ヒトラーのはじめたゲーム の商品レビュー
ポーランドのユダヤ人収容所を経験したジャックの手記(インタビュー?)と、ジャーナリストである著者が、ジャックの手記を解説するように情景や時代背景など描写するパート。この2つのパートが交互に書かれます。 という説明はどこにもないのですが、多分そうなんだと思います。 当時子供だった...
ポーランドのユダヤ人収容所を経験したジャックの手記(インタビュー?)と、ジャーナリストである著者が、ジャックの手記を解説するように情景や時代背景など描写するパート。この2つのパートが交互に書かれます。 という説明はどこにもないのですが、多分そうなんだと思います。 当時子供だったジャックは、ホロコーストに入ったことも「ヒトラーのはじめたゲーム」、生き延びて家族に会うというゴールのために懸命に生きる姿が描かれます。一歩間違えば、この手記が残ることはなかったのだと思うと心が痛い。
Posted by
ヒトラー政権下のポーランド、ユダヤ人の少年ジャックが、家族とも引き離されて過酷な収容所に収用され、どのように生き抜いたか。ユダヤ人を迫害することは「ヒトラーが始めたゲーム」。くよくよと考えるのではなく、この中で、どう勝ち抜くか、生き抜くことができるのか、とジャックは考え続ける。 ...
ヒトラー政権下のポーランド、ユダヤ人の少年ジャックが、家族とも引き離されて過酷な収容所に収用され、どのように生き抜いたか。ユダヤ人を迫害することは「ヒトラーが始めたゲーム」。くよくよと考えるのではなく、この中で、どう勝ち抜くか、生き抜くことができるのか、とジャックは考え続ける。 「憎しみは、なにも生み出さず、何の役にも立たない。自分のエネルギーを消耗させるだけなのだ。」 その思いに達するのは、究極の状況だったからこそだ。 民族浄化、ジェノサイドは、実は今も起こっている。次が「自分」とならないように、過去のこと、特殊なことと思わず、この事例から学び続けなければならない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・ホロコーストでの体験を書き記したもの ・文章から描かれる現場の詳細さから、 囚人になった主人公の姿や、出てくる食事、 ガス室で死を待つ親子の様子が想像できてしまう。 ・体調がなかなか回復しない患者に、注射を打つ医者。特効薬や、鎮痛剤などではなく…という場面の臨場感に、思わず呼吸が浅くなった。 ・「毎朝、目がさめると、すでに飢えていた。」 どんな状態にされた、だとか、労働が鬼畜すぎるという内容よりも、衝撃的な一文だった。 続く、「わたしたちは食べ物のこと以外なにも考えることも、話すこともできなくなっていました」 人間の生存欲求というものが、身体を支配している。野生の姿に変わったような、獣が喋っているみたいな文章だった。 ・身近な人や、ものに対する尊さに気づくいい本だった。世界平和の為に、とか規模の大きいことは出来ないが、いつも食べるご飯の味とか、大事な人との連絡の頻度、インターネットに費やす時間とかに疑問を持つようになった。
Posted by
アメリカ市民となったユダヤ人の証言をもとに、ホロコ-ストの歴史的事実をヤングアダルト向けに語られた衝撃の書。 著者(米国の女性ノンフィクション作家)曰く〝生還者の話を聞くことは、とても辛いことです。しかし、それを語る彼らの方はもっと辛いのです。語ることによって、自分たちが味わった...
