殺す、とかじゃなくて、じわじわいじめ返すのが良かった。笑

これ系のがまた読みたくなったな～

2010/04/13

日本のシンデレラ物語『落窪物語』の田辺聖子版。はじめは浮気な少将が不遇の姫君にハマっていくところが見所かな。姫君の父・中納言を見てると、シンデレラのパパもダメ夫じゃ？とか思うね。

2009/12/30

「おちくぼ姫」よりも原典に近いです。やっぱりこの方が物語に厚みがあって面白い！平安シンデレラストーリー。男君がとっても素敵。この時代も、こういう男性が理想だったんだろうなあ、と思うと千年前も現代もオトメゴコロは変わらない気がします。

2009/10/04

読書好きの友達に勧められ、ずっと探していた一冊。古本屋さんでようやく出会えました。

継子いじめの物語と言われる『落窪物語』を原典とする現代語版。
帯刀が姫の手紙を落としてしまうあたりからの展開はドキドキして目が離せず、一気に読みました。
そして何より、登場人物が魅力的なこと。落窪姫、右近の少将はもちろんですが、私は姫の幸せを一心に願う女房の阿漕が大好きでした。
女性なら誰もが憧れるであろうシンデレラストーリーで、期待以上にわくわくさせていただきました。ああ、出会えてよかった･･･。
古典好きはもちろん、そうでない方でも楽しめる一冊だと思います。