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破壊者ベンの誕生 の商品レビュー

2.7

9件のお客様レビュー

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2020/05/28

ノーベル文学賞受賞作ということなので読んでみたけれど、あまりおもしろくなかった。 読んでいて、早く先が知りたいという気が起こらない。 思うに、訳がよろしくない。 心の中ではベンにどこかへ行ってほしいと願いながらも、やはり見捨てることができない母ハリエットの愛は深いと思った...

ノーベル文学賞受賞作ということなので読んでみたけれど、あまりおもしろくなかった。 読んでいて、早く先が知りたいという気が起こらない。 思うに、訳がよろしくない。 心の中ではベンにどこかへ行ってほしいと願いながらも、やはり見捨てることができない母ハリエットの愛は深いと思った。 しかし、ベンは不良グループの仲間入りをして破壊の限りを尽くすという結末になっていて、彼のような異端児、奇形児が結局どのように生きていけばよいのか、ということについてのメッセージは感じられなかった。

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2019/05/12

★3.5かな。邦題が全然ダメだと思いますな、まずは。 あと訳注も時代を感じるかも、タコスとか知ってますからなぁ、今時。というかこれ、いつ訳されたものなのかな? 内容は結構キワモノとの境目をギリギリいっているけれども、後半がちょっと粗いというか、前半に比べて物足りない。何と言うか息...

★3.5かな。邦題が全然ダメだと思いますな、まずは。 あと訳注も時代を感じるかも、タコスとか知ってますからなぁ、今時。というかこれ、いつ訳されたものなのかな? 内容は結構キワモノとの境目をギリギリいっているけれども、後半がちょっと粗いというか、前半に比べて物足りない。何と言うか息切れしているなぁというのが率直な感想。 前半から中盤にかけての怖さが段々薄れていくというか、ベンの自我の意識とともに面白みが消えていったかなぁ。 ちなみに本作、フランケンシュタインを意識したものなんでしょうか?深読みし過ぎかな?

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2013/04/28

なんで連れて帰ってきたのー!? そりゃあ、ほかの子は離れていっちゃうよなあ。 それでも見捨てられないのが母の愛ってやつなの?

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2013/04/14

いささか古臭い価値観にしたがって幸福な家庭を築こうとしたカップルの理想が、5番目の子どもベンによって破壊されていく様をえがく。60年代の”新しい”価値観に背を向け、50年代の保守的価値観を遵守しようとした親たちが、70年代に出現した「怒れる若者たち」におびやかされるという、世代間...

いささか古臭い価値観にしたがって幸福な家庭を築こうとしたカップルの理想が、5番目の子どもベンによって破壊されていく様をえがく。60年代の”新しい”価値観に背を向け、50年代の保守的価値観を遵守しようとした親たちが、70年代に出現した「怒れる若者たち」におびやかされるという、世代間の葛藤を描く小説と読めなくもないが、だとすれば、ベンを出生時から異質な怪物として造形したのはどういうことか。作家は、ベンら暴力的な若者たちを、恐るべき怪物であると同時に、文明に飼い馴らされていない野蛮人として称揚しているようでもあるが、いずれにしても本質主義的で、問題のある描き方のように感じる。

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2012/08/01

理想だけで築かれた家庭を、5番目の子どもが現実へ引き戻す! 主人公はベンの母親ハリエット。母性本能なのか、家族全員が存在を否定するベンをなんとか理解しようと孤軍奮闘する様子が痛ましくも力強い。もしも、夫や医者など周囲の人々がハリエットを軽蔑するのではなく、協力してあげていたら、こ...

理想だけで築かれた家庭を、5番目の子どもが現実へ引き戻す! 主人公はベンの母親ハリエット。母性本能なのか、家族全員が存在を否定するベンをなんとか理解しようと孤軍奮闘する様子が痛ましくも力強い。もしも、夫や医者など周囲の人々がハリエットを軽蔑するのではなく、協力してあげていたら、ここまで家族は離れ離れにならなかったのではないだろうか。幸福メッキされた家庭を破壊したのは、ベンやハリエットを全く受け入れようとしなかった家族だったのでは。

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2011/08/23

日本の流麗な文章に触れていた為か、このアクションが主体で如何にも洋風な文章を小説として認める事が難しかった。 タイトルと内容は聊か不釣合いな気もした。“破壊者”と云われたベンは、実質そんな単純な凶暴さでは無く、悪魔に近い神聖さを宿している様にさえ想われた。敢えて“破壊”したと云う...

日本の流麗な文章に触れていた為か、このアクションが主体で如何にも洋風な文章を小説として認める事が難しかった。 タイトルと内容は聊か不釣合いな気もした。“破壊者”と云われたベンは、実質そんな単純な凶暴さでは無く、悪魔に近い神聖さを宿している様にさえ想われた。敢えて“破壊”したと云うならば、母親の精神のみであろう。 本書の面白さは、ベンよりもその両親の感情の流れ、ハリエットの困惑や贖罪や憎悪、ヒステリーさにあるように想う。異端を孕み、産み出した母親として忌避される此の哀れなヒロインこそが噺の主体となっていて、ベンを主役とするには余りにベンに触れなさすぎた。 歯切れの悪い終わり方と、単調な訳文は全く魅せられなかったが、家庭の崩壊していく様を描くものとしては面白味はあった。

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2011/08/07

ノーベル文学賞受賞者ということで読んでみた。以下、ネタバレ絵に描いたような幸福な家庭。五人目の子供は妊娠中から胎内で大暴れし、誕生後も不気味さ、乱暴さで一家を不幸に陥れる。施設に入れてみたりもしたが、母親は悩んだ挙句、ベンを引き取り、ベンに時間を取られることで他の子供たちの発達に...

