二度はゆけぬ町の地図 の商品レビュー
人があまり認めたくない自らの醜い負の感情を、ことさら細かく描いており、そうしたところに惹きつけられる。 ふられた彼女との性行為時に不快だった事、銭湯で腋臭男性が不快だった事などの描写が気持ち悪さを覚えるほど生々しい。
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短編が四つ。先に『苦役列車』を読んでしまったので、全く同じような内容の話もあり、あとは細部を膨らませただけの話で今ひとつだった。けれど、自虐的で、「自分だったら自分の悪いところはそこまで言えないかも」というところまで正直に言い、ぎりぎりの線で共感、同情できるところもあり……。また、言葉選びのセンスが好きなのかも、と改めて思った。
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いわゆる北町貫多が同居人を面罵するシリーズではない。十代、二十代の話だと読み進めてたが、その中の『腋臭風呂』は十代のエピソードだと思って読み進めていたら、四十代になった氏の話に辿り着く。この本が上梓されたのが2007年、氏が芥川賞候補になるも受賞には至らなかった時期だ。慊りない気...
いわゆる北町貫多が同居人を面罵するシリーズではない。十代、二十代の話だと読み進めてたが、その中の『腋臭風呂』は十代のエピソードだと思って読み進めていたら、四十代になった氏の話に辿り着く。この本が上梓されたのが2007年、氏が芥川賞候補になるも受賞には至らなかった時期だ。慊りない気分で鬱々としていたのではないだろうか。
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「苦役列車」の流れで前の作品も読んでみたくなってこの1冊。 貫多のダメダメ感に「また来たよこのパターン…」と思いながらも、やっぱり描写のリアルさはすごいよなーと思う1作。この格差社会の1面をある意味で映し出しているんじゃないかなーと。綺麗な小説じゃないけれども人間臭いそんな1冊だ...
「苦役列車」の流れで前の作品も読んでみたくなってこの1冊。 貫多のダメダメ感に「また来たよこのパターン…」と思いながらも、やっぱり描写のリアルさはすごいよなーと思う1作。この格差社会の1面をある意味で映し出しているんじゃないかなーと。綺麗な小説じゃないけれども人間臭いそんな1冊だと思う。
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いやぁ面白い。酷い醜い浅ましい…どうとでも言えるほど下の下な主人公ではあるが、どうも憎めなくさせているのは作者の文章の力であろう。もっと読んで見たい気にさせる文章であり、傑出した才能であると思う。
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救いようの無いダメ人間だと思う。読んでいて物凄くイライラする。でも、そんなどうしようもない人間に哀愁を感じてしまうから情けない。哀愁は嫌いじゃない。おかげで西村賢太作品4冊目をこれで読み終えましたわ。 特に「春は青いバスに乗って」が良かったですわ。
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他の作品に比べると幾分人に読んでもらおうという感じがします。こんなこと読者には、言われたくないんでしょうけど。 これが、このひとの作品の中では一番良かった。
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青春時代に犯した、若さゆえの過ちがたぷり詰まった作品。読んでいて、胸が締め付けられます。 若いときって、あっけらかんと人の心を踏みにじることってあるよな〜と、遠い記憶を呼び覚まされました。 この作品のように、鮮やかに若さを再現されると、おろかで享楽的な若さがじれったく、たしなめた...
青春時代に犯した、若さゆえの過ちがたぷり詰まった作品。読んでいて、胸が締め付けられます。 若いときって、あっけらかんと人の心を踏みにじることってあるよな〜と、遠い記憶を呼び覚まされました。 この作品のように、鮮やかに若さを再現されると、おろかで享楽的な若さがじれったく、たしなめたくなります。 そういう意味では、30代以上の人にとっては、自分の過去を鏡で見せられた気分になるんじゃないかな? ただ、この作品は三人称で語る作品が二つほどあるんだけど、他の作品に比べて迫力はイマイチ。 西村賢太は、一人称の方が断然面白い。
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おなじみ貫太シリーズの初期作品集。 この頃まだ西村氏は芥川賞や三島賞、川端賞など次々候補になれど落選続きの時期。 そのせいか作品もひがみ根性丸出しで痛々しさが強く、読後感の悪さも著しい。 それでも、ついつい読まされてしまうのだから、やっぱりうまいなあ。
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あははは!! すごいなこの人。 こんな人生を垣間見れて、ちょっと楽しい。 彼に文才がなければ読めたもんじゃないのは確か。 リズム感いい文体です。 主人公の名前がイカシテます。 もじるとそんな感じだねw
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