イギリス経済 再生の真実 の商品レビュー
「ユーロ危機」が叫ばれる昨今において、ギリシャやドイツの動向はよく報道されるが、「そういえばイギリスはあまり報道されないな」と思い、本書を手にとってみた。 本書は「グローバル化時代の先端モデル」と名打ったサッチャー首相以来のイギリスの「新自由主義的改革」万歳の主張満載の書であ...
「ユーロ危機」が叫ばれる昨今において、ギリシャやドイツの動向はよく報道されるが、「そういえばイギリスはあまり報道されないな」と思い、本書を手にとってみた。 本書は「グローバル化時代の先端モデル」と名打ったサッチャー首相以来のイギリスの「新自由主義的改革」万歳の主張満載の書である。 本書は2008年の「リーマン危機」以前の2007年の発行であるから、本書の主張は、その後の世界経済の変調により覆されたともいえると思えた。 「活況にわく英国」「15年景気の実相」「構造改革の先駆け」「興隆するシティー」の本書の論調は、「構造改革万歳」と叫ぶ日本経済新聞社の社論そのものとも言えるが、その後の世界経済の危機を経た現在としては、その内容も虚しい。 本書の視点は発行当時の2007年では通用したのだろうが、現在では誤っていたことが誰の目にも明らかであるとおもう。 本書は、経済の未来予測がいかに難しいかを知ることができる点ぐらいが価値といえると思うが、経済書としては未来を見据えることができない失格の書であると思った。
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逗子図書館で読む。期待していたのですが、あまり面白くない。デジャブーです。一部のエリート大学を除いて、教育システムも、大したことはないと認識しているようです。その通りだと思います。
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かつて「ヨーロッパの病人」とまで揶揄されたイギリスの経済が非常に好調である。おおよそ15年にわたって、四半期ベースでの成長を続けているのである。この本は、その原因を分析したものである。以前このブログに書いた、サッチャーの自伝を読んだ時にも思ったことであるが、それは、経済に対する政...
かつて「ヨーロッパの病人」とまで揶揄されたイギリスの経済が非常に好調である。おおよそ15年にわたって、四半期ベースでの成長を続けているのである。この本は、その原因を分析したものである。以前このブログに書いた、サッチャーの自伝を読んだ時にも思ったことであるが、それは、経済に対する政治の直接的な関与を出来る限り少なくし、自由で健全な「市場」が機能するような仕組みをつくり・維持すること(のみ)に政治の役割を限定したことだと思う。逆説めくのであるが、「政治の関与を少なくする」ことを実現するには、強力な政治のリーダーシップが必要なのだ、ということを、この本を読んであらためて感じた。
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この本の帯には「日本が学ぶべき再生のヒントに迫る」とあったので期待して買ったのですが、内容的にはとくに改めて言うような「真実」でもなければ、「15年の景気」の話でもないような内容でした。むしろ、サッチャー、ブレア、ブラウンの流れを別の本で読んだ方がまとまってその意義を見ることがで...
この本の帯には「日本が学ぶべき再生のヒントに迫る」とあったので期待して買ったのですが、内容的にはとくに改めて言うような「真実」でもなければ、「15年の景気」の話でもないような内容でした。むしろ、サッチャー、ブレア、ブラウンの流れを別の本で読んだ方がまとまってその意義を見ることができるかもしれません。 規制緩和による自由化がグローバル化の波で開花したのはいいけど、外国資本や労働の受入れで再生したと言っていいのだろうか?金融に依存した国の体質や住宅などの高価値化による景気はある意味もろさもあるのではないだろうか。規制緩和など日本が学ぶべきスピード感はよくわかるけど、それが日本の政治文化にあうのだろうか?それがグローバル化の波から乗り遅れる日本と言うことになるのだろうけど。 この本の中のインタビューに、規制緩和で自由化すれば競争が激しくなり市場という名のケーキの我々の取り分は少なくなるという心配がある。しかし、ケーキ自体が大きくなるのだから、取り分が減ることはない、、、と言うような話がありました。まさにその通りでしょう。そこにイギリス再生のすべてが語られていると言ってもいいのですが、そのケーキは永久的に拡大しなと、いったん縮小すると、今度は負のスパイラルに陥るのではないかと言う心配がよぎったりします。
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