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宇宙をプログラムする宇宙 の商品レビュー

3.7

9件のお客様レビュー

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2023/10/13

量子コンピュータの大家、セス・ロイドの名著。考えれば計算機自体、それこそソロバンや歯車式計算機も物理現象の組み合わせで計算しているわけで、著者の言う「量子が無数に存在する宇宙も何かしらの計算をしている」という主張は説得力がある。非常に壮大でワクワクする話ではあるが、量子ビットの説...

量子コンピュータの大家、セス・ロイドの名著。考えれば計算機自体、それこそソロバンや歯車式計算機も物理現象の組み合わせで計算しているわけで、著者の言う「量子が無数に存在する宇宙も何かしらの計算をしている」という主張は説得力がある。非常に壮大でワクワクする話ではあるが、量子ビットの説明はどうしても難解になっちゃう。なのでもうちょっと図を使って直感的に分かるように書いた方が…氏の著作の中では間違いなく一般人向けの書だが、誰彼にでも勧められるわけでは無いのが惜しい。

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2014/10/27

[ 内容 ] 宇宙は何のために存在するのか? それは、計算をするためである。 何を計算しているのか? それは、宇宙自体、すなわち自分自身である。 超微小な粒子を扱う量子技術の向上につれて発展してきた量子情報理論によれば、宇宙とは巨大な量子コンピュータであり、自らを計算によって作り...

[ 内容 ] 宇宙は何のために存在するのか? それは、計算をするためである。 何を計算しているのか? それは、宇宙自体、すなわち自分自身である。 超微小な粒子を扱う量子技術の向上につれて発展してきた量子情報理論によれば、宇宙とは巨大な量子コンピュータであり、自らを計算によって作り出しているという。 そして、宇宙が多様な物体に満ちあふれた、複雑な様相を呈しているのも、宇宙のこの「計算する」能力のためらしい。 猫が生きていてかつ死んでいる、荒唐無稽なことが理屈のうえで起きるのが、素粒子から成る量子の微小世界である。 その量子を用いた、従来のコンピュータとは桁違いの能力をもつ量子コンピュータに関する第一人者セス・ロイドが綴る、大胆かつ刺激的な科学解説。 [ 目次 ] 第1部 全体像(序論;計算;計算する宇宙) 第2部 より詳しく(情報と物理系;量子力学;働く原子;宇宙というコンピュータ;単純な複雑性) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2014/10/26

「初めにビットありき」! 痺(しび)れた。「言葉」でも「光」でもない。「情報」だ。『Itはビットからなる』というのは、もちろんジョン・ホイーラーが提唱した「It from bit」を受けたものだろう。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/10/blo...

「初めにビットありき」! 痺(しび)れた。「言葉」でも「光」でもない。「情報」だ。『Itはビットからなる』というのは、もちろんジョン・ホイーラーが提唱した「It from bit」を受けたものだろう。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/10/blog-post_26.html

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2012/09/12

宇宙とビットの物語。 コンピュータとは?エントロピーとは?など基礎的なことから始まる。 それに付随する論文等の解説。 背理法な仮説など面白いと思った。 残念なのは、私には少し知識が足りない。 知識を増やしてから、もう一度読んでみようと思う。

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2012/04/12

宇宙自体が量子コンピュータだったんだよッ!! Ω ΩΩ<ナ、ナンダッテー!? ぐらいにどうでもいいと思った。

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2011/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

量子情報理論の専門家による情報の観点から宇宙の進化を説明した今まであまり類のなかった専門書  結局シュレディンガーの猫についてはよく分からなかった. 何より驚いたのは筆者がボルヘスと面識があるところだった.

Posted byブクログ

2020/07/15

宇宙を、「情報」を創りだすシステムだという、機械論的に語っている切り口はとても面白かった。 最近出た本である割りには、内容としては、それほど新しい話題は含まれていない。 簡単な仕組みの量子コンピュータがすでに実用化しているという話しは興味深い。いったいどういう仕組で作っているのか...

