戦前の少年犯罪 の商品レビュー
戦前の少年犯罪を過去の新聞から抜粋して紹介する本。 新聞に載るようなものであり、さらに作者のフィルターもかかってるわけですから話半分で読む必要はあるのですが、戦前の少年のはっちゃけてる事例がこれでもかって並び、今だったら大問題になるようなことでも叱って終わりだったりする当時の状...
戦前の少年犯罪を過去の新聞から抜粋して紹介する本。 新聞に載るようなものであり、さらに作者のフィルターもかかってるわけですから話半分で読む必要はあるのですが、戦前の少年のはっちゃけてる事例がこれでもかって並び、今だったら大問題になるようなことでも叱って終わりだったりする当時の状況がたくさん紹介されています。 本当に日本での出来事なのかと疑いたくなることばかり。 作者も繰り返し述べますが、老人や自称知識人共が昔の若者は真面目だっただの勉強しただの言ったり、現代の若者の心の闇がとか言い出すのは勉強不足も甚だしいと思い知らされます。 当時は今で言うニートがたくさんいて、さらに彼らは現在だとワイドショーのトップニュースを飾るレベルの事件を頻繁に犯していること。 経済的に行き詰まってではなく興味本位からの犯罪が多いこと。 事件を起こした人間に対する処分が現在では考えられないくらいに甘いこと。 教師やにろくでなしが多いこと。 戦争が始まるまで軍人や教師の立場がものすごく低く見られていたこと。 命を粗末にすることになんの抵抗もないこと。 等、興味深い見解が多くて面白く読めた。 特に二・二六事件をニート犯罪ととらえ、首謀者とされる磯部浅一をエリート意識を捨てられない頭でっかちなだけのニートが引き起こした事件とする解釈はその是非はともかく新鮮だった。 つけあがった若造の暴走を止める雰囲気が世間に存在せず、命を粗末にすることになんら抵抗を感じなかった風潮があったのだろうということが感じ取れ、太平洋戦争に突入したり戦後末期の特攻などに至った経緯が腑に落ちるようになった。 やや挑発的なものいいが多く人によっては読みづらいと感じるかもしれませんが、作者の解釈部分を横に置いて読むだけでも当時の状況を知るに良い本だと思います。
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一部の書評で「書き方が挑発的すぎ」だの、「嫌味」だのと批判されていたが、読んでみるといわれるような喧嘩腰ではなく「ユーモア」や「ウィット」の類だと感じた。この程度で批判されるのであれば、どれだけオブラートに包めば認めてもらえるのかと逆に問いただしたくなる。 特に読めば誰でも衝撃を受ける新聞記事による事実を軸にした構成によって、逆に鮮やかに浮かび上がる現代の言論人の無責任な言動とを考慮すれば、これ位の書き方でなければ内容に釣り合わないのではないか、とさえ感じるくらいだ。 「作られた伝統」だの「歴史の書替え」だのは、遠い昔の出来事ではない。リアルタイムで今、この日本において毎日のように行われている。しかもそうした行為に関与している人たちにすらその自覚がない。まさに目を覆いたくなる状況である。 本書は少年犯罪に的を絞っているが、他にも2・26事件や体罰をめぐる考察などを含み、現代人が陥りがちな紋切り型の戦前観を見事に解体してくれるだけの説得力のある良書である。
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戦前の少年犯罪をカテゴリ別に掲載。 尊属殺人・集団暴行・レイプ・幼児猥褻など、頭が痛くなる。 犯罪事態は、現代と変わらない又は現代の法がマシというのが筆者の結論だと思う。 ただ、戦前は犯罪の統計をとっていないため現代と比べられないとのこと。 凶悪犯が多かったことは、納得できたが本...
戦前の少年犯罪をカテゴリ別に掲載。 尊属殺人・集団暴行・レイプ・幼児猥褻など、頭が痛くなる。 犯罪事態は、現代と変わらない又は現代の法がマシというのが筆者の結論だと思う。 ただ、戦前は犯罪の統計をとっていないため現代と比べられないとのこと。 凶悪犯が多かったことは、納得できたが本当に戦前が殺伐としていたかは、まだ納得できなかった。 感想としては、戦前の若者のほうがエネルギッシュだったということ。 学校内では、学級崩壊やスト、教師や校長のつるし上げなど頻繁に起こっていたらしい。以前他の本でもそういう事実は呼んだことがあり、興味深く思っていた。 大人と成年が対立して闘争を繰り広げるのが当たり前の時代であったらしい。 個人的には、戦後の管理教育のため、教師にNOを言う事を禁じられていた世代としては羨ましいと思う。 本書では、こういった若者のパワーを押さえきれない大人たちの右往左往する姿を紹介するとともに、二二六事件の若い将校の暴発にまで話を広げる。 若い青年将校たちは、自分たちの味方をする都合のいい軍の幹部を神輿にして、テロリズムを暴発させたとのことだ。 戦前を語るとき、若者が大人に利用された側面ばかりがクローズアップされる傾向にあると思う。 しかし、若者のエネルギーが弱腰の大人たちを利用して自分たちの野心をかなえる道具とする筋書きは十分ありえると思う。 この本は、戦前の歴史観に新しい光を射してくれたと思うし、大変勉強になりました。 ただ、もう少し著者の時代論があっても良かったかな。
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「戦前の少年たちはこんなにひどい犯罪をしてたんだよー。今の方が全然平和じゃん。」的なテンション。 この本の内容をおもしろいと言っていいのかはわからない。(funnyと思ってしまうのは倫理的には問題だろうが、interestingであるのは事実。筆者はfunnyを狙っているようにも...