ノーベル文学賞受賞者ということで読んでみた。以下、ネタバレ絵に描いたような幸福な家庭。五人目の子供は妊娠中から胎内で大暴れし、誕生後も不気味さ、乱暴さで一家を不幸に陥れる。施設に入れてみたりもしたが、母親は悩んだ挙句、ベンを引き取り、ベンに時間を取られることで他の子供たちの発達にも悪影響が出る。結局、ベンは矯正不能で、中学生の時点で既に犯罪者グループに入り、先が思いやられるというところで終わる。帯にあるように黙示録的な話なのか、どこまでも母性を示す話なのか。。。

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2010/03/13

(2008.11.20読了) ドリス・レッシングは、2007年度のノーベル文学賞を受賞しています。現在、文庫で読める本はこの本だけです。ほかにもいくつか文庫で出たようなのですが、絶版です。 この本の解説から、略歴をたどると以下のようです。 1919年 ペルシャ西部の都市ケルマンシ...

(2008.11.20読了) ドリス・レッシングは、2007年度のノーベル文学賞を受賞しています。現在、文庫で読める本はこの本だけです。ほかにもいくつか文庫で出たようなのですが、絶版です。 この本の解説から、略歴をたどると以下のようです。 1919年 ペルシャ西部の都市ケルマンシャーに生まれる。両親はイギリス人。 1924年(5歳) 南ローデシア(現ジンバブエ)に入植。 ソールズベリー(現ハラーレ)の修道院付属の寄宿学校に入学。 1933年(14歳) 眼疾を口実に中途退学 看護婦、電話交換手、等として働く 1939年 フランク・ウィズダムと結婚(一男一女を生む) 1945年 家庭を放棄、ゴットフリート・レッシングと結婚(一男を生む) 1949年 離婚、ロンドンに移る 1950年 『草は歌っている』を発表 1952年 「マーサ・クエスト」 1962年 「黄金のノート」 1969年 「四つの門のある都市」 1971年 「地獄への降下命令」 1973年 「黄昏の夏」(邦訳名「暮れなずむ女」) 1974年 「生存者の回想」 1979年 「シカスタ」 1984年 「ジェイ・ソマーズの日記」 1985年 「善良なテロリスト」 1988年 「五番目の子供」(邦訳名「破壊者ベンの誕生」) 2007年 ノーベル文学賞受賞 この本のあらすじを解説から拝借すると以下のようです。 「1960年代の半ば。同じ系列会社に勤めるハリエット・ウォーカーとデイヴィット・ロヴァットは、同じ世代の同僚たちの快楽主義に挑戦するかのように、たくさんの子供たちに囲まれた、幸福な家庭を築き上げる夢をともに抱いて結婚する。二人は、ロンドン郊外に、ヴィクトリア朝時代の大きな家を、彼の裕福な父親の援助を得て購入する。しかも、未亡人である、ハリエットの母親の家事万端にわたる手助けによって、いよいよ幸福な家庭生活へ向けてスタートする。早速、決めていた出産計画通り、次々と四人の健康な、可愛い赤ん坊を授かる。クリスマスや復活祭や夏休みには、一族の連中が、世界の各地から、この、ヴィクトリア時代の幸福な家庭を絵に描いたような家に集まり、食堂の大テーブルの周りで、楽しいひと時を過ごしてゆくのであった。 やがて1973年。これまでにない苦しい妊娠にもかかわらず、ようやく五番目の子供が生まれる。が、それは人間離れのした、北欧神話に現れる怪物か小鬼のような、身の毛もよだつ醜悪な奇形児で、兄姉たちからも、親戚からも、親たちからさえも、嫌われ憎まれる子供に育っていく。やがてこのベンは、奇形児だけを収容する施設に隔離されるが、死の一歩手前で、ハリエットによって救い出される。これを契機として、兄姉たちは、祖父母のところへ、あるいは親戚の家へ離散し、デイヴィットも、ハリエットと部屋を別にし、結局、ハリエットとベンの二人だけが取り残され、かつては一族の羨望の的であり、夢の象徴だった、幸福な家庭は崩壊してしまう。」 ちょっとホラー的小説です。 (2008年11月21日・記)

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2009/10/07

特別なもの、ありふれてはいないもの、理解できないもの、目を背け、握り潰そうとするもの。ベンとはなにか?幸福な家族に訪れた5番目の子供ベンがもたらした崩壊と言うが、無計画に無理をして作り上げていた幸福な家族が本物だったのだろうか。ベンが破壊するのは偽り。むき出しにする本質。夫婦愛、...

特別なもの、ありふれてはいないもの、理解できないもの、目を背け、握り潰そうとするもの。ベンとはなにか?幸福な家族に訪れた5番目の子供ベンがもたらした崩壊と言うが、無計画に無理をして作り上げていた幸福な家族が本物だったのだろうか。ベンが破壊するのは偽り。むき出しにする本質。夫婦愛、家族愛?母の愛は?と、私は読んだ。

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