宇宙を、「情報」を創りだすシステムだという、機械論的に語っている切り口はとても面白かった。 最近出た本である割りには、内容としては、それほど新しい話題は含まれていない。 簡単な仕組みの量子コンピュータがすでに実用化しているという話しは興味深い。いったいどういう仕組で作っているのか想像もつかないけれど、もう実際に動く段階にあるというのは楽しみなことだ。 「事物、すなわち”It”は、情報、すなわち”ビット”から生まれます」と、私は、緊張した手でリンゴを投げあげながら続けた。「このリンゴは”It”の良い例です。リンゴは昔から情報と結び付けられてきました。まず何よりも、”禁断の一口が世界に死とすべてをもたらした”知の果実として。リンゴによって運ばれる情報には、良いものも悪いものもあります。時が下り、リンゴの落下する軌道からニュートンが万有引力の法則を明らかにし、リンゴの表面はアインシュタインの歪んだ時空の喩えにもなりました。もっと直接には、リンゴの種の中に閉じ込められた遺伝子暗号が、将来育つリンゴの木の構造をプログラミングしています。そして最後に、リンゴは自由エネルギー、すなわち、われわれの体を機能させるうえで必要な、ビットに富む何キロカロリーものエネルギーが含まれているのです」私はリンゴをひとかじりした。(p.8) 量子ビットは古典ビットと違って、0と1を同時に記録できる。量子コンピュータがそうしたキュビットをコマンドとして解釈しようとすると、いったいどういう振る舞いをするのだろうか?重ね合わせの0の部分は量子コンピュータに「これをしろ」と指示し、重ね合わせの1の部分は「あれをしろ」と指示する。この量子コンピュータは、どちらを選ぶのか?選ぶことはしない。”これ”と”あれ”を同時に行うのだ!量子ビットが同時に二つの値を記録できるように、量子コンピュータは同時に二つの計算を実行できるのである。(p.172) パラダイムは極めて役に立つ。それによって世界を新たな形で考えられるようになるのであって、物理学、化学、生物学を含め科学のほぼどんな進歩も、世界を機械として考えることで可能になったのだ。この機会論的パラダイムにおいて最も重要な量が、エネルギーである。本書では、この強力な機械論的パラダイムを拡張した新たなパラダイムを提唱する。この世界を、単なる機械としてではなく、情報を処理する機械として考えるのだ。このパラダイムにおいては、もっとも重要な量は二つ、等しく地に足を着けて互いに競い合っている、エネルギーと情報である。(p.210)

Posted byブクログ

2009/10/04

宇宙はなぜ複雑なのか? それは、宇宙を構成する素粒子が量子計算をしているからだ…。量子情報論の分野で世界的に著名な第一人者、セス・ロイドが大胆に描く刺激的な宇宙像。

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2011/08/07

チャールズ・サイフェの本とほぼ同じ話題を扱ったもの。こちらの方は量子コンピュータの実装に関する話が多く、一般向けとは言い難い印象。読んではみたが、やや未消化だった。・熱力学の第二法則は情報に関する言明であり、エントロピーは原子や分子に記録されている利用不可能な情報のビット数で、機...

チャールズ・サイフェの本とほぼ同じ話題を扱ったもの。こちらの方は量子コンピュータの実装に関する話が多く、一般向けとは言い難い印象。読んではみたが、やや未消化だった。・熱力学の第二法則は情報に関する言明であり、エントロピーは原子や分子に記録されている利用不可能な情報のビット数で、機械的仕事に転換できない熱エネルギーの尺度。無知の尺度であるという。逆に秩序とは、少ない情報で表現できるということ。・温度は情報とエネルギーの取引レート。高温の原子は1ビットの情報を記録するのに多くのエネルギーが必要で、熱という形でエネルギーが高温の物体から低温の物体に流れるとエントロピーは増大する。低温の方が同じエネルギーで記録できる情報が多いから。エントロピーが最大の状態は、物体が全て同じ温度の時になる。・量子コンピュータは量子的な重ね合わせの相互作用により、計算結果を出す。宇宙では量子的な重ね合わせのデコーヒレンスが起きるたびに量子コンピュータの計算が行われ、多重世界の分岐が一つずつ選択される。これが宇宙の存在?

Posted byブクログ