アメリカ市民となったユダヤ人の証言をもとに、ホロコ-ストの歴史的事実をヤングアダルト向けに語られた衝撃の書。 著者(米国の女性ノンフィクション作家)曰く〝生還者の話を聞くことは、とても辛いことです。しかし、それを語る彼らの方はもっと辛いのです。語ることによって、自分たちが味わった悪夢のような、野蛮で非人間的な体験を、もう一度味わわなければならないからです。しかし、彼らには判っているのです。警鐘を鳴らさなくなくてはならないと云うことが・・・〟
Posted by
中学生くらいのころ読んで衝撃を受けた。生々しい凄惨な環境を、機転と運と考え方で生き延びた彼の一生から学ぶことは沢山。2度と繰り返してはいけない負の遺産を読みやすい形で伝えてくれた。
Posted by
ナチスによるユダヤ人迫害を生き抜き、アメリカへ移住したジャック・マンデルバウム、極限状態に追い込まれても「憎まない」という戦い方をしたジャックはすごい。
Posted by
「いいか、ジャック。 ここで起こることは、すべてゲームだと思え。 どんな目にあっても、くよくよしてはいけない。 うまくゲームをするんだ。 そうすれば、ナチより長く生きることができるかもしれない。」 「憎しみは、なにも生み出さず、何の役にも立たない。自分のエネルギーを消耗させるだ...
「いいか、ジャック。 ここで起こることは、すべてゲームだと思え。 どんな目にあっても、くよくよしてはいけない。 うまくゲームをするんだ。 そうすれば、ナチより長く生きることができるかもしれない。」 「憎しみは、なにも生み出さず、何の役にも立たない。自分のエネルギーを消耗させるだけなのだ。」 「もしも耳をかたむけないなら、待っているのはつぎの犠牲者です。ナチスが行ったような「民族浄化」のつぎのターゲットになるのは、いったいだれでしょう。 それがあなたでないと、だれが断言できるでしょうか?」
Posted by
当時のユダヤ人迫害や、収容所の本をいろいろ読んでいますが、生き残れるのは生きたいという強い意志、体力、精神力、仲間、運、すべてを持っていた人だなとおもいます。 引き込まれて一気に読みました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第二次世界大戦の引き鉄になった、ナチスドイツ軍のポーランド侵攻。ひと月足らずでポーランドを占領したドイツは、本国の政策に従って、ポーランドでもホロコーストを開始しました。この本の主人公・ジャックも、たった14歳の時に家族と引き離され、強制収容所に収容されてしまいました。 劣悪な環境と強制労働に耐えるジャックを支えていたのは、ヒトラーが始めたこのゲームを生き抜き、ヒトラーに勝利したいという希望でした。それはとても儚い、夢のような願いでしたが、ジャックは晴れて解放の日を迎えます。 ホロコーストのおそろしさは、国を挙げての政策だったのはもちろんですが、協力していたのが軍人だけでなく一般の市民だったという点です。だれもが被害者にも加害者にもなり得る、そんなおそろしい事態は二度と招いてはならないと強く感じました。
Posted by
戦時中にポーランドにいたユダヤ人で収容所を経験して生き延びて戦後アメリカに移住したユダヤ人のストーリー。 感動的というか、本当に人生はゲーム。勝負。運がいいかどうか。ゲームに勝てるのかどうか。 本当に辛いことだったと思う。もう読んでいるだけで辛くなってしまう。 戦後もトラウマに悩...
戦時中にポーランドにいたユダヤ人で収容所を経験して生き延びて戦後アメリカに移住したユダヤ人のストーリー。 感動的というか、本当に人生はゲーム。勝負。運がいいかどうか。ゲームに勝てるのかどうか。 本当に辛いことだったと思う。もう読んでいるだけで辛くなってしまう。 戦後もトラウマに悩まされていたそうだ。そりゃそうだろう。 いいか、ジャック、ここで起こることはすべてゲームだと思え。どんな目にあっても、くよくよしてはいけない。うまくゲームするんだ。そうすればナチスより長く生きることができるかもしれない。 友達なしでは生き伸びることはできないのだから。 収容所では生きることしか頭にありません。毎日が、麻衣時間が、新たな困難との戦いです、常に注意を怠らず、自分を守るために最善を尽くさなくてはなりません。 そんなことを考えない方がいいよ、ジャック。なぜか、なんて考えたら、ここでは生きていけない。今、この瞬間と未来のことだけを考えるんだ。 いつだって希望は残されているんだ。 神様は私たち人間に、良くなる力も、悪くなる力も与えましたそれを選択するのは私たち自身です。そして悪を選ぶ人間がいる以上、私たちは、それを見つけ出し、止めるために力を合わせなくてはならないのです。
Posted by
- 1
- 2