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誠実という悪徳 の商品レビュー

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2011/12/19

こういう腐敗した閉塞的な時代だからこそ、ふたたび<革命>への一大クローズアップの機運があってもいいはずでは、と私などは思ってしまいますが、残念ながらリニューアルできる強い意志や新しい構成力をもった思想家や実践家が登場しないようです。(なんだか他人ごとみたいに) そう、今や革命な...

こういう腐敗した閉塞的な時代だからこそ、ふたたび<革命>への一大クローズアップの機運があってもいいはずでは、と私などは思ってしまいますが、残念ながらリニューアルできる強い意志や新しい構成力をもった思想家や実践家が登場しないようです。(なんだか他人ごとみたいに) そう、今や革命などというものに誰も興味も関心も抱いてはいないとは思いますが、私にとっては理念的にも歴史的にも究極的なメタ虚構としても、最も重要なテーマの一つとして、おそらく生涯追っかけていくものだと予感しています。 かつて古典として、中国革命にはエドガー・スノーの『中国の赤い星』や『アジアの戦争』、そしてアグネス・スメドレーの『中国の歌ごえ』がそうであるように、ロシア革命にとってはE・H・カーの『歴史とは何か』や『ロシア革命』を読んだものです。 当事者ではないジャーナリストや歴史家がある程度以上の客観的な目で書いたものとして大事な文献だったはずでしたが、その後、スノーは中国政府の取材規制のために真実が書けなかったことを告白したりして私たちを幻滅させました。 E・H・カーという名前はほとんど忘れかけていましたが、書店でこの本を手にした時すぐ思い出しました。そしてぜひ彼の伝記を読んでみたいと欲望しました。485頁の大著でしたが一週間かけて読了。 感想は・・・う~ん、あんまり面白くなかったのです。彼はブハーリンにほとんど興味を持っていなかった、というくだりが極め付きで、それほど柔軟な思想の持ち主ではなかったようです。 まさか、歴史家として人類史上最もユニークなE・J・ボブズホーム(ジャズ評論家としてフランシス・ニュートン名義で大著『抗議としてのジャズ』を表す)のようなワクワクする物語を期待していた訳じゃないけど、あまりにもプチ・ゴリゴリな教条主義っぽいところが見えて落胆しました。 あっそうか、書名の、誠実という悪徳、って、もしかしたら・・・・・

Posted byブクログ