「戦前の少年たちはこんなにひどい犯罪をしてたんだよー。今の方が全然平和じゃん。」的なテンション。 この本の内容をおもしろいと言っていいのかはわからない。(funnyと思ってしまうのは倫理的には問題だろうが、interestingであるのは事実。筆者はfunnyを狙っているようにも思える) 物事はさまざまな方向から考察する必要があるということは学びました。
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その名の通り、昔の少年犯罪を紹介した本。主に昔の新聞記事に題材を得ている。 この本を読むと、遊ぶ金欲しさの殺人も、ニートによる殺人も、「カッとなってやった」殺人も、小学生など低年齢の児童による殺人も、今より昔のほうが量の上でも多かったし、質も殆ど変わらないことがよくわかる。 ただ惜しいのは、データ収集とそれに付随する考察は論理的なのに、「昔の若者は~」という具合に「今の若者は~」という愚痴と同レベルの記述が散見されること。これだと単なるアンチテーゼにしかならない。あと、できれば著者は本名で名前を出してほしかった。
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この本を読む限りでは、少なくとも少年犯罪に関しては戦前のほうがずっと残酷で、かつ猟奇的なものが多いです。例えば目次より。 1、 戦前は小学生が人を殺す時代 2、 戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代 3、 戦前は親殺しの時代 4、 戦前は老人殺しの時代 5、 戦前は主殺しの時代 6、...
この本を読む限りでは、少なくとも少年犯罪に関しては戦前のほうがずっと残酷で、かつ猟奇的なものが多いです。例えば目次より。 1、 戦前は小学生が人を殺す時代 2、 戦前は脳の壊れた異常犯罪の時代 3、 戦前は親殺しの時代 4、 戦前は老人殺しの時代 5、 戦前は主殺しの時代 6、 戦前はいじめの時代 7、 戦前は桃色交遊の時代 8、 戦前は幼女レイプ殺人事件の時代 9、 戦前は体罰禁止の時代 10、戦前は教師を殴る時代 11、戦前はニートの時代 12、戦前は女学生最強の時代 13、戦前はキレやすい少年の時代 14、戦前は心中ブームの時代 15、戦前は教師が犯罪を重ねる時代 16、戦前は旧制高校生という史上最低の若者たちの時代 など、詳しくは本書を読んで確認してほしいのですが、少なくともここ10数年間に起こった少年犯罪が精神的に異常だとマスコミで盛んに議論されていましたけれど、この本を読んですべてがひっくり返りました。ここに書かれている内容は、カオスの一言です。小学生が人を殺し、精神の崩壊した人間が殺人事件を起こし、子や丁稚が親や主人を殺し、『聖職』と呼ばれる教師や『エリート』と呼ばれた旧制高校の学生も、とんでもない事件をやらかします。それをここではあえて具体的には書きません。ただ、少年や若者の犯罪に対して、ある程度時代がおおらかで寛容的だったらしく、 たとえば、殺人を犯した少年でも収監されないとか、社会で重要なポストを任されていたり、色々ありますわな。とはいえ、これで解ったことは 『こういうことは、今に始まったことではなく、昔のほうがもっととんでもないことをやっている』 ということでした。
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変われない人間という悲しさ―『戦前の少年犯罪』 http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100911/1284169750
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近年少年犯罪が増えているだとか、凶悪犯罪が若年化しているだとかそういった世を憂うニュースはしかし果たして本当なのか。 これを読めば、マスメディアとは如何に扇情的かが解るはず。 多少独善的な文体が目立つことが唯一気に入りませんけど。 以前北野武がフランスで、作中の過激な暴力表現が...
近年少年犯罪が増えているだとか、凶悪犯罪が若年化しているだとかそういった世を憂うニュースはしかし果たして本当なのか。 これを読めば、マスメディアとは如何に扇情的かが解るはず。 多少独善的な文体が目立つことが唯一気に入りませんけど。 以前北野武がフランスで、作中の過激な暴力表現が社会に与える責任を問われて、「責任なんかねぇよ。だったら逆に、世の中にはこんなに愛や平和や幸福を賞賛する作品で溢れているのに、なんで戦争はなくならないんだ?彼らはそれに責任を取ったか?」というような答えを返した。といってたのを思い出しました。
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マスコミのインチキと、コメンテーターの不勉強さを、見事に暴いた痛快作。 作者の運営するHPでは別の事例も見れる。 これが出てから、コメンテーターの少年犯罪に対する言い方が変わったとか…(笑)
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懐古趣味ほど反吐の出そうな悪趣味はないですし、昔はよかったと言われてもほほうと信じる気はないのですが、それにしてもこれはどう… ホントにこんなことが?と、いくら新聞に載ってたといわれてもにわかには信じがたい話がてんこ盛りです。 こんな時代にのさばってた人が今どの面下げて最近の若者...
懐古趣味ほど反吐の出そうな悪趣味はないですし、昔はよかったと言われてもほほうと信じる気はないのですが、それにしてもこれはどう… ホントにこんなことが?と、いくら新聞に載ってたといわれてもにわかには信じがたい話がてんこ盛りです。 こんな時代にのさばってた人が今どの面下げて最近の若者は~などと人にお説教などできるのか、謎でたまりませんね。すごいです。 あらゆる犯罪が今の2~3倍は多かった昭和30年頃のものも読んでみたいです。 いまいち卒論用としては使えなかったけど、ただただおもしろい本でした。 殺人レイプ心中と、最初は陰鬱な気分に陥って大変でしたけど、最後の方になるといっそ清々しい気持ちがしてくるのはなぜでしょうね(笑)